機械力学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 機械力学
科目番号 0146 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 青木繁、機械力学(増補)、コロナ社、2018年
担当教員 工藤 慈

到達目標

(科目コード:11212、英語名:Dynamics of Mechanical Engineering)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①1自由度の自由振動の基礎を理解する。40%、(d1)
②強制振動と共振について理解する。30%、(d1)
③基礎的な振動問題の解き方を身に付ける。30%、(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
1自由度の自由振動が利用できる。1自由度の自由振動の基礎を利用できる。1自由度の自由振動の基礎を理解できる。1自由度の自由振動の基礎を概ね理解できる。1自由度の自由振動の基礎を理解できていない。
強制振動と共振について理解する。強制振動と共振について問題が解ける。強制振動と共振について理解している。強制振動と共振について概ね理解している。強制振動と共振について理解していない。
基礎的な振動問題の解き方が分かる。基礎的な振動問題の応用ができる。基礎的な振動問題の解き方が身についている。基礎的な振動問題の解き方が概ね身についている。基礎的な振動問題の解き方が不安である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 機械を良く知り、機械設計・技術をマスターするには、機械の運動や振動等を知ることが重要である。本科目では、振動の基本概念および基礎的な振動問題をモデル化し、解く方法について学ぶ。3年の初等力学や4年の物理学Ⅰで学んだ運動方程式や剛体の力学の応用となる科目であるため、関連する内容の数学部分についての十分な予習・復習が重要である。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポート課題などを実施する。演習問題を多く出題するので、必ず理解し解答できるようになること。
注意点:
4年次までに履修した簡単な微分・積分・微分方程式の解についての知識を用いるので、予習・復習を行うこと。また、3年の初等力学や4年の物理学Ⅰの剛体の運動の復習とその理解が必要である。
次に示す項目・割合で達成目標に対する理解の程度を評価する。60点以上を合格とする。
・まとめ課題(60%)【内訳:前期中間30、前期末30】
・レポート(25%)【内訳:課題出題5回】
・小テスト(15%)【内訳:各回講義終了時15回】
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスについて,概要説明,
数学準備
機械力学の概要と問題を解くための数学的内容の復習
2週 無減衰1自由度の振動の解
等価質量、ねじり振動
単振動における速度、加速度、力の関係を説明できる。
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。
3週 減衰系・1自由度の自由振動
特性方程式、減衰比による分類、対数減衰率
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。
4週 減衰系・1自由度の自由振動
対数減衰率
対数減衰率を計算できる。
5週 減衰系・1自由度の自由振動
粘性減衰力とダッシュポット、
ダッシュポットの意味を理解する。
6週 インパルス応答、エネルギー法 インパルス応答を理解する。
エネルギー法を理解する。
7週 減衰系・1自由度強制振動
力入力
共振振動に関し理解する。
8週 まとめ課題① 講義内容を復習し、問題を解くことができる。
2ndQ
9週 減衰系・1自由度の強制振動
変位入力
変位加振を理解する。
10週 2自由度無減衰自由振動(運動方程式と解法) 2自由度の意味を理解できる。
11週 2自由度無減衰強制振動(固有振動数と固有モード) 2自由度の強制振動を理解する。
12週 2自由度無減衰強制振動(固有振動数と固有モード) 固有振動数と固有モードの意味を理解する。
13週 1自由度無減衰系の強制振動(力入力)演習 1自由度の力加振を確実に解ける。
14週 1および2自由度系の強制振動(力、変位入力) 1、2自由度の強制加振問題が解ける。
15週 まとめ課題② 講義内容を復習し、問題を解くことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1,前2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前2
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1,前2
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1,前2
物体に作用する力を図示することができる。3前1
慣性の法則について説明できる。3前2
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前2
運動方程式を用いた計算ができる。3前10,前11,前15
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前1
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前1,前2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前2
力のモーメントを求めることができる。3前2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前15
波動共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3前7
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4前6
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4前2,前6
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4前5
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4前2
振動の種類および調和振動を説明できる。4前1
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前2
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前2,前3
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前2
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4前7

評価割合

まとめ課題小テスト合計
総合評価割合70300100
基礎的能力0000
専門的能力70300100