到達目標
(科目コード:11270, 英語名:Mechanism)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①機械の自由度を計算できる。15% (d1)、
②リンク機構の運動に関する計算ができる。15% (d1)、
③運動する物体の瞬間中心を求めることができる。20% (c1),(d1)、
④カム機構の運動を計算できる。15% (d1)、
⑤機械の運動(位置、速度、加速度)を計算できる。15% (c1),(d1)、
⑥歯車機構について説明できる。20% (d1)。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安(不可) |
①機械の自由度 | 全ての対偶の種類を説明でき、複雑な連鎖の自由度を計算できる。 | 対偶の種類を分類でき、連鎖の自由度を計算できる。 | 連鎖の自由度を計算できる。 | 連鎖の自由度を計算できない。 |
②リンク機構 | 4節リンク機構などの機構を分類でき、それぞれの運動に関する計算ができる。 | 4節リンク機構などの機構を分類でき、いくつかの運動に関する計算はできる。 | リンク機構の運動に関する計算ができる。 | リンク機構の運動に関する計算ができない。 |
③瞬間中心 | 瞬間中心の求め方を説明でき、複雑な機構の瞬間中心の位置を全て求めることができる。 | 瞬間中心の求め方を説明でき、基本的な機構の瞬間中心の位置を求めることができる。 | 基本的な機構の瞬間中心の位置を求めることができる。 | 基本的な機構の瞬間中心の位置を求めることができない。 |
④カム機構 | カムの種類を細かく分類でき、仕様を満たす適切なカム曲線を設計できる。 | カムの種類を大よそ分類でき、仕様を満たすカム線図を設計できる。 | カム線図を設計できる。 | カム線図を設計できない。 |
⑤変位、速度、加速度線図 | 機構の変位線図から、速度線図、加速度線図を正確に描くことができる。 | 機構の変位線図から、速度線図、加速度線図を描くことができる。 | 機構の変位線図から、速度線図を描くことができる。 | 機構の変位線図から、速度線図を描くことができない。 |
⑥歯車機構 | 歯車の用語を説明でき、各種歯車を分類でき、複雑な歯車列の各種計算ができる。 | 各種歯車を分類でき、基本的な歯車列の各種計算ができる。 | 基本的な歯車列の計算ができる。 | 基本的な歯車列の計算ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
機構学とは、機械にとって最も理想的な動きをさせる機構(メカニズム)を考え・選び出す学問である。機構を構成する部品のしくみを学ぶとともに、それらの部品をどのようにつなげ、かつ動かしていけば最も効果的かについて学ぶ。授業では、具体的に身の回りの機械や装置を例にとり、できるだけ図に示しながら学習を進めていくこととする。
○関連する科目:設計製図(前年度履修)、総合製作(3年次履修)、機械要素(後期履修)
授業の進め方・方法:
適宜、授業内容に沿った小テストを行い、理解の定着のため課題レポートを課す。
注意点:
2学年までの数学、物理を十分に学習しておくこと。
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
機械と機構 |
身の回りの機械と機構を説明できる。
|
2週 |
対偶と連鎖の自由度 |
対偶の種類を説明でき、連鎖の自由度を計算できる。
|
3週 |
リンク機構 |
4節リンク機構を説明でき、回転する条件を計算できる。
|
4週 |
機構の運動と瞬間中心 |
瞬間中心の考え方による機構の運動を説明できる。
|
5週 |
瞬間中心の応用 |
リンク機構の瞬間中心の位置を求めることができる。
|
6週 |
瞬間中心の軌跡 |
瞬間中心の軌跡を求めることができる。
|
7週 |
機構の速度 |
リンク機構の速度を求めることができる。
|
8週 |
カムの種類と設計 |
カムの種類を説明できカム曲線を設計できる。
|
2ndQ |
9週 |
変位線図、速度線図、加速度線図 |
変位線図から速度線図、加速度線図を求めることができる。
|
10週 |
摩擦伝動、摩擦車 |
摩擦車の速度比を求めることができる。
|
11週 |
歯車の基礎と種類 |
歯車を分類でき、用語、記号を説明できる。
|
12週 |
歯車装置 |
中心軸固定の歯車列の各種計算ができる。
|
13週 |
歯車装置の応用例 |
中心軸移動の歯車列の各種計算ができ、非円形歯車について説明できる。
|
14週 |
巻掛け伝動機構 |
巻掛け伝動を分類でき、各種計算ができる。
|
15週 |
まとめの課題 |
まとめの課題を解くことができる。
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 3 | 前4,前7 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 3 | 前4,前7 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 3 | 前9 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 3 | 前9 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 3 | 前7,前9 |
力の合成と分解をすることができる。 | 3 | 前8,前11,前14 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 4 | 前11 |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 4 | 前12,前13 |
リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | 前3,前5 |
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。 | 4 | 前7 |
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | 前8 |
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。 | 4 | 前9 |
力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | 前5,前11 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | 前4,前14 |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 4 | 前7,前9 |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 4 | 前9 |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前10,前11 |
評価割合
| 試験(中間) | 試験(期末) | 小テスト | 課題 | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 85 | 15 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 85 | 15 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |