コンクリート構造工学

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 コンクリート構造工学
科目番号 0090 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義・演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 建設環境工学科(R2年度開講分まで) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 鉄筋コンクリート工学,岡村 甫,市ヶ谷出版社
担当教員 緑川 猛彦

到達目標

①コンクリートの設計用応力ひずみ曲線を導き出すことができる。
②単鉄筋矩形断面の曲げ耐力と軸方向圧縮耐力が計算ができ,相互作用図を描ける。
③任意断面の断面のせん断耐力が計算できる。単鉄筋断面の曲げ応力度が計算できる。
④鉄筋コンクリート断面のひび割れ幅が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 (B) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
建設分野の基本的構造物である鉄筋コンクリート構造について,構造理論および応力解析についての基本的知識を学習し,断面力の算定・断面形状の決定・鉄筋量の計算・耐力の計算等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
中間試験は授業時間中に100分間の試験を実施する。期末試験は100分間の試験を実施する。
定期試験の成績を70%,自学自習課題の実施状況を30%として総合的に評価し,60点以上を合格とする。
注意点:
理論については式の誘導のような数学的手法を多用するので,面倒がらずに一つ一つ自力で学習すること。自学自習の確認方法:課題プリントを配布するので,解答後回収し確認する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鉄筋コンクリートの概要 鉄筋コンクリートの特徴
2週 コンクリートの力学的性質 強度,応力ひずみ曲線
3週 鉄筋の力学的特性 強度,応力ひずみ曲線
4週 構造設計 限界状態設計法,許容応力度設計法,設計の手順
5週 断面の曲げ耐力(1) 単鉄筋矩形断面
6週 断面の曲げ耐力(2) 複鉄筋矩形断面,任意断面
7週 前期中間試験 授業時間中に100分の試験を実施する。
8週 曲げと軸方向力に対する断面の耐力(1) 軸方向圧縮力
2ndQ
9週 曲げと軸方向力に対する断面の耐力(2) 相互作用図,計算演習
10週 棒部材のせん断耐力(1) 斜めひび割れ
11週 棒部材のせん断耐力(2) せん断補強鉄筋,ウェブコンクリートの圧壊
12週 曲げ応力度(1) 単鉄筋矩形断面
13週 曲げ応力度(2) 複鉄筋矩形断面
14週 ひび割れに対する検討 許容ひび割れ,曲げひび割れ幅の算定
15週 学習したことの総括 期末試験解答用紙の返却,解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料材料の特徴・分類を説明できる。4
材料の力学的性質及び物理的性質を説明できる。4
金属材料の分類を説明できる。4
金属材料の一般的性質を説明できる。4
鉄鋼製品の用途・規格を説明できる。4
セメントの概要、種類、製造、性質について理解している。4
セメントの概要、種類、製造、性質について説明できる。4
ポルトランドセメントを理解している。4
ポルトランドセメントを説明できる。4
混合セメントを理解している。4
混合セメントを説明でき、用途を選択できる。4
骨材の製造・種類・性質について説明できる。4
混和材料(混和材、混和剤等)を理解している。4
混和材料(混和材、混和剤等)を説明でき、設計・施工時の状況によって添加剤を選択できる。4
コンクリートの長所、短所について、説明できる。4
水セメント比、スランプ、ワーカビリティ、空気量を説明できる。4
フレッシュコンクリートの性質を説明できる。4
フレッシュコンクリートの性質を理解している。4
硬化コンクリートの性質を理解している。4
硬化コンクリートの性質を説明できる。4
ひびわれを理解している。4
ひびわれを説明できる。4
耐久性を理解している。4
耐久性を説明できる。4
各種コンクリートを理解している。4
各種コンクリートの特徴、用途について、説明できる。4
配合設計の手順を理解し、計算できる。4
製造・品質管理を説明できる。4
製造・品質管理を説明でき、各工程での管理結果を考察できる。4
施工を理解している。4
非破壊試験の基礎を説明できる。4
コンクリート構造物を構成する材料の性質を説明できる。4
鉄筋コンクリートの特徴を説明できる。4
複合材料としてのコンクリート構造を説明できる。4
一般構造細目を説明できる。4
限界状態設計法と許容応力度設計法を説明できる。4
使用限界状態を説明できる。4
コンクリート構造物の設計方法を理解している。4
コンクリート構造物の設計方法を説明できる。4
荷重の種類と構造解析を理解している。4
単鉄筋コンクリートはりを説明できる。4
複鉄筋コンクリートはりを理解している。4
曲げモーメントを受ける部材(使用限界状態)を説明でき、計算できる。4
曲げモーメントを受ける部材(終局限界状態)を説明でき、計算できる。4
T形はりを理解している。4
せん断を受ける部材を説明でき、計算できる。4
せん断応力(終局限界状態)を説明できる。4
軸力を受ける部材を説明できる。4
偏心を受ける部材を説明できる。4
柱の構造細目について説明できる。4
プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。4
プレストレストコンクリートの基礎(使用限界状態・終局限界状態など)を理解している。4
プレストレストコンクリートの設計を理解している。4
コンクリート及び鋼材の劣化を説明できる。4
コンクリート構造物の維持管理の基礎を説明できる。4
コンクリート構造物の補修方法の基礎を説明できる。4
構造力の定義、単位、要素について説明できる。4
力のモーメント、偶力のモーメントについて理解している。4
力の合成と分解について理解し、計算できる。4
力のつり合いについて理解している。4
構造物の種類やその安定について理解している。4
構造物に作用する荷重の種類について理解している。4
静定構造物を支える支点や対応する反力を理解し、それらを力のつり合いより計算できる。4
断面1次モーメントを理解し、図心を計算できる。4
断面2次モーメント、断面係数や断面2次半径などの断面諸量を理解し、それらを計算できる。4
はりに作用する外力としての荷重の種類を理解している。4
はりの断面力と荷重の相互関係を理解している。4
各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。4
はりにおける変形の基本仮定を理解し、断面力と応力(軸応力、せん断応力、曲げ応力)について説明でき、それらを計算できる。4
はりに生じる応力から、簡単なはりの設計ができる。4
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。4
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。4
影響線を利用して、支点反力や断面力を計算できる。4
影響線を応用して、与えられた荷重に対する支点反力や断面力を計算できる。4
ラーメンやその種類について理解している。4
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係を理解し、弾性係数、ポアソン比やフックの法則などの概要について説明でき、それらを計算できる。4
応力とその種類、ひずみとその種類、応力とひずみの関係(フックの法則、弾性係数、ポアソン比)について説明でき、それらを活用できる。4
鋼材の力学的性質について理解している。4
曲げモーメントによる断面に生じる応力(圧縮、引張)とひずみを理解し、それらを計算できる。4
断面に作用する垂直応力、せん断応力について、説明できる。4
垂直応力とせん断応力について説明できる。4
主応力と主軸について説明できる。4
モールの応力円を利用して、構造物内部の応力状態を説明できる。4
平面応力と平面ひずみについて説明できる。4
弾性・塑性の概念について説明できる。4
はりのたわみの微分方程式を理解している。4
はりのたわみの微分方程式に関して、その幾何学的境界条件と力学的境界条件を理解し、微分方程式を解いて、たわみやたわみ角を計算できる。4
弾性荷重法を理解し、はりのたわみやたわみ角を計算できる。4
圧縮力を受ける柱の分類(短柱・長柱)を理解し、各種支持条件に対するEuler座屈荷重を計算できる。4
柱の細長比と座屈荷重の関係から、柱の基本的な設計を理解している。4
構造力学における仕事やひずみエネルギーの概念を理解している。4
仮想仕事の原理を用いた静定の解法を説明できる。4
仮想仕事の原理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
カスティリアノの定理を用いた静定・不静定構造物の解法を理解している。4
カスティリアノの定理を活用して、静定・不静定構造物を解くことができる。4
最小仕事の原理を用いた不静定構造物の解法を理解している。4
最小仕事の原理を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
構造物の安定性、静定・不静定の物理的意味と判別式の誘導ができ、不静定次数を計算できる。4
重ね合わせの原理を用いた不静定構造物の構造解析法を説明できる。4
応力法による不静定構造物の解法を理解している。4
応力法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
変位法による不静定構造物の解法を理解している。4
変位法を活用して、不静定構造物を解くことができる。4
鋼構造物の種類、特徴について、説明できる。4
橋の構成、分類について、説明できる。4
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。4
各種示方書に基づく設計法(許容応力度、終局状態等)の概要を説明でき、安全率、許容応力度などについて説明できる。4
軸力を受ける部材、圧縮力を受ける部材、曲げを受ける部材や圧縮と曲げを受ける部材などについて、その設計法を説明でき、簡単な例に対し計算できる。4
接合の定義・機能・種類、溶接と高力ボルト接合について、説明できる。4
鋼桁橋(プレートガーダー橋)の設計の概要、特徴、手順について、説明できる。4
主桁、継ぎ手の設計を理解し、それらを計算できる。4
地球の構造を理解し、地震発生メカニズムや直下型・海溝型などの地震の種類について説明できる。4
マグニチュードについて説明できる。4
地震活動について説明できる。4
地震による構造物の被害と対策について理解している。4
防災、減災について理解している。4
耐震設計に関する基本的な考え方(震度法など)について説明できる。4
振動解析モデルについて理解している。4
1自由度系の自由振動について理解している。4
1自由度系の強制振動について理解している。4
減衰を持つ振動について理解している。4
分野別の工学実験・実習能力建設系分野【実験・実習能力】建設系【実験実習】距離測量について理解し、器具を使って測量できる。4
トランシット測量や角測量について理解し、器具を使って測量できる。4
トラバース測量について理解し、器具を使って測量できる。4
水準測量について理解し、器具を使って測量できる。4
平板測量について理解し、器具を使って測量できる。4
セメントの強さ試験について理解し、器具を使って実験できる。4
骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。4
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4
透水試験について理解し、器具を使って実験できる。4
突固めによる土の締固め試験について理解し、器具を使って実験できる。4
一面せん断試験について理解し、器具を使って実験できる。4
一軸圧縮試験について理解し、器具を使って実験できる。4
層流・乱流を観測してレイノルズ数を算出できる。4
各種の流量測定の方法を理解し、器具を使って実験できる。4
常流・射流・跳水に関する実験について理解し、実験ができる。4
DO、BODに関する実験について理解し、実験ができる。4
pHに関する実験について理解し、実験ができる。4
いくつかの分野の実験・演習・調査などについて理解し、その実験や実践ができる。4
実験・実践の結果を解析等によって考察することができる。4

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力70300000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000