生物工学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 生物工学
科目番号 0128 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 適宜プリントを配布する
担当教員 (伊藤 篤子)

到達目標

生物工学とは一般に生物を対象とした工学である。したがって,その領域はひろい。これまで学習した分子生物学,微生物学といった生物分野の知識と,化学工学で学んだ知識とを融合し,実際に微生物を利用した工学領域と,そのデータの理解ができるようになることが目標である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
食品衛生管理各種法規を理解し,示された条件から衛生管理に必要な実験を組み立て,説明できる各種法規を理解し,衛生管理に必要な実験を説明できる各種法規と衛生管理に必要な実験原理を理解できる法規と衛生管理に必要な実験原理が理解できない
生物工学で用いられる微生物生物工学分野でメジャーな微生物各種の生理的な特徴から生物工学上の有用な点を理解し,説明できる。生物工学分野でメジャーな微生物各種の生理的な特徴から生物工学上の有用な点を理解できる。生物工学分野でメジャーな微生物各種の生理的な特徴を理解できる。生物工学分野でメジャーな微生物各種の生理的特徴・生物工学上の有用な点を理解できない。
生物の培養方法培養に必要な殺菌,滅菌法,培地と培養について理解し,適切に選択して実験を構築できる。培養に必要な殺菌,滅菌法,培地と培養について理解し,説明できる。培養に必要な殺菌,滅菌法,培地と培養について理解できる。培養に必要な殺菌,滅菌法,培地と培養について理解できない
微生物と社会醸造,環境,合成など生物工学関連のトピックスを理解し,説明したうえで,応用事例を考察できる。醸造,環境,合成などの生物工学関連のトピックスを理解し,説明できる。醸造,環境,合成などの生物工学関連のトピックスを理解できる。醸造,環境,合成などの生物工学関連のトピックスを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
工学から生物を利用する立場からの学問である。よって工学的な切り口で生物現象を評価し,応用現象まで理解する必要がある
授業の進め方・方法:
定期試験と課題の提出で評価する
注意点:
分子生物学,微生物学,化学工学を基礎とする。本科目は予習と復習を前提としている。自学自習をしっかりやって授業に臨むこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業案内,微生物と社会をつなぐ 生物工学とはどんな学問か?概要を理解する
2週 微生物と食の安全性1 食の安全にかかわる微生物種およびその化学反応について理解する
3週 微生物と食の安全性2 食の安全にかかわる微生物実験について理解する
4週 それぞれの微生物1 命名と同定 微生物の命名および同定に利用される分子生物学的技術を理解する。
5週 それぞれの微生物2 Pseudomonasと放線菌 Pseudomonasと放線菌について生物的および工学的に理解する
6週 それぞれの微生物3 乳酸菌,ビフィズス菌と酵母 乳酸菌,ビフィズス菌と酵母について生物的および工学的に理解する
7週 それぞれの微生物4 麹菌と枯草菌 麹菌と枯草菌について生物的および工学的に理解する
8週 微生物とその取扱い1 殺菌除菌滅菌技術 微生物学で学習した殺菌除菌滅菌技術を復習し,より実用レベルでの使用について理解する
4thQ
9週 微生物とその取扱い2 培地と培養 微生物学で学習した培地と培養を復習し,より実用レベルでの使用について理解する
10週 微生物と社会1 酒類の醸造 主にビールを例にとり,その醸造の仕組みを理解する
11週 微生物と社会2 生物学的排水処理プロセス 生物学的排水処理プロセスを理解する
12週 微生物と社会3 糖質関連酵素研究 糖質について復習し,糖質関連酵素について理解する。
13週 トピックス
14週 まとめ 理解度を確認する
15週 試験の返却と解説 間違えたところを見直す
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。3後2
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。3後6,後7,後8
生物化学解糖系の概要を説明できる。3後5
クエン酸回路の概要を説明できる。3後5
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。3後10
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4後4,後12
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4後3
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4後14
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7228100
基礎的能力401050
専門的能力16925
分野横断的能力16925