複素解析

科目基礎情報

学校 群馬工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 複素解析
科目番号 0013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:複素関数概説:今吉洋一:サイエンス社
担当教員 鶴見 智

到達目標

本講義は,複素関数(変数と値が複素数である関数)の微分積分の基礎とその応用を扱う。
□複素数の四則演算を用いて,複素平面上の図形の回転や平行移動などの操作ができる。
□種々の複素関数の定義の意味を理解し,図形の像を図示できる。
□コーシー・リーマンの方程式を用いて,微分可能性を確かめ,微分を計算したりできる。
□複素積分の定義を理解し,曲線のパラメーター表示を用いて,複素積分の計算ができる。
□正則複素関数の積分の種々の性質や公式を理解し,複素積分の計算に利用できる。
□正則複素関数の孤立特異点の種類をローラン展開を用いて判定でき,その留数を求めることができる。
□留数定理を用いて,複素周回積分が計算できる。
□複素周回積分を実積分の計算へ応用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1通常の平面上の対象を複素平面上の四則演算を自在に用いることで,回転や平行移動等の操作へ充分に応用できる。通常の平面上の対象と複素平面上の対象とを同一視でき,四則演算を用いて回転や平行移動等の操作ができる。複素数の四則演算の幾何的意味が理解できず,回転や平行移動等の操作への応用ができまい。
評価項目2コーシーリーマンの方程式,コーシーの積分公式に関する性質を証明に至るまで充分に理解し,種々の計算に自在に適用することができる。コーシー・リーマンの方程式,コーシーの積分公式に関する性質を理解し,種々の計算に適用することができる。コーシーリーマンの方程式,コーシーの積分公式に関する性質を理解できず,種々の計算に適用することができない。
評価項目3ローラン展開の仕組みを証明を含めて理解し,正則関数の孤立特異点の種類をローラン展開を用いて計算でき,その留数を求めることができる。正則関数の孤立特異点の種類をローラン展開を用いて計算でき,その留数を求めることができる。孤立特異点におけるローラン展開を計算できず,その留数を求めることができない。
評価項目4留数定理を用いて,複素周回積分が計算でき,それを様々な実積分の計算へ自律的に応用できる。留数定理を用いて,複素周回積分が計算でき,それを実積分の計算へ応用できる。留数定理を用いて,複素周回積分が計算できないため,実積分の計算へ応用することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1.複素数と四則演算
2.複素関数とその視覚化
3.複素微分とコーシー・リーマンの方程式
4.複素積分とコーシーの積分定理
5.テーラー展開とローラン展開
6.留数定理とその応用
授業の進め方・方法:
座学による。毎週授業内容の確認のためのレポートを課します。
注意点:
本科2年・3年次に学んだ微積分が必須になります。適宜復習しながら取り組んでください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複素数と複素平面 複素数を平面上で考えることができる。複素共役や複素数の絶対値などの定義の意味を理解できる。
2週 複素数の四則演算の幾何的意味 平面上の平行移動や回転の操作を複素数の四則演算に置き換えて考えることができる。
3週 複素関数(1) オイラーの公式,複素指数関数の定義の幾何的意味を理解し,図形の像を求めることができる。
4週 複素関数(2) 複素三角関数,複素対数関数の定義の意味を理解し,簡単な計算問題を解くことができる。
5週 複素微分(1) 複素関数の連続性,複素微分の定義の意味を理解し,定義に従って微分を計算できる。
6週 複素微分(2) コーシ・ーリーマンの方程式を用いて,微分可能性を判定できる。また,偏微分を用いて複素微分を計算できる。
7週 複素積分(1) 複素積分の定義の意味を理解できる。また,曲線のパラメータ表示を用いて,複素積分を計算することができる。
8週 複素積分(2) 複素平面内の開集合・連結の概念を理解し,具体的な図形が領域であることを証明することができる。
2ndQ
9週 複素積分(3) コーシーの積分定理の意味を理解し,積分路をうまく変更して複素積分を計算することができる。
10週 複素積分(4) コーシーの積分公式を用いて,複素周回積分を計算できる。また,リュービルの定理を証明できる。
11週 複素級数展開(1) 簡単な複素級数の和を計算できる。また,収束半径を公式を用いて計算できる。
12週 複素級数展開(2) テイラー展開・ローラン展開の意味を理解し,計算できる。
13週 留数定理(1) 孤立特異点の種類をローラン展開を求めて判定でき,その留数を求めることができる。
14週 留数定理(2) 留数定理を用いて,複素周回積分を計算することができる。また,極の留数を公式を用いて計算できる。
15週 留数定理(3) 留数定理を利用して,実積分の計算ができる。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000