概要:
機器分析は,種々の物質の成分の種類(定性・同定),量(定量)や状態(状態,構造解析)等の重要な情報を得られ,多くの分野で利用されている。得られたデータの意味を理解するには原理をよく知る必要がある。機器分析Ⅰは定量分析法を学ぶ。機器分析法の中から基本的な定量分析法を選び,その原理を学習する。
授業の進め方・方法:
中間試験,期末試験ともに50分の試験を実施する。
定期試験の成績を80%,小テスト及び課題20%として総合的に評価する。60点以上を合格とする。
*再試験の範囲は,講義した内容の全範囲とする。
この科目は学修単位科目のため、事前、事後の学習として、小テストおよび課題を実施する。
前期は主に定量分析に用いる機器分析を,後期は主に構造解析に用いる機器分析を学習する。
注意点:
(1)原理の応用をよく考えること。(2)予習・復習・電卓の用意を忘れないこと。(3)他授業と密接に関連するのでよく復習すること。(4)返却・模範解答を行った定期試験等により自己達成度を把握して勉強すること。(5)小テスト・課題等の解き直し(特に間違った部分)て分からない内容は次の授業までに担当教員に確認すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
機器分析の概要(1) |
機器分析の特徴・分類,電磁波の種類,ランバート・ベールの法則
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2週 |
機器分析の概要(2) |
機器分析の特徴・分類,電磁波の種類,ランバート・ベールの法則
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3週 |
吸光光度分析法(1) |
特徴,定量計算
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4週 |
吸光光度分析法(2) |
一般的な吸光光度分析、錯体組成の決定
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5週 |
吸光光度分析法(3) |
一般的な吸光光度分析、酸解離定数の決定
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6週 |
吸光光度分析法の確認(1) / 演習 |
演習(ここまでの分析について) *ここまでの授業の理解により,復習の授業を実施する場合もあり
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7週 |
原子吸光分析(1) |
原子吸光の原理・特徴・装置
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8週 |
前期中間試験 / ここまでの復習 |
前期中間試験の確認
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2ndQ |
9週 |
原子吸光分析(2)/ 前期中間試験内容確認 |
前期中間試験答案返却と確認,検量線(絶対検量線法・標準添加法・内標準法),定量計算
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10週 |
発光分光分析(1) |
原理,特徴,原子吸光分析との比較
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11週 |
発光分光分析(2) |
定量法・演習
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12週 |
クロマトグラフィー(1) |
原理,分類,試料成分の移動,保持時間,分離効率
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13週 |
クロマトグラフィー(2) |
理論段数,理論段高さ,分離度,定性と定量,定量法
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14週 |
クロマトグラフィー(3) |
理論段数,理論段高さ,分離度,定性と定量,定量法
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15週 |
授業の総括 / 前期期末試験内容確認 |
学修の総括, 前期期末間試験答案返却と確認
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
電磁波の性質と電子
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基本式の確認
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2週 |
電子線とX線による励起
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固体表面の励起と発生信号
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3週 |
材料・素材の評価法
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粒子のキャラクタりぜーショーン(分布、組成評価)BET法、電子顕微鏡観察、動的光散乱
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4週 |
X線、電子線を利用した分析(1)
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結晶構造:X線回折、
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5週 |
X線、電子線を利用した分析(2) |
蛍光X線分析 同時定性定量分析 組成:
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6週 |
X線、電子線を利用した分析(3) |
形状:走査型電子顕微鏡
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7週 |
文献調査 |
材料の評価に利用されている分析方法を電子ジャーナルを利用して確認する
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8週 |
分析手法の比較 |
XRD、XRF,SEM-EDS
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4thQ |
9週 |
文献調査 |
SEM-EDSを利用した報告例を確認して、分析法の特性を理解する
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10週 |
状態分析 |
結合情報を得るために XPS
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11週 |
熱分析(1) |
TGとDTA
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12週 |
熱分析(2) |
DTAとDSC
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13週 |
熱分析データの解析 |
電子ジャーナルに掲載された熱分析データの解説を読む
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14週 |
物性評価方法について(1) |
材料の合成、評価に利用される分析方法とそのデータを電子ジャーナルの報告例から読み取る
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15週 |
物性評価方法について(2) |
材料の合成、評価に利用される分析方法とそのデータを電子ジャーナルの報告例から読み取る
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16週 |
総括 |
学習内容の確認
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 分析化学 | いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。 | 4 | |
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。 | 4 | |
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。 | 4 | |
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。 | 4 | |
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。 | 4 | |
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。 | 4 | |
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。 | 4 | |
錯体の生成について説明できる。 | 4 | |
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。 | 4 | 前3,前5,前6 |
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。 | 4 | |
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。 | 4 | |
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。 | 4 | |
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前7,前9 |
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。 | 4 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6 |
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。 | 4 | 前14 |
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。 | 4 | |
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。 | 4 | 前1,前2,前3,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15 |
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。 | 4 | 前12,前13,前14 |
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。 | 4 | 前3,前4,前9,前10,前13,前14 |