物質工学展望

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 物質工学展望
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 北折 典之,土屋 賢一,中川 修,町田 茂,(伊藤 篤子),庄司 良,城石 英伸,山本 祥正,伊藤 未希雄,井手 智仁,中野 雅之

到達目標

物質工学分野の高度な専門領域と、自分たちがこれから学習する科目との結びつきを理解することで、基礎科目習得の必要性を理解する。
物質工学分野にどのような領域や学問分野があるか理解することで、化学を専門とする自身の将来の展望について思考を始めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベル(可)未到達レベルの目安
評価項目1物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのかよく理解でき,説明できる。物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのかよく理解できる。物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのか理解できる。物質工学分野にはどのような産業・学術領域があるのか理解できない。
評価項目2物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要かよく理解でき,説明できる。物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要かよく理解できる。物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要か理解できる物質工学各分野の理解にはどのような知識・科目が必要か理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質工学分野は非常に幅広い。産業および学術両面で広い分野をカバーしている。物質工学科に所属する全教員の専門分野とその周辺領域を紹介し、高専4年間で学習する科目・実験・項目との関係性を示す。また,科学研究に欠かせないノートの書き方,レポートの書き方,プレゼンテーションのやり方を習得する。さらに,卒業生,上級生の経験を聞き,自身の進路についての助けにする。
授業の進め方・方法:
各教員が自身の専門領域および周辺領域を紹介し、高専4年間で学習する科目・実験・項目との関係性を示す。また,科学研究に欠かせないノートの書き方,レポートの書き方,プレゼンテーションのやり方を簡単な実践を行いながら説明する。
注意点:
本科目は、予習・復習等の自学自習で効果が向上するので、必ず心がけること。自学自習の習慣を身に着けること。
3度のレポート(工場見学20点×2+まとめレポート40点)と最終グループ発表(20点)で評価を行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 無機化学概論/ 量子力学概論 無機化学を駆使することで応用が可能な分野を学び、今後の化学技術の産業における役割を理解する。/なぜ量子力学が必要か説明できる
2週 レポートの書き方 科学レポートの書き方について概要を理解する
3週 有機化学概論 有機化合物はどのような物質群であり、どのような産業分野で利用されているのか説明できる。
4週 高分子化学概論 高分子化合物とはどのような物質であるか、また、低分子化合物との性質の違いについて説明できるようになる。
5週 生物化学概論 生命現象はすべて化学で説明できることを理解できる。
6週 表面化学概論 表面・界面で起こる化学反応を均一系での化学反応との違いを中心に説明することができる。また、代表的な表面分子の観察技術を列挙することができる。
7週 プレゼンテーションのやり方 学期末のプレゼンテーションにむけて,良いプレゼンテーションについて理解でき,自身での構築を試みることができる
8週 前半まとめ ここまでの授業の概要が理解できる
2ndQ
9週 環境化学概論 環境問題の原因は化学であり、解決も化学が寄与するところが大であることを理解する
10週 エネルギー化学概論 エネルギー問題を理解し,解決するための化学的アプローチについて理解できる。
11週 分析化学概論/炭素材料概論 様々な最先端の研究に分析化学で習得する知識や技術が使われていることを説明できる。/炭素材料の種類と特徴について説明できる。表面の化学状態分析について理解する。
12週 超分子化学概論 超分子とは何かを理解し,その機能の例を説明することができる
13週 学習まとめと発表会 専門分野と高専での学習過程との関連が学年進行で理解できる。各教員の専門分野について理解し,発表できる。
14週 工場見学 物質工学関連の企業を訪問し,実際に自分たちが学習したこととの関連を理解できる。
15週 学習まとめと発表会(城石,庄司)
卒業生,上級生の進路講話(城石)
専門分野と高専での学習過程との関連が学年進行で理解できる。各教員の専門分野について理解し,発表できる。
就職した先輩の話を聞き,自身の目標を明確に描くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前2
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前2
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前14
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。3
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
イオン結合と共有結合について説明できる。3
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3
配位結合の形成について説明できる。3
水素結合について説明できる。3
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。3
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。3
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。3
化学工学SI単位への単位換算ができる。3
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。3
蒸留の原理について理解できる。3
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。3
基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。3
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。3
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。3
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。3
脂質の機能を複数あげることができる。3
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。3
ヌクレオチドの構造を説明できる。3
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。3
解糖系の概要を説明できる。3
各種の光合成色素の働きを説明できる。3
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。3
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。3
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前15
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前14,前15
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前15
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前15
合意形成のために会話を成立させることができる。3前15
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前15
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前7,前15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前7,前15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前15
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前14,前15
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前15
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前15
目標の実現に向けて計画ができる。3前15
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前15
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前15
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前15
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前15
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前15
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前14
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前14
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前14
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2前14
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2前14
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2前14
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。2前14
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2前14
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2前14
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。2前14
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。2前14
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2前14
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2前14
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2前14
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2前14
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合02000080100
基礎的能力0150007085
専門的能力050001015
分野横断的能力0000000