生物資源化学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物資源化学
科目番号 0112 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 化学・バイオ工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 適宜資料配布
担当教員 梅澤 洋史,小松 理虔

到達目標

生物資源の有効利用法とその実際事例を学ぶ.生物資源の実業利用の事例を学ぶ.地域に遍在する生物資源を素材とした産業の創生と育成の事例紹介をつうじ,身近な生物資源の利用の可能性への目を拓く.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
いわきを代表する生物資源といえる水産品・魚介類の有効活用方法を、コミュニティデザイン・まちづくりの観点から理解するとともに、いわき市内における実例を学ぶ。
この科目は福島県沖の海洋調査等を行い情報発信している団体を主宰し、市内のかまぼこメーカーで商品開発や広報などを経験した教員が、その経験を活かし、
地域復興と食、市場評価、情報発信の手法について授業を行う。
授業の進め方・方法:
スライド等を用いた通常講義と随時の質疑応答により授業を進める.
中間試験は50分間の試験を実施する。期末試験は50分間の試験を実施する。
定期試験の成績を80%、小テストや課題の総点を20%として総合的に評価し、60点以上を合格とする。
この科目は学修単位科目のため、事前、事後の学習として、定期的に小テストや課題を課す。
注意点:
対応する基礎的な化学の学習内容をその都度理解する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 水産資源とコミュニティデザイン これから学ぶ内容を大雑把に紹介するとともに、後半はワークショップを実施して、学びの意欲を言語化し、学生同士の相互理解を図る。言語化し、語り合い、変化し合うことがコミュニティデザインには必要であり、初回の授業でそのエッセンスを感じてもらいたい。
2週 いわきにおける水産資源① いわきで漁獲される魚介類、水産資源を「食べて」学ぶ。主に、いわき市が出している統計などを活用しながら、いわき市で漁獲されている魚種、漁法などを学ぶ。後半では、魚の栄養素などについても学ぶ。また、味を言語化するときの「表現」についても学ぶ。
3週 いわきにおける水産資源② いわき各地の港の位置関係や役割などを学ぶ。地理・歴史的な分野も学ぶことで、地域の水産資源がどのように活用されてきたのかを立体的に把握する。また、各地に残る食文化についても学ぶ。地域によって愛されている加工品が異なるといういわきの風土についても思いはせる。
4週 いわきにおける水産資源の流通 水産資源の流通は複雑であるため、魚が水揚げされてから市場に並ぶまでの一連のプロセスを学ぶ。また、水産業に関係する包装業、運輸業なども紹介。漁業の衰退=地域産業の衰退であることを学ぶ。
5週 いわきにおける水産資源の実情① 生産者による講義① いわきにおける水産業の現状・課題を当事者から聞く。終了後は、聞いた話をグループに分かれて共有し、学びを深める。
6週 いわきにおける水産資源の実情② 生産者による講義② ①とは違う業態の関係者から直接話を聞く。流通のどの位置にいるかで課題感が変わることを学ぶ。この授業でも、ゲスト講義の後、グループワークを実施する。

7週 いわきの水産加工品から学ぶ食と化学 いわきの水産加工品の代表格である「かまぼこ」や「さんまみりん干し」を通じ、かまぼこの弾力を出す方法「坐り」における塩溶性タンパク質や、みりん干しにおける「メイラード反応」などを学習。化学と水産加工品の関わりを「食べて」学ぶ。
8週 中間試験
2ndQ
9週 水産資源の活用実例① いわき海洋調べ隊「うみラボ」の実践 海講師が2013年秋から実施してきた海洋調査ラボ「うみラボ」を題材に、放射能汚染とリスクコミュニケーションについて学ぶ。また、原発事故当初の海洋汚染についても学び直す。
10週 水産資源の活用実例② あおいちプロジェクトの実践 講師が2018年にいわき市の有限会社上野台豊商店と実施した「あおいちプロジェクト」について学ぶ。いわきの海洋資源と地域課題の結びつけ方、実行の仕方、アイデアの出し方などを理解し、地域で実践的取り組みを行うための基礎を学ぶ。
11週 水産資源の活用実例③ みみみプロジェクトの実践 講師が2020年にいわき市の有限会社上野台豊商店と実施した「みみみプロジェクト」から、地域の食育について学ぶ。作画を担当した「いわき七浜イケメンプロジェクト」の小堀氏をゲスト講師に招き、企画の立て方、水産資源の活用方法を学ぶ。
12週 水産資源の活用実例④  アイデアの実装と企画1 講師がこれまでに企画立案に関わってきたその他のプロジェクトを実例に、地域課題の解決を図る企画の立て方、コンセプトの作り方、プロジェクトの運営方法などを理解する。
13週 水産資源の活用実例⑤ アイデアの実装と企画2 実際にいわきで地域活動を行っているゲストをお呼びし、自分が関わっている企画をプレゼンしてもらい、地域課題との向き合い方について学ぶ。水産資源ばかりでなく「地域資源」にも越境し、「学んだことをいかに地域で実践するか」を学ぶ。
14週 半年間の学習総括ワークショップ グループワークを行い、半年間で学んできたことを言語化する。対話形ワークショップの手法を取り入れることで、他者の言葉とともに自分の考えを練り上げていくことを学ぶ。
15週 アイデアの実装と企画 9週~14週の学習の総括
16週 半年間の学習総括 これまでの学習総括

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テスト、課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力80200000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000