流体力学ⅠB

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 流体力学ⅠB
科目番号 0080 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「流れ学 流体力学と流体機械の基礎」森北出版株式会社
担当教員 山岸 真幸

到達目標

(科目コード:11197 英語名:Fluid Dynamics ⅠB)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標,評価の重み。学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①流体の運動を支配する方程式や定理を理解する。25%(d1)
②流体のエネルギー変化を理解する。25%(d1)
③物体周りの流れと物体に作用する流体力について理解する。10%(d1)
④流体力学の問題解法を習得する。40%(d1)(e2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の運動を支配する方程式や定理を詳細に理解する。流体の運動を支配する方程式や定理を理解する。流体の運動を支配する方程式や定理を概ね理解する。左記に到達していない。
評価項目2流体のエネルギー変化を詳細に理解する。流体のエネルギー変化を理解する。流体のエネルギー変化を概ね理解する。左記に到達していない。
評価項目3物体周りの流れと物体に作用する流体力について詳細に習得する。物体周りの流れと物体に作用する流体力について習得する。物体周りの流れと物体に作用する流体力について概ね習得する。左記に到達していない。
評価項目4流体力学の問題解法を詳細に習得する。流体力学の問題解法を習得する。流体力学の問題解法を概ね習得する。左記に到達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
流れに物体を置いたとき、流体は物体に力を及ぼす。この力やトルクを求める方法を解説する。また流体を輸送する際に生じるエネルギー損失について学び、流れの状態によってどのように変化するかを解説し、さらにその損失量の計算方法を学ぶ。
〇関連する科目: 流体力学ⅠA(前期履修),流体力学Ⅱ(次年度履修)
授業の進め方・方法:
この科目は学習単位科目のため事前・事後学習としてレポート課題を毎週実施する。その週の授業内容に関連した問題課題を課し、翌週解説を行い、自己採点してもらう。必要に応じてプリントを配布する。プロジェクターを利用した講義を行なう。必ず予習をしてくること。
注意点:
一般力学の知識が必要不可欠である。また「物理」、「熱力学」の内容が必要となる場面もあるので、これらの復習・基礎学習もおろそかにしないこと。前期履修「流体力学ⅠA」の内容が理解できていないと、本科目の理解と問題解法が困難となるため、よく復習しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
運動量の法則
流体の運動量の法則を理解する。
2週 運動量の法則の応用 運動量の法則の応用を理解し、問題の解法を学習する。
3週 流体機械への応用 流体の角運動量の法則を理解し、流体機械への応用を学習する。
4週 管内の流れ (1)層流と乱流 層流と乱流の違いを理解し、境界層の概念を学ぶ。
5週 (2)層流の円管内流れ 層流における管内速度分布を求める。
6週 (3)乱流の円管内流れ 乱流における管内速度分布を求める。
7週 (4)摩擦による損失 摩擦による圧力損失を理解する。
8週 中間試験 試験時間:50分
4thQ
9週 管路系の圧力損失 (1)ベルヌーイの定理の拡張 ベルヌーイの定理を拡張し、損失の概念を学ぶ。
10週 (2)急拡大管 急拡大管における損失を学ぶ。
11週 (3)急縮小・広がり管 急縮小管・広がり管における損失を求める。
12週 (4)曲がり管・その他の管路要素 曲がり管・その他の管路要素の損失を学び、管路系の諸損失について理解する。
13週 次元解析と相似則 次元解析と流れの相似則を学ぶ。
14週 物体周りの流れ 境界層とその挙動について学ぶ。
15週 物体に作用する流体力 流体中の物体に作用する流体力について理解する。
16週 期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4後1,後2,後3,後8
層流と乱流の違いを説明できる。4後4,後5,後6,後8
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4後8
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後7,後8,後15
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後7,後8,後15
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後14,後16
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4後15,後16
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4後15,後16

評価割合

試験(中間)試験(期末)レポート合計
総合評価割合353530000100
基礎的能力15151500045
専門的能力20201500055
分野横断的能力0000000