制御工学B

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 制御工学B
科目番号 0116 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 佐藤,平元,平田,はじめての制御工学(改訂第2版),講談社,2018年
担当教員 池田 富士雄

到達目標

(科目コード:11247, 英語名:Control Engineering B)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①安定判別法を用いて制御系の安定性を判別できる。30% (c1),(d1)、
②制御系設計法を用いてシステムを設計できる。20% (c2),(d1)、
③制御系の定常特性を説明できる。20% (c1),(d1)、
④制御系の周波数特性について説明できる。30% (c1),(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
①安定判別法安定性の概念を正しく説明でき、安定判別法を用いて、高次のシステムの安定性を判別できる。安定判別法を用いて、高次のシステムの安定性を判別できる。安定判別法を用いて、低次のシステムの安定性を判別できる。システムの安定性を判別できない。
②制御系設計法PID制御系の時間応答を計算でき、与えられた全ての仕様を同時に満たす制御系を設計できる。PID制御系を構成し、与えられた全ての仕様を満たす制御系を設計できる。PID制御系を構成し、一つ以上の仕様を満たす制御系を設計できる。仕様を満たす制御系を設計できない。
③定常特性定常特性を説明でき、定常偏差の仕様を満たす制御系を設計できる。定常偏差の仕様を満たす制御系を設計できる。制御系の定常偏差を計算できる。制御系の定常偏差を計算できない。
④周波数特性システムのゲインと位相を求め、基本要素を複合したシステムのボード線図を描くことができる。全ての基本要素のゲインと位相を求め、ボード線図を描くことができる。1つ以上の基本要素のゲインと位相を求め、ボード線図を描くことができる。基本要素のボード線図を描くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期「制御工学A」に引き続いて、古典制御理論を中心に、動的システムの評価方法と安定性ならびに安定判別法を習得すること、またフィードバック制御系の解析と設計法の基礎について理解することを目的とする。さらにそれぞれの内容ごとに時間応答、周波数応答での考え方を身に付けることを目的とする。
○関連する科目:制御工学A(前期履修)、システム情報工学(専1履修)、線形システム制御(専1履修)
授業の進め方・方法:
適宜、授業内容に沿った小テストを行い、理解の定着のため課題レポートを課す。
注意点:
基礎知識として必要不可欠なのは、数学に関しては基本的な微分・積分、指数・対数、複素数、三角関数、物理は剛体の力学、電気はオームの法則である。制御は現実のシステムをモデル化し、数式化して表すので、特に数学の知識が重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 1次遅れ系、2次遅れ系の過渡応答のまとめ 2次遅れ系までのインパルス応答、単位ステップ応答を計算できる。
2週 システムの安定判別法 安定判別法を用いてシステムの安定性を判別できる。
3週 制御系の構成と安定性 システムの入力と出力の間の安定性、内部安定性の概念を説明できる。
4週 フィードバック制御系設計法の基礎 フィードフォワード制御系、フィードバック制御系の応答を計算できる。
5週 PID制御1 PID制御系の時間応答を計算できる。
6週 PID制御2 与えられた仕様に対するPID制御系の係数を求めることができる。
7週 フィードバック制御系の定常特性 システムの定常特性を説明でき、仕様の定常偏差を満たす制御系を設計できる。
8週 中間試験 試験時間:80分
4thQ
9週 周波数特性の解析 システムの周波数特性について説明できる。
10週 基本要素のボード線図1 システムの振幅比と位相角を計算できる。
11週 基本要素のボード線図2 基本要素のボード線図を描くことができる。
12週 ボード線図の合成 ボード線図を合成し2次以上のシステムの特性を説明できる。
13週 基本要素のベクトル軌跡 基本要素のベクトル軌跡を描くことができる。
14週 ナイキストの安定判別法 ナイキストの安定判別法を説明できる。
15週 安定余裕(ゲイン余裕と位相余裕) ボード線図と安定性の度合い(ゲイン余裕と位相余裕)の関係を説明できる。
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:80分
試験内容と結果を振り返り、理解不足の内容を補う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御制御系の過渡特性について説明できる。4後1,後4
制御系の定常特性について説明できる。4後7
制御系の周波数特性について説明できる。4後9
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4後2
電気・電子系分野制御システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4後1,後4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4後7
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4後9,後11,後12
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4後2,後14

評価割合

試験(中間)試験(期末)小テスト課題態度合計
総合評価割合303515155100
基礎的能力000000
専門的能力303515155100
分野横断的能力000000