化学工業

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学工業
科目番号 0130 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 有機工業化学、井上祥平、裳華房
担当教員 伊藤 篤史

到達目標

①有機化学工業の根幹をなす石油化学工業を理解する。
②有機資源から得られる染料、界面活性剤、医農薬などの精密化学品について理解する。
③有機化学工業の発展の方向について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
製造業の基盤として重要な位置を占めている有機化学工業において、石油や天然ガスの資源から中間原料への誘導、さらにそれら中間原料を用いて生産される染料、界面活性剤、医農薬などの精密化学品について基礎的知識を学習する。
また精密化学品のプロセス化の基礎、問題点、環境に配慮したプロセスについて学習する。
この科目は、総合化学メーカーで農薬の研究・開発を中心に行ってきた教員が、その経験を活かし、原料から消費に至る製品の流れ、研究からプラント建設までの過程におけるエンジニアリングの役割および商業生産を続ける課題についての授業を行う。
授業の進め方・方法:
・中間試験は50分間の試験を実施する。期末試験は50分間の試験を実施する。
・定期試験の成績を80%、小テストや課題の成績を20%として、総合的に評価し、60%以上を合格とする。
注意点:
有機化学が主となる授業です。化学反応や反応機構について復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 有機化学工業の概要 有機化学工業の発展の歴史、原料資源について説明できる。
2週 石油と石油化学 石油資源とその精製について説明できる。
3週 石油からの化学製品(1) エチレン、プロピレンを原料とする誘導品について説明できる。
4週 石油からの化学製品(2) C4炭化水素、芳香族化合物を原料とする誘導品について説明できる。
5週 天然ガス化学 天然ガス化学の概略について説明できる。
6週 石炭化学 石炭化学の概略について説明できる。
7週 油脂とその化学 油脂の概略、油脂の加工について説明できる。
8週 染料・顔料・塗料 染料・顔料・塗料について説明できる。
4thQ
9週 界面活性剤と洗剤 界面活性剤と洗剤について説明できる。
10週 香料と化粧品 香料と化粧品について説明できる。
11週 農薬 農薬の概略について説明できる。
12週 医薬 医薬の概略について説明できる。
13週 有機工業化学と環境(1) スケールアップの基礎と問題点について説明できる。
14週 有機工業化学と環境(2) グリーンケミストリーの概略について説明できる。
15週 期末試験の解説とまとめ 間違った問題を正答できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4
蒸留の原理について理解できる。4
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4
基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4

評価割合

試験小テスト、課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000