科学技術史

科目基礎情報

学校 福島工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 科学技術史
科目番号 0011 科目区分 専門関連 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科(各専攻共通:一般科目・専門関連科目) 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 工学系卒論の書き方、別府俊幸・渡辺賢治、コロナ社
担当教員 笠井 哲

到達目標

①近代以降の科学技術の歴史を概観し、その中における科学技術と人間・社会との関わりについて理解することができる。
②科学技術史における人々の「真理と倫理のディレンマ」を追体験することで、技術者倫理の必要性を認識することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
基礎的能力西洋近代以降の科学技術の歴史を理解し、自分の言葉で説明できる。西洋近代以降の科学技術の歴史を理解できる。西洋近代以降の科学技術の歴史を理解できない。
専門的能力授業で学習したことを、自分の言葉でまとめ直し、自分の意見を加えた報告書を提出できる。授業で学習したことを、自分の言葉でまとめ直し、提出できる。授業で学習したことを、自分の言葉でまとめ直すことができない。
汎用的技能書籍やインターネットにより、必要な情報を適切に収集することができ、科学技術の歴史を追体験することで、技術者倫理の必要性を自覚することができる。書籍やインターネットにより、必要な情報を適切に収集することができ、科学技術の歴史を追体験することで、技術者倫理の必要性を認識することができる。書籍やインターネットにより、必要な情報を適切に収集できずに、科学技術の歴史を追体験できずに、技術者倫理の必要性を認識することができない。
態度・志向性科学技術の歴史の学習を通して、技術が社会に及ぼす影響を認識し、技術者が社会に負っている責任を自覚している。科学技術の歴史の学習を通して、技術が社会に及ぼす影響を認識し、技術者が社会に負っている責任を認識している。科学技術の歴史の学習を通して、技術が社会に及ぼす影響を認識しておらず、技術者が社会に負っている責任も認識していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代社会の姿を深く理解し将来の展望をつかむため、我々の生活を大きく変えてきた西洋近代以降の科学技術の歴史について学習する。
それに基づいて、これからの社会において科学技術の果たす役割について考える。
授業の進め方・方法:
西洋近代の科学技術の黎明であるルネサンスや科学革命から始め、産業革命、二つの世界大戦、資本主義成立を経て、現代社会における科学技術について学習する。
この科目は学修単位科目のため、授業前に課題プリントを配付し調べさせ、授業後にプリントに授業内容をまとめたものを提出させる。
また、ビデオ教材も使用し、視聴後に意見をまとめてもらう。さらに、トピックを選び、グループディスカッションも実施する。
定期試験(期末のみ)を実施し、自学自習課題と総合的に評価し、60点以上を合格とする。
ただし、再試験の受験は定められた期限内に課題を提出した者のみに認める。
注意点:
科学技術の歴史を「覚える」のではなく、「考える」という姿勢で受講してもらいたい。
毎回テーマを与え、自学自習の時間にレポートを作成させ提出させるので、授業をしっかり理解すること。
理解できない点があれば、その都度積極的に質問すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科学技術史とは何か 科学技術の歴史を学ぶ意義について理解できる。
2週 ルネサンスと科学技術 ルネサンスの科学技術への関与について理解できる。
3週 科学革命の構造 科学革命と近代科学の誕生について理解できる。
4週 近代の技術的知性 ベーコンとデカルトの科学技術思想について理解できる。
5週 産業革命と科学技術 産業革命の技術的基盤について理解できる。
6週 産業革命の発展 産業革命と科学技術の展開について理解できる。
7週 工学と技術教育の成立 「科学の制度化」と工学部の誕生について理解できる。
8週 世界大戦と科学技術 化学兵器と原子爆弾の開発について理解できる。
2ndQ
9週 資本主義と科学技術 アメリカにおける「科学の産業化」について理解できる。
10週 現代社会と科学技術(1) 技術革新がもたらしたものについて理解できる。
11週 現代社会と科学技術(2) 産業の発達に伴う公害や環境破壊について考え、SDGsについて理解できる。
12週 現代社会と科学技術(3) バイオテクノロジーと遺伝子組み換えについて理解できる。
13週 現代社会と科学技術(4) コンピュータの発達と社会の変化について理解できる。
14週 現代社会と科学技術(5) 原子力の安全性、科学技術の光と影について理解できる。
15週 まとめ 14週までを踏まえ、SDGsの達成を目指す21世紀の科学技術について展望できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。4
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。4
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。4
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。4
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。4
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。4
他者の意見を聞き合意形成することができる。4
合意形成のために会話を成立させることができる。4
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。4
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。4
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる4
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。4
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。4
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。4
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。4
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。4
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。4
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。4
法令やルールを遵守した行動をとれる。4
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。4
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。4
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。4
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。4
企業には社会的責任があることを認識している。4
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。4
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。4
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。4

評価割合

試験課題レポート自学自習課題合計
総合評価割合602020100
基礎的能力300030
専門的能力3010040
汎用的技能0101020
態度・志向性001010