応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0052 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 「改訂版 総合物理2」数研出版、「改訂版 リードα物理基礎・物理」数研出版
担当教員 小田 洋平,鈴木 三男,千葉 貴裕

到達目標

① 物理学の基本的な概念や原理・法則を理解する。
② 物理学的な考え方を習得する。
③ 物理実験を通してレポートの書き方を習得する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電磁気学、現代物理学、物理実験の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
【前期および後期前半】授業内容について講義した後、小テストや課題演習を行う。
【後期後半】物理実験を行い、毎週レポート課題(全5回)を課す。
注意点:
定期試験(前期中間・前期期末・後期中間試験)では50分間の試験を実施する(後期期末試験は実施しない)。
授業および定期試験では関数電卓を使用するので各自準備すること。
授業の課題や実験のレポートは期日までに必ず提出すること。
再試験の条件:物理実験(全5回)のレポートを全て提出し、それらの平均点が40点以上(100点満点)であること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 静電気力 電荷保存則、クーロンの法則
2週 電場と電位 電場、電気力線、ガウスの法則
3週 電場と電位 電位、点電荷の電位、等電位面
4週 物質中での電場 静電誘導、誘電分極
5週 コンデンサー 電気容量、静電エネルギー
6週 コンデンサー コンデンサーの並列・直列接続
7週 電流 オームの法則、ジュールの法則
8週 直流回路 抵抗の直列・並列接続
2ndQ
9週 直流回路 キルヒホッフの法則
10週 電流と磁場 磁力線、電流のつくる磁場
11週 電流と磁場 電流が磁場から受ける力
12週 電流と磁場 ローレンツ力、荷電粒子の運動
13週 電磁誘導 レンツの法則、ファラデーの法則、自己誘導
14週 交流回路・電磁波 電流・電圧の実効値、変圧器、電磁波の性質
15週 まとめ 前期で学んだことを総括する
16週
後期
3rdQ
1週 電子と光 電子の電気量と質量、光電効果
2週 電子と光 光の粒子性、物質の波動性
3週 原子の構造 原子模型、水素原子のスペクトル
4週 原子の構造 ボーアの理論、エネルギー準位
5週 原子核の構造 原子核の構成、放射線、半減期
6週 原子核の構造 核反応、質量とエネルギーの等価性
7週 物理実験(事前学習) 有効数字、測定結果の処理方法
8週 物理実験(事前学習) 微積分を用いた力学(変位、速度、加速度)
4thQ
9週 物理実験(事前学習) 微積分を用いた力学(運動方程式)
10週 物理実験(第1週) 「金属の線膨張率の測定」
11週 物理実験(第2週) 「レーザー光の波長の測定」
12週 物理実験(第3週) 「LabVIEWを用いた電気計測実験」
13週 物理実験(第4週) 「ミリカンの油滴実験」
14週 物理実験(第5週) 「放射線の計数と統計」
15週 まとめ 1年間で学んだことを総括する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

定期試験課題点平常点合計
総合評価割合702010100
基礎および専門的能力702010100