物理化学基礎

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理化学基礎
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 P.W. Atkins and J. de Paula,アトキンス物理化学要論 第7版,東京化学同人
担当教員 羽切 正英

到達目標

① 原子分子の構造,物質の三態,気体の諸法則について理解し,各種計算ができる。
② 化学熱力学および熱化学に関する基本法則を理解し,各種計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
原子・分子の基本的構造や気体の性質,化学熱力学の基礎について学習し, 物理化学の基礎的概念を身につける。
授業の進め方・方法:
中間試験は50分の試験を実施する。期末試験についても50分の試験を実施する。
定期試験の成績を80%,課題,実技,小テストや授業へ取り組みなどの平素の学習状況を20%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。
注意点:
物理,数学で履修した基本的内容について十分に復習しておくこと。参考書などを学習に取り入れ,授業ごとの予習と復習を行うことで理解に努めること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序論(1) 原子・分子の構造,核化学
2週 序論(2) 化学結合,分子間力
3週 序論(3) 物理量と単位
4週 序論(4) 物質の三態,気体・液体の性質
5週 気体の性質(1) 気体の状態方程式,分圧の法則
6週 気体の性質(2) 気体分子運動論
7週 気体の性質(3) 実在気体
8週 気体の性質(4) 圧縮因子,van der Waalsの状態方程式
2ndQ
9週 前期前半のまとめと演習 前期前半のまとめと演習
10週 化学熱力学序論 熱力学とは,仕事と熱
11週 熱力学第一法則(1) エネルギーの保存,熱力学第一法則
12週 熱力学第一法則(2) 熱容量
13週 熱力学第一法則(3) 内部エネルギー
14週 熱力学第一法則(4) エンタルピー,エンタルピーの温度変化
15週 まとめ 前期で学習した内容の総まとめ
16週
後期
3rdQ
1週 熱化学(1) 前期の学習内容の確認
2週 熱化学(2) 物理・化学変化と熱
3週 熱化学(3) 生成エンタルピー,反応エンタルピー
4週 熱化学(4) ヘスの法則,キルヒホフの法則
5週 熱力学第二法則(1) エントロピー
6週 熱力学第二法則(2) 熱力学第二法則
7週 熱力学第二法則(3) 代表的な過程のエントロピー変化
8週 熱力学第二法則(4) 自発性とエントロピー変化,
4thQ
9週 後期前半のまとめと演習 後期前半のまとめと演習
10週 熱力学第三法則 熱力学第三法則,絶対エントロピー
11週 自由エネルギー(1) 系と外界のエントロピー変化
12週 自由エネルギー(2) Gibbsエネルギー
13週 自由エネルギー(3) Gibbsエネルギーと物理変化・化学変化
14週 熱サイクルの効率 熱エンジンの効率,Carnotサイクル
15週 まとめ 化学熱力学に関する問題演習,後期で学習した内容の総まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3前1
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3前1
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。2前1
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。2前1
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前4,前5
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前6
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前7,前8
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前8
混合気体の分圧の計算ができる。4前5
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。3前8
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。3
束一的性質を説明できる。3
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。3
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。3
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。3
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4前11,前13
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4前14,後1
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4後3,後4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4前14
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4前12,前13
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4後6,後10
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4後10
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4後7,後8,後11
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。3後12,後13
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。3後12,後13
平衡定数の温度依存性を計算できる。3
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4前10,前11,前12,前13
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。3
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。3
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。3
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。3
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。3

評価割合

試験課題等相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000