有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0009 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 McMurry 著、伊東・児玉訳「マクマリー有機化学概説」(東京化学同人)
担当教員 亀山 雅之

到達目標

1. 立体化学に関する定義および性質等を正しく説明できる。
2. ハロゲン化アルキルの性質・合成法・反応・反応等を正しく示せる。
3. アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を正しく示せる。
4. アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を正しく示せる。
5. カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を正しく示せる。
6. アミンの性質・合成法・反応等を正しく示せる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1立体化学に関する定義および性質等を専門用語を用いて正しく説明できる。立体化学に関する定義および性質等を正しく説明できる。立体化学に関する定義および性質等を説明できない。
評価項目2 ハロゲン化アルキルの性質・合成法・反応・反応等を専門用語を用いて正しく示せる。 ハロゲン化アルキルの性質・合成法・反応・反応等を正しく示せる。 ハロゲン化アルキルの性質・合成法・反応・反応等を示せない。
評価項目3 アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を専門用語を用いて正しく示せる。 アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を正しく示せる。 アルコール・エーテル類の性質・合成法・反応等を示せない。
評価項目4アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を専門用語を用いて正しく示せる。アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を正しく示せる。アルデヒド・ケトンの性質・合成法・反応等を示せない。
評価項目5カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を専門用語を用いて正しく示せる。カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を正しく示せる。カルボン酸・その誘導体の性質・合成法・反応等を示せない。
評価項目6アミンの性質・合成法・反応等を専門用語を用いて正しく示せる。 アミンの性質・合成法・反応等を正しく示せる。 アミンの性質・合成法・反応等を示せない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ③ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
有機化合物の化学、特に性質、合成法、反応を官能基の種類ごとに学修する。
授業の進め方・方法:
【評価方法】到達目標1-6:前期中間試験、前期定期試験、後期中間試験、後期定期試験および課題等により評価する。原則として前期中間試験、前期末試験および後期中間試験、後期末試験の平均点を90%、小テスト・課題等を10%
とし、その合計が60%以上のものを合格とする。なお、試験の内容には自学自習の内容が含まれる。
注意点:
【参考書】
1. McMurry 著、伊東・児玉訳「マクマリー有機化学 上・中・下」(東京化学同人)
2. Smith 著、山本、大嶌監訳「スミス基礎有機化学上・下」(化学同人)
3. Vollhardt, Schore 著、古賀・野依・村橋監訳「ボルハルト・ショアー現代有機化学 上・
下」(化学同人)
4. Warren 著、野依・奥山・柴崎・檜山監訳「ウォーレン有機化学 上・下」(東京化学
同人)
【前年度までの関連科目】 有機化学 I、物質工学入門 I・II、一般理科、化学 I・II
【現学年の関連科目】 生物化学
【次年度以降の関連科目】
4学年:有機化学 III、高分子化学、機器分析 I、生物工学実験I
5学年:工業化学、環境化学、高分子材料、生物有機化学
物質工学コース:有機合成化学、触媒化学、有機材料
【連絡事項】
1. 有機化学が多くの事実の羅列であると感じるのは間違いです。まず、教科書のまとめの暗記をやめましょう。そして、“事実をどう説明するか”に注意して教科書の説明を読みましょう。また、“なぜ起こるか”を理解する習慣を身に付けましょう。理解するには、自分で考えることが必要です。
2. 考え方の正しさを確認するために、例題等を数多く解答しましょう。色々な問題が解ければ、その内容を理解したことになります。それにより、無駄な暗記から逃れることができます。
3. 理解の助けとして教員を使ってください。質問等はメールでも受け付けます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 有機化学I・II・IIIのガイダンス、有機化学Iの復習 有機化学Iの重要な内容に関する演習問題を解くことができる。
2週 6章 鏡像異性体、キラリティー、光学活性、RS配置 鏡像異性体、キラリティー、光学活性、RS配置を理解する。
3週 ジアステレオマー、メソ化合物、光学分割 ジアステレオマー、メソ化合物、光学分割を理解する。
4週 反応の立体化学、7章 ハロゲン化アルキルの命名法、合成 反応の立体化学およびハロゲン化アルキルの命名法と合成を理解する。
5週 ハロゲン化アルキルの求核置換反応、SN2反応 ハロゲン化アルキルのSN2反応を理解する。
6週 SN2反応、SN1反応 SN2反応とSN1反応を理解する。
7週 E2反応、E1反応、求核置換反応の反応性のまとめ E2反応とE1反応を理解し、求核置換反応の反応性をまとめる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 答案返却・解説、8章 アルコール類の命名、性質 アルコール類の命名と性質を理解する。
10週 フェノールの性質、合成と反応 フェノールの性質、合成と反応を理解する。
11週 アルコールの反応、フェノールの合成と反応 アルコールの反応、フェノールの合成と反応を理解する。
12週 エーテル、エポキシド、アルコール、フェノール類の演習 エーテル、エポキシド、アルコール、フェノール類に関する演習問題を解くことができる。
13週 9章 アルデヒド・ケトンの命名、合成 アルデヒド・ケトンの命名と合成を理解する。
14週 アルデヒドとケトンの合成と演習 アルデヒドとケトンの合成を理解し、その演習問題を解くことができる。
15週 アルデヒドとケトンの求核付加反応:還元、水和 アルデヒドとケトンの還元と水和を理解する。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 アルコールの付加、アセタールの合成的利用、演習 アルコールの付加とアセタールの合成的利用を理解し、その演習問題を解くことができる。
2週 アミンの付加、Grignard試薬の付加 アミンの付加とGrignard試薬の付加を理解する。
3週 Wittig反応、アルケンの合成、アルデヒドとケトンの求核付加のまとめと演習 Wittig反応、アルケンの合成、アルデヒドとケトンの求核付加のまとめを理解し、その演習問題を解くことができる。
4週 10章 カルボン酸とその誘導体の命名法、カルボン酸の性質 カルボン酸とその誘導体の命名法とカルボン酸の性質を理解する。
5週 カルボン酸の合成 カルボン酸の合成を理解する。
6週 カルボン酸の反応:還元、Fischerエステル化、種々の誘導体への変換 カルボン酸の還元、Fischerエステル化、種々の誘導体への変換を理解する。
7週 酸ハロゲン化物の化学、酸無水物の反応 酸ハロゲン化物の化学と酸無水物の反応を理解する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解説、エステルの化学:加水分解、還元、Grignard反応 エステルの加水分解、還元、Grignard反応を理解する。
10週 エステルの化学:Grignard反応、アミドの化学 エステルのGrignard反応とアミドの化学を理解する。
11週 ニトリルの化学、ポリマー、有機合成における酵素 ニトリルの化学、ポリマー、有機合成における酵素を理解する。
12週 10章 補充問題の演習と解説 10章の補充問題を解くことができる。
13週 12章 アミンの命名、構造と性質 アミンの命名、構造と性質を理解する。
14週 アミンの合成と反応 アミンの合成と反応を理解する。
15週 複素環アミン 複素環アミンを理解する。
16週 後期定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000