触媒化学特論

科目基礎情報

学校 茨城工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 触媒化学特論
科目番号 0010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 専攻科 産業技術システムデザイン工学専攻 応用化学コース 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:上松,中村,内藤,三浦,工藤共著「応用化学シリーズ6 触媒化学」(朝倉書店)、   参考書:江口 浩一 編著「化学マスター講座 触媒化学 」(丸善出版)、   参考書:菊地、射水、瀬川、多田、服部著「新版 新しい触媒化学」(三共出版)、   参考書:田中庸裕、山下弘巳 編著「触媒化学 基礎から応用まで」(講談社)
担当教員 依田 英介

到達目標

1.固体触媒反応の反応速度論を理解する。
2.実用されている触媒を学び、理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.固体触媒反応の反応速度論を理解する。吸着と脱離の速度式を説明できる。吸着と脱離の速度式を理解している。吸着と脱離の速度式を理解していない。
1.固体触媒反応の反応速度論を理解する。ラングミュアーの吸着等温式などの吸着脱離平衡を説明できる。ラングミュアーの吸着等温式などの吸着脱離平衡を理解している。ラングミュアーの吸着等温式などの吸着脱離平衡を理解していない。
1.固体触媒反応の反応速度論を理解する。定常状態近似を適用し、反応速度を説明できる。定常状態近似を適用し、反応速度を理解している。定常状態近似を適用し、反応速度を理解していない。
1.固体触媒反応の反応速度論を理解する。反応速度式の検証法や律速過程の切り替わりを説明できる。反応速度式の検証法や律速過程の切り替わりを理解している。反応速度式の検証法や律速過程の切り替わりを理解していない。
2.実用されている触媒を学び、理解する。触媒反応プロセス工学を説明できる。触媒反応プロセス工学を理解している。触媒反応プロセス工学を理解していない。
2.実用されている触媒を学び、理解する。環境触媒を説明できる。環境触媒を理解している。環境触媒を理解していない。
2.実用されている触媒を学び、理解する。エネルギー関連触媒を説明できる。エネルギー関連触媒を理解している。エネルギー関連触媒を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 (B) (ハ) 説明 閉じる
学習・教育目標 (B) (ロ) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
化学反応は、分子・原子の組み換えを行うことで化学物質を創造したり変換したりするプロセスである。その化学反応の中でも、90%を超す多くの化学反応が「触媒」によって促進されている。前半では、触媒の反応速度と反応機構について学び、後半で、工業や環境で実用されている触媒について学ぶ。
授業の進め方・方法:
板書による講義形式を中心に授業を進めていくが、反応速度論では、式の導出などを演習形式で行う。
教科書を用いて説明するので、必ず教科書を持参すること。
注意点:
本科目は隔年開講となりますので、1年生の受講も可能です。
開講される年度については、授業時間割で確認してください。
本科で物理化学IIIを履修していることが望ましい。
次回の授業の範囲について、教科書・参考書の該当箇所をよく読んで予習してくること。毎回の授業後、ノートや配布したプリントの内容を見直して復習すること。
本科の「物理化学I」で学習した反応速度や、「物理化学III」の講義や本講義の内容を復習すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 触媒化学の基礎概念 固体触媒作用の基礎、触媒活性点、触媒劣化
2週 吸着と脱離の速度論(1) 表面での素過程を理解する。物理吸着と化学吸着を理解する。ラングミュアーの吸着モデルを理解する。
3週 吸着と脱離の速度論(2) 解離吸着の速度式、脱離の速度式を理解する。ラングミュアーの吸着等温式を理解する。
4週 吸着と脱離の速度論(3) ラングミュアーの吸着等温式を理解する。
5週 吸着と脱離の速度論(4) ラングミュアー型の競争吸着を理解する。イーレイ-リディール機構を理解する。
6週 一般の反応速度論 微分法による反応次数の決定法を理解する。定常状態近似と予備平衡を理解する。
7週 固体触媒反応の反応速度論(1) 定常状態近似を適用し、表面反応や吸着それぞれが律速の場合の反応速度を理解する。
8週 固体触媒反応の反応速度論(2) 反応速度式の検証法を理解する。律速過程の切り替わりと見かけの活性化エネルギーについて理解する。
4thQ
9週 固体触媒反応の反応速度論(3) 吸脱着から固体触媒反応の速度論までを復習し、まとめる。
10週 触媒反応プロセス工学(1) 石油精製プロセスを理解する。
11週 触媒反応プロセス工学(2) 酸化還元反応、酸塩基反応を理解する。
12週 環境触媒(1) 自動車触媒を理解する。
13週 環境触媒(2) 環境浄化型光触媒を理解する。
14週 エネルギ関連触媒 燃料電池を理解する。水素の製造法を理解する。
15週 (期末試験)
16週 総復習 本授業の重要ポイントを理解する。

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
専門的能力100100