概要:
化学Ⅰでは,化学が物質を対象とする科学であることや化学が人間生活に果たしている役割について学びます。
また,化学の基本的な概念や原理・法則を理解し,科学的な見方や考え方を養います。具体的には,次の事柄を学びます。
(1)化学結合と物質の性質との関係を理解し,物質について微視的な見方ができるようにする。
(2)化学反応に関する基本的な概念や法則を理解するために,化学反応の量的関係,酸と塩基の反応,酸化還元反応について学ぶ。
授業の進め方・方法:
➀ 授業は予習を前提とします。教科書を音読して,読み方がわからないところや意味が理解できないところをチェックして,授業に臨んでください。また,授業前日までに,予習課題(Microsoft Teams)に取り組んでください。【要提出,評価に含む】
➁ 授業には,教科書,授業ノート,課題ノート,図説,標準セミナーを持参してください。
➂ 化学Ⅰの授業は講義(化学Ⅰa)と,演習+実験(化学Ⅰb)で構成されています。
➃ 講義資料,授業ノート,課題ノート,小テストを,指定のA4バインダーにまとめて『ポートフォリオ』としてください。【指定期間に提出,評価に含む】
➄ 実験終了後と長期休暇にレポート(小論文)を課します。【指定期間に要提出,評価に含む】
注意点:
・オフィスアワーは[水曜日 15~17時]とします。
・授業時の質問を大歓迎します。
・授業の段階ではわからなかったり,間違えたりしても恥ずかしいことではありません。
・わからなかったり,間違えたりした級友を嘲笑することは恥ずかしいことです。
【シラバス変更】(20.06.25) オフィスアワーの変更
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス pp.4-11 序章 化学と人間生活 |
➀ 授業の進め方や評価について理解する。 ➁「化学」は何について学ぶ学問か説明できる。 ➂ 化学とその役割について説明できる。
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2週 |
pp. 14-20 第Ⅰ章第1節 ①物質の成分 |
➀ 純物質と混合物の区別を説明できる。 ➁ 混合物の分離法について説明できる。 ➂ 適切な分離操作を選択できる。
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3週 |
pp. 21-26 第Ⅰ章第1節 ②物質の構成元素 |
➀ 化合物と単体の区別を説明できる。 ➁ 同素体について説明できる。 ➂ 構成元素の検出方法について説明できる。
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4週 |
pp. 27-30 第Ⅰ章第1節 ③状態変化と熱運動 |
➀ 物質を構成する分子・原子が常に運動していることを説明できる。 ➁ 水の状態変化について説明できる。 ➂ 物質の三態とその状態変化を説明できる。
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5週 |
pp.32-35 第Ⅰ章第2節 ①原子の構造 |
➀ 原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数について説明できる。 ➁ 同位体について説明できる。 ➂ 放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。
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6週 |
pp. 36-43 第Ⅰ章第2節 ①原子の構造(つづき) ②元素の相互関係 |
➀ 原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 ➁ 価電子の働きについて説明できる。 ➂ 原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 ➃ 元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から説明できる。
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7週 |
pp. 46-51 第Ⅰ章第3節 ①イオン |
➀ イオンの生成,分類について説明できる。 ➁ イオン化エネルギー,電子親和力について説明できる。 ➂ イオンの大きさについて説明できる。
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8週 |
pp. 52-56 ❖ 第Ⅰ章第3節 ②イオン結合とイオン結晶 |
➀ イオン結合について説明できる。 ➁ 組成式が書ける。 ➂ イオン結晶について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
pp. 57-60 第Ⅰ章第3節 ③分子と共有結合(1) |
➀ 共有結合と分子の形成について説明できる。 ➁ 分子の電子式や構造式が書ける。 ➂ 分子の形を説明できる。
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10週 |
pp. 62-70 第Ⅰ章第3節 ③分子と共有結合(2) ➃分子間の結合 |
➀ 配位結合と錯イオンについて説明できる。 ➁ 電気陰性度と分子の極性について説明できる。 ➂ 分子結晶について説明できる。
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11週 |
pp. 71-75 第1章第3節 ⑤共有結合の結晶 第Ⅰ章第3節 ⑥分子からなる物質の利用 |
➀ 共有結合の結晶について説明できる。 ➁ 代表的なプラスチックなど有機材料について,その性質,用途について説明できる。
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12週 |
pp. 76-79 第 Ⅰ章第3節 ➆金属と金属結合 |
➀ 金属結合について説明できる。 ➁ 代表的な金属について,その性質,用途について説明できる。
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13週 |
pp. 80-81 第1章第3節 ➇結晶の比較 |
➀ 様々な結晶の性質や構造について比較し,説明できる。
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14週 |
pp. 92-95 第Ⅱ章第1節 ①原子量・分子量・式量 |
➀ 原子の相対質量を算出できる。 ➁ 原子量および天然存在比を相互に算出できる。 ➂ 分子量・式量を算出できる。
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15週 |
p.232 付録3 測定値と有効数字 ◇総合演習
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➀ 測定値と誤差について説明できる。 ➁ 有効数字について説明できる。 ➂ 有効数字の取り扱いに留意して四則演算ができる。
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16週 |
★前期定期試験 pp.46-82, 232 |
♣ 実験➀ 前期9~15週の化学Ⅰb
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後期 |
3rdQ |
1週 |
☆前期定期試験解説 pp. 96-100 第Ⅱ章第2節 ➁物質量(1) |
➀ アボガドロ定数を理解し,粒子の個数と物質量を互いに算出できる。 ➁ 物質量と質量の関係を理解し,モル質量を用いて物質量と質量を互いに算出できる。
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2週 |
pp. 101-105 第Ⅱ章第2節 ➁物質量(2) |
➀ 物質量と気体の気体の体積の関係を理解し,物質量と気体の体積を互いに算出できる。 ➁ 気体の質量と体積,およびモル体積とモル質量から,気体の密度を算出できる。
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3週 |
pp. 106-111 第Ⅱ章第1節 ③溶解と濃度 |
➀ 質量パーセント濃度とモル濃度を計算できる。 ➁ 質量パーセント濃度とモル濃度を互いに換算できる。 (➂ 固体の溶解度の問題を解くことができる。)
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4週 |
pp. 112-115 第Ⅱ章第1節 ④化学変化と化学反応式 pp. 120-121 第Ⅱ章第1節 ➅化学変化における諸法則 |
➀ 化学反応式の意味を説明できる。 ➁ 化学の基本法則と原子説・分子説を説明できる。
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5週 |
pp. 116-119 ❖ 第Ⅱ章第1節 ⑤化学反応の量的関係
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➀ 化学反応式から諸量(物質の質量や気体の体積など)を計算できる。
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6週 |
pp. 124-129 第Ⅱ章第2節 ①酸と塩基 |
➀ 酸と塩基の定義を説明できる。 (アレニウスの定義,ブレンステッド・ローリーの定義) ➁ 酸と塩基の価数について説明できる。 ➂ 酸・塩基の強弱と電離度について説明できる。
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7週 |
pp.130-135 第Ⅱ章第2節 ②水素イオン濃度 |
➀ 酸・塩基の水素イオン濃度を算出できる。 ➁ 酸・塩基のpHを算出できる。 ➂ pH 指示薬について説明できる。
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8週 |
★ 後期中間試験 pp. 92-135 |
♣ 実験➁ 後期1~7週の化学Ⅰb
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4thQ |
9週 |
pp. 136-139 第Ⅱ章第2節 ③中和と塩 |
➀ 中和反応について説明できる。 ➁ 塩の種類を分類でき,正塩の水溶液の性質が説明できる。 ➂ 塩の反応について説明できる。
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10週 |
pp. 140-143 第Ⅱ章第2節 ④中和滴定(1) |
➀ 中和の量的関係に関する演習問題が解ける。 ➁ 中和滴定の操作について説明できる。
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11週 |
pp.144-151 第Ⅱ章第2節 ④中和滴定(2) |
➀ 中和滴定曲線のプロファイルを説明できる。 ➁ 中和滴定曲線を描くことができる。
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12週 |
pp.154-159 第Ⅱ章第3節 ①酸化と還元 |
➀ 酸化還元反応について説明できる。 ➁ 酸化数を求めることができる。 ➂ 酸化数の増減から酸化・還元を判断できる。
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13週 |
pp.160-166 第Ⅱ章第3節 ②酸化剤と還元剤の反応 |
➀ 酸化剤・還元剤について説明できる。 ➁ 酸化剤・還元剤の半反応式を作れる。 ➂ 酸化還元反応式を作ることができる。
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14週 |
pp.167-171 第Ⅱ章第3節 ③酸化還元の量的関係 |
➀ 酸化還元の量的関係について説明できる。 ➁ 酸化還元滴定に関する問題を解くことができる。
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15週 |
◇総合演習 |
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16週 |
★学年末試験 pp. 136-171 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | 前1 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前3 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前2 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前2 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前4 |
水の状態変化が説明できる。 | 2 | 前4 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 2 | 前4 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前5 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前5 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前5 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前6 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前6 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前7 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前7 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前6 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前6 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前8 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前8,前13 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前8,前13 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前8,前13 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前13 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前9,前10 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前12,前13 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前12,前13 |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | 前14 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | 前14 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 後1 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | 後2 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 後4 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 後5 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 後3 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 後3 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 後3 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | 後9 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | 後9 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 後9 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 後10 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | 後11 |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | 後11 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後12 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | 前16,後8 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | 前16,後8 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | 前15 |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | 前15 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | 前16,後8 |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | 前16,後8 |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | 前16,後8 |
試薬の調製ができる。 | 3 | 前16,後8 |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 3 | 前16,後8 |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 3 | 前16,後8 |