無機化学基礎

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 無機化学基礎
科目番号 0039 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 1)ステップアップ基礎化学、梶本興亜編、培風館 2)無機化学演習、合原、他、三共出版
担当教員 田中 利彦

到達目標

電子構造および化学的結合の基礎概念を元に多様な物質の基本的な性質や反応性の違いを周期律表に基づいて相対的に説明するための最小限の基盤となる知識を収得する。さらに本格的な化学熱力学の学習を円滑に成功させる為の基盤となる基礎概念を取得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
多様の物質の構造と機能を理解するための基盤的概念、具体的には電子構造および化学的結合の基礎概念とその周期律表との相関,さらに化学熱力学の基礎について学ぶ。
授業の進め方・方法:
中間試験は50分間の試験を実施する。期末試験は50分間の試験を実施する。定期試験 70%、課題等その他30%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。原則として中間試験は出来れば試験が集中する共通試験期間等を避け授業時間中に実施する。
注意点:
無闇な暗記でなく納得できるまで考えて理解すること。電子軌道は100%納得できなくてもその結論と周期律表との相関だけは身につけること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論 化学の母と父、錬金術的化学と物理化学
2週 量子の世界(1) 波動と粒子の二重性
3週 量子の世界(2) 水素原子のスペクトルとボーアモデル
4週 量子の世界(3) 波動の表現と定在波、シュレディンガー方程式
5週 量子の世界(4) 周期律表と水素原子モデル(1)
6週 量子の世界(5) 周期律表と水素原子モデル(2)
7週 化学結合(1) 共有結合(1)
8週 化学結合(2) 共有結合(2)
2ndQ
9週 化学結合(3) イオン結合
10週 化学結合(4) 混成軌道
11週 化学結合(5) 水と水素結合
12週 化学結合(6) 配位結合と錯体
13週 化学結合(7) 結晶
14週 化学結合(8) 固体中の電子
15週 総合復習 期末試験の解説と復習
16週
後期
3rdQ
1週 熱力学の基礎(1) 熱力学とは何か?
2週 熱力学の基礎(2) 内部エネルギーと仕事
3週 熱力学の基礎(3) 状態関数と経路関数、エンタルピー
4週 熱力学の基礎(4) エントロピー
5週 熱力学の基礎(5) 自由エネルギー
6週 物質の変化(1) 気体分子運動論
7週 物質の変化(2) 二つの状態方程式
8週 物質の変化(3) 相平衡(1)
4thQ
9週 物質の変化(4) 相平衡(2)
10週 物質の変化(5) 相平衡(3)
11週 物質の変化(6) 化学平衡(1)
12週 物質の変化(7) 化学平衡(2)
13週 物質の変化(8) 酸と塩基
14週 物質の変化(9) 電極反応
15週 総合復習と総括 期末試験の解説と総括
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。3
金属結合の形成について理解できる。3
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。3
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。2
錯体の命名法の基本を説明できる。2
配位数と構造について説明できる。2
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。2
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。3
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。3
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。3
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。3
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。3
混合気体の分圧の計算ができる。3
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。3
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。3

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000