現代社会と文化

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 現代社会と文化
科目番号 0102 科目区分 専門 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 ビジネスコミュニケーション学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書は特に指定しない。教材は適宜配布する。
担当教員 田渕 義英

到達目標

①日本列島の主要な地域で山岳を中心として形成された文化とその歴史について理解する
②近代以降に導入されたアルピニズムと大衆登山の文化を理解する
③現代の日本社会におけるアルピニズムと冒険の社会的位置づけとその問題点を理解し、あらためてその意義を検討することが出来る

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各授業項目の内容を理解し、応用できる。各授業項目の内容を理解している。各授業項目の内容を理解していない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
日本は世界でも有数の山岳国家である。急峻な山脈が列島を南北に貫き、山が海岸線まで迫っていることから複雑な地形と豊かな文化が形成された。本講義では、こうした自然と人間との関係と変遷、そしてその現代的課題について、特に「アルピニズムと冒険」に着目して検討する。
授業の進め方・方法:
確実に提出物を出すことが単位取得の要件となる。定期試験やセミナーとの兼ね合いについては特に配慮しないので、自分でしっかりと時間管理を行うこと。評価はレポート100%とし、60点以上を合格とする
注意点:
山岳文化論自体が非常にニッチな分野であるが、本講義ではその中でもさらに狭いアルピニズムと冒険について講義する。そのため、あらかじめ関心の有無をよく吟味してから選択すること。また、受講生の理解によって講義の順番が前後することがある。なお,最低開講人数は二名以上とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション 授業の内容と進め方、資料映像について、評価の方法などについて説明する
2週 山岳文化史① 古代から現代まで、人々がどのように山岳とかかわり、独特で多様な文化を生み出してきたかを理解する
3週 山岳文化史② 古代から現代まで、人々がどのように山岳とかかわり、独特で多様な文化を生み出してきたかを理解する
4週 資料映像の視聴① コンラッド・アンカーらのアルピニズム(アルパイン・クライミングの現在形)
「MERU/メルー」(90分)
5週 アルピニズムとはなにか① アルピニズム思想について、欧州における歴史的な変遷、日本への導入とその転換点について理解する
6週 アルピニズムとはなにか② 先鋭的登山と大衆的登山の発展と対立について理解する
7週 資料映像の視聴② 竹内洋岳のアルピニズム(高所登山の現在形)
「8000m全山登頂」(89分)
8週 現代の日本社会における「冒険」の位置① アルピニズムを「冒険」として再解釈し,本田勝一の「冒険論」を手掛かりに、現代社会における「冒険」の位置を探る
4thQ
9週 現代の日本社会における「冒険」の位置② 本田勝一を批判的に継承した角幡唯介の「新・冒険論」を手掛かりに、現代社会における「冒険」の位置を探る
10週 資料映像の視聴③ 佐々木大輔のアルピニズム(山岳スキーの現在形)
「デナリ大滑降」(98分/要時間調整)
11週 「冒険」と「自由」① 「冒険」を「自由」をめぐる実存的な闘争として再解釈し、その現代社会に対する含意と可能性を検討する
12週 「冒険」と「自由」② アイザイア・バーリンの「ふたつの自由概念」とハンナ・アーレントの解放概念と自由概念の区別を手掛かりに、冒険が追及する「自由」とはなにかを検討する
13週 資料映像の視聴④ アレックス・オノルドのアルピニズム(フリークライミングの現在形)
「フリーソロ」(98分/要時間調整)
14週 「冒険論」「新・冒険論」の先にあるもの ここまでの議論を包括的に検討し、冒険(乃至アルピニズム)の現代的価値について再検討する
15週 総括 全体の総括
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学経済・ビジネス系分野異文化理解専門分野における異文化コミュニケーションの具体的事例について評価できる。2
言語が話されている地域の社会的・文化的な背景まで理解した上で言語を使用することができる。2
地球規模で発生している問題の重要性を理解した上で、外国語を用いて調査し、議論することができる。2

評価割合

レポート課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000