高分子化学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 高分子化学
科目番号 0079 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 コンパクト高分子化学、宮下徳治著、三共出版
担当教員 内田 修司,市川 幸男

到達目標

①低分子物質とは違う高分子物質の特徴を理解する。
②平均分子量と分子量分布の概念を習得する。
③重縮合・重付加・付加縮合を理解する。
④ラジカル重合の理論を理解する。
⑤高分子の熱的性質および力学的性質を理解する。
⑥高分子材料についての理解を深め,今後の高分子材料の可能性について積極的に考えられるようになる。
⑦化学技術の発展と,それが社会に及ぼす影響について考えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代生活を支えているプラスチック、繊維、ゴム、これらを構成している高分子物質の物性の特徴と合成法について基礎からわかりやすく講義する。更に、身のまわりの高分子材料および高分子を利用した高機能材料・高性能材料について学習する。
この科目は、総合化学メーカーで高分子材料の研究・開発を中心に行ってきた教員が、その経験を活かし、現代生活を支えているプラスチック、繊維、ゴム、これらを構成している高分子物質の物性の特徴と合成法についての授業を基礎からわかりやすく行う。
授業の進め方・方法:
試験は、前・後期の中間・期末試験ともに50分間で実施する。
定期試験の成績を82.5%、小テストまたは課題の成績を17.5%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
注意点:
高分子化学の基礎科目は有機化学と物理化学であるので、この2科目の基礎学力をつけておくこと。
各種メディアで取り上げられる高分子材料に関するニュースに積極的に触れること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子化学の基礎 身のまわりの高分子、高分子工業
2週 高分子の化学構造 高分子間に働く力、高分子の分子構造
3週 高分子の分子量 平均分子量と分子量分布
4週 高分子の熱的性質 結晶領域と非晶領域、融点とガラス転移点
5週 高分子溶液、高分子の合成 高分子溶液の性質、逐次重合と連鎖重合
6週 高分子の合成 前半のまとめ 逐次重合と連鎖重合  第1週から第6週までの学習事項の復習
7週 中間試験の解説 第1週から第6週までの学習事項の復習
8週 連鎖重合(1) ラジカル重合の素反応と重合速度式
2ndQ
9週 連鎖重合(2) ラジカル共重合、モノマー反応性比
10週 イオン重合、配位重合 アニオン重合、カチオン重合、配位重合
11週 高分子の力学的性質 粘性、弾性、粘弾性
12週 高分子材料 プラスチック、ゴム、繊維
13週 プラスチック製品の成形加工 押出成形、射出成形、ブロー成形などの成形加工技術
14週 後半のまとめ 第8週から第13週までの学習事項の復習
15週 期末試験の解説 第8週から第14週までの学習事項の復習
16週
後期
3rdQ
1週 高分子工業、高機能性高分子(1) 高分子工業、分解性高分子
2週 高機能性高分子(2) 高分子微粒子、高分膜、ゲル
3週 高機能性高分子(3) 医療用高分子
4週 高機能性高分子(4) 電気・電子材料用高分子
5週 高機能性高分子(5) 光学用高分子
6週 高分子材料技術開発の展開
前半のまとめ
高分子材料技術開発の展開
第1週から第5週までの学習事項の復習
7週 中間試験の解説 第1週から第6週までの学習事項の復習
8週 高性能高分子(1) ガスバリア性高分子材料
4thQ
9週 高性能高分子(2) 高性能繊維
10週 高性能高分子(3) エンジニアリングプラスチック
11週 高性能高分子(4) ポリマーアロイ
12週 高性能高分子(5) 複合材料
13週 高性能高分子(6) プラスチックの成型と物性
14週 プラスチックのリサイクル
後半のまとめ
プラスチックのリサイクル
第8週から第13週までの学習事項の復習
15週 期末試験の解説 第8週から第14週までの学習事項の復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験小テスト、課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合0000000
基礎的能力82.517.500000
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000