物理化学I

科目基礎情報

学校 小山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理化学I
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス「物理化学要論」東京化学同人(2020)
担当教員 渥美 太郎

到達目標

1.  気体の性質について理解し,関連した問題を解くことができる.
2.  熱力学第一法則について理解し,関連した問題を解くことができる.
3.  熱力学第二法則について理解し,関連した問題を解くことができる.
4. 相転移と相平衡について理解し,関連した問題を解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1気体の性質について理解し,関連した問題を80%以上解くことができる.気体の性質について理解し,関連した問題を60%以上解くことができる.気体の性質について理解していない.関連した問題を解くことができない.
評価項目2熱力学第一法則について理解し,関連した問題を80%以上解くことができる.熱力学第一法則について理解し,関連した問題を60%以上解くことができる.熱力学第一法則について理解していない.関連した問題を解くことができない.
評価項目3熱力学第二法則について理解し,関連した問題を80%以上解くことができる.熱力学第二法則について理解し,関連した問題を60%以上解くことができる.熱力学第二法則について理解していない.関連した問題を解くことができない.
評価項目4相転移と相平衡について理解し,関連した問題を80%以上解くことができる.相転移と相平衡について理解し,関連した問題を60%以上解くことができる.相転移と相平衡について理解していない.関連した問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 ④ 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理化学の熱力学分野について学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義
注意点:
前期中間,前期定期試験,後期中間,後期定期試験の合計点が240点以上(各試験100点満点の予定)で合格とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,気体の性質/完全気体(1)・講義  完全気体の状態方程式について理解する.予習,復習:教科書演習1A・2, 1A・4.
2週 気体の性質/完全気体(2)・講義 完全気体の方程式の使い方,混合気体,分圧について理解する.予習,復習:教科書演習1A・9, 1A・11.
3週 気体の性質/気体の運動論モデル(1)・講義 気体の運動論モデルによる気体の圧力,気体分子の根平均二乗速さについて理解する.予習,復習:教科書演習1B・1, 1B・2.
4週 気体の性質/気体の運動論モデル(2)・講義 マクスウェルの速さの分布,拡散と流出,分子の衝突について理解する.予習,復習:教科書演習1B・4, 1B・9.
5週 気体の性質/実在気体(1)・講義 分子間相互作用,臨界温度,圧縮因子,ビリアル状態方程式について理解する.予習,復習:教科書演習1C・2, 1C・4.
6週 気体の性質/実在気体(2)・講義 ファンデルワールスの状態方程式,気体の液化について理解する.予習,復習:教科書演習1C・7, 1C・9.
7週 気体の性質/演習・講義 前期1から6週目までの範囲の演習問題.予習,復習:1から6週目までの範囲の教科書の演習問題.
8週 中間試験 前期1から6週目までの範囲の理解の確認.予習,復習:1から6週目までの範囲の教科書の演習問題など.
2ndQ
9週 試験の返却と解説,熱力学第一法則/仕事(1)・講義 系と外界,膨張の仕事について理解する.予習,復習:教科書演習2A・1, 2A・3(a).
10週 熱力学第一法則/仕事(2),熱(1)・講義 可逆膨張,エネルギーの符号の取決め,熱容量,熱量測定,膨張による熱の流入について理解する.予習,復習:教科書演習2A・3(B),2B・3, 2B・5.
11週 熱力学第一法則/内部エネルギー・講義 内部エネルギー,状態関数としての内部エネルギー,内部エネルギー変化,内部エネルギーの分子論的な解釈について理解する.予習,復習:教科書演習2C・1, 2C・2.
12週 熱力学第一法則/エンタルピー・講義 エンタルピーの定義,エンタルピー変化,エンタルピーの温度依存性について理解する.予習,復習:教科書演習2D・5, 2D・6.
13週 熱力学第一法則/物理的な変化・講義 相転移エンタルピー,イオン化と電子付加,結合の解離について理解する.予習,復習:教科書演習2E・7, 2E・9.
14週 熱力学第一法則/化学変化・講義 燃焼エンタルピー,反応エンタルピーの組み合わせ,標準生成エンタルピー,反応エンタルピーの温度変化について理解する.予習,復習:教科書演習2F・2, 2F・5, 2F・7.
15週 熱力学第一法則/演習・講義 前期9から14週目までの範囲の演習問題.予習,復習:9から14週目までの範囲の教科書の演習問題.
16週 定期試験 前期9から14週目までの範囲の理解の確認.予習,復習:9から14週目までの範囲の教科書の演習問題など.
後期
3rdQ
1週 熱力学第二法則/エントロピー(1)・講義 自発変化の方向,エントロピーと第二法則,熱機関について理解する.予習,復習:教科書演習3A・2, 3A・3.
2週 熱力学第二法則/エントロピー(2)・講義 冷蔵庫,ヒートポンプ,体積変化,温度変化に伴うエントロピー変化について理解する.予習,復習:教科書演習3B・2, 3B・4.
3週 熱力学第二法則/エントロピー変化・講義 相転移に伴うエントロピー変化,外界のエントロピー変化について理解する.予習,復習:教科書演習3B・9, 3B・10.
4週 熱力学第二法則/理想的な熱機関・講義 カルノーサイクルについて理解する.予習,復習:教科書問題3・4.
5週 熱力学第二法則/絶対エントロピー・講義 熱力学第三法則,エントロピーの分子論的解釈,残余エントロピーについて理解する.予習,復習:教科書演習3C・2, 3C・3.
6週 熱力学第二法則/ギブスエネルギー・講義 標準反応エントロピー,化学反応の自発性,系に注目する,ギブズエネルギーの性質について理解する.予習,復習:教科書演習3D・1, 3D・3.
7週 熱力学第二法則/演習・講義 後期1から6週目までの範囲の演習問題.予習,復習:1から6週目までの範囲の教科書の演習問題.
8週 中間試験 後期1から6週目までの範囲の理解の確認.予習,復習:1から6週目までの範囲の教科書の演習問題など.
4thQ
9週 試験の返却と解説,相転移と相平衡/相転移の熱力学(1)・講義 安定性の条件について理解する.予習,復習:教科書演習4A・2.
10週 相転移と相平衡/相転移の熱力学(2)・講義 ギブスエネルギーの圧力変化について理解する.予習,復習:教科書演習4A・3, 4A・5.
11週 相転移と相平衡/相転移の熱力学(3)・講義 ギブスエネルギーの温度変化,ギブズ―ヘルムホルツの式について理解する.予習,復習:教科書演習4A・6.
12週 相転移と相平衡/純物質の相図(1)・講義 相境界,相境界の位置について理解する.予習,復習:教科書演習4B・2, 4B・3.
13週 相転移と相平衡/純物質の相図(2)・講義 物質に固有の点,相律,代表的な物質の相図について理解する.予習,復習:教科書演習4B・7, 4B・8.
14週 相転移と相平衡/部分モル量・講義 部分モル体積,化学ポテンシャル,自発的な混合について理解する.予習,復習:教科書演習4C・1, 4C・4, 4C・5.
15週 相転移と相平衡/演習・講義 後期9から14週目までの範囲の演習問題.予習,復習:9から14週目までの範囲の教科書の演習問題.
16週 定期試験 後期9から14週目までの範囲の理解の確認.予習,復習:9から14週目までの範囲の教科書の演習問題など.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前1,前2
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前9,前10
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前4
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前5,前6
混合気体の分圧の計算ができる。4前2
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4後1
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4後2
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4後3
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4後4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4後4
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4後9
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4後10
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4後12,後13
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000