通信工学特論

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 通信工学特論
科目番号 0014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料
担当教員 水谷 浩

到達目標

(1)通信システムの重要な要素技術である変復調ならびに通信の多重方式,伝送線路について理解する.
(2)無線通信に必要不可欠な電磁波の発生とアンテナからの放射を理解する.
(3)通信回線設計について学び,簡単な通信回線については設計できるようにする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1変復調の原理とメカニズムを説明できる変復調の原理とメカニズムを理解している変復調の原理を理解している変復調の原理が理解できていない
評価項目2通信の多重方式の原理を説明できる通信の多重方式の原理を理解している通信の多重方式の種類を知ってている通信の多重方式の種類も知らない
評価項目3ダイポールアンテナの構造と放射原理を説明できるダイポールアンテナの構造と放射原理を理解しているダイポールアンテナの構造を知ってているダイポールアンテナの構造を知らない
評価項目4スタブのインピーダンスについて説明できるスタブのインピーダンスについて理解している電信方程式を知っている電信方程式を知らない
評価項目5簡単な通信回線設計の仕方を説明できる簡単な通信回線設計の問題が解ける簡単な通信回線設計の仕方を理解している通信回線設計の仕方が理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
今から約130年前,ヘルツの火花放電に始まった無線通信の技術は,ラジオ,テレビ,ディジタル放送,携帯電話,スマートフォンなどに応用され著しく進化した.今では自動運転などの高度な機器との通信をめざした第5~6世代の移動通信システムの研究開発が進められている.本講義では,最新の放送や通信などの分野を支える無線通信技術を例題に学ぶ.簡単な通信回線について設計ができる即戦力の技術者として必要な知識を習得する.
授業の進め方・方法:
講義と一部問題演習を行う. この科目は,企業で情報通信に関する研究開発を担当していた教員が,その経験を活かし,関連する技術等について講義形式で授業を行うものである.
ディプロマ・ポリシー及びSDGsとの関係  ディプロマ・ポリシー:(2)  SDGs :9, 11, 13, 16, 17
注意点:
この科目は学修単位科目のため,事前・事後学習として予習・復習を行うこと.
確認テストおよび授業後に提出するレポート並びに自学自習の発表内容により成績を評価する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業のガイダンス および
通信の基礎に関する講義を行う
授業の目的,概要を理解する.
通信システムの概要について理解できる.
2週 変復調および多重伝送技術に関する講義を行う アナログ変調とデジタル変調,周波数分割方式,時分割方式,PCM通信方式を理解できる.
3週 通信ケーブルに関する講義を行う 伝送線路の損失と特性インピーダンスについて理解できる.
4週 無線通信に関する講義を行う 電磁波の発生,ダイポールアンテナからの放射,放射電磁界と誘導電磁界,アンテナの等価回路,アンテナ利得について理解できる.
5週 通信回線設計(1)に関する講義を行う リンクバジェット,フリスの伝達公式,レベルダイヤグラム,雑音について理解できる.
6週 通信回線設計(2)に関する講義を行う 簡単な通信回線設計の問題が解ける.
7週 通信回線設計(3)に関する講義を行う シャノンの定理を理解し,簡単な通信回線設計の問題が解ける.
8週 前半のまとめ問題を解く 前半に学んだ範囲について問題が解ける.
2ndQ
9週 分布定数回路(1)に関する講義を行う 集中定数回路と分布定数回路の違いを理解し,簡単な問題が解ける.
伝送線路の等価回路から電信方程式を求め,特性インピーダンスを求めることができる.
10週 分布定数回路(2)に関する講義を行う 端末に負荷を接続した伝送線路のインピーダンスを求めることができる.
11週 分布定数回路(3)に関する講義を行う ショートスタブのインピーダンスを求めることができる.
12週 分布定数回路(4)に関する講義を行う ショートスタブの長さがλ/4より長くなった場合のインピーダンスの変化についても説明することができる.
13週 分布定数回路(5)に関する講義を行う オープンスタブのインピーダンスを求めることができる.
14週 分布定数回路(6)に関する講義を行う オープンスタブの長さがλ/4より長くなった場合のインピーダンスの変化についても説明することができる.
15週 まとめ問題を解く 講義で学んだ内容全体について確認問題を解くことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。3
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。3
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。3
磁界中の電流に作用する力を説明できる。3
ローレンツ力を説明できる。3
磁気エネルギーを説明できる。3
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。3
自己誘導と相互誘導を説明できる。3
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。3

評価割合

確認問題小テスト発表態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力2015000035
専門的能力4025000065
分野横断的能力0000000