メカトロニクス

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 メカトロニクス
科目番号 0153 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント、スライド資料、Webページ資料
担当教員 池田 富士雄

到達目標

(科目コード:11540, 英語名:Mechatronics)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①車両ロボットの駆動機構を分類できる。15% (b2), (d1)、
②移動ロボットの自己位置を計算できる。15% (b2), (d2)、
③センサの種類と使用方法を説明できる。15% (b2), (d2)、
④アクチュエータの種類と制御方法を説明できる。15% (b2), (d2)、
⑤マイコンでセンサの値を取得できる。10% (d2)、
⑥マイコンでアクチュエータの動作を制御できる。10% (d2)、
⑦ロボットアームの運動学を説明できる。10% (b2), (c1), (d1)、
⑧ロボットアームの逆運動学を説明できる。10% (b2), (c1), (d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
①車両ロボットの駆動機構車両ロボットの駆動機構を説明でき、駆動機構ごとの旋回運動の問題を解くことができる。車両ロボットの駆動機構ごとの旋回運動の問題を解くことができる。ある駆動機構の車両ロボットの旋回運動の問題を解くことができる。車両ロボットの旋回運動の問題を解くことができない。
②自己位置推定移動ロボットの自己位置の導出原理を理解し、自己位置の推定値を複数の方法で求めることができる。移動ロボットの自己位置の推定値を複数の方法で求めることができる。移動ロボットの自己位置の推定値を求めることができる。移動ロボットの自己位置の推定値を求めることができない。
③センサの種類と使用方法用途に応じたセンサの分類ができ、使用方法が説明できる。用途に応じたセンサの分類ができる。複数のセンサの用途が説明できる。複数のセンサの用途が説明できない。
④アクチュエータの種類用途に応じたアクチュエータの分類ができ、使用方法が説明できる。用途に応じたアクチュエータの分類ができる。複数のアクチュエータの用途が説明できる。複数のアクチュエータの用途が説明できる。
⑤マイコンによるセンサ値の取得マイコンを用いた回路とプログラムを作成し、センサ値を正確に取得できる。マイコンを用いた回路とプログラムを作成し、センサ値を取得できる。マイコンを用いてセンサ値を取得するプログラムを作成できる。マイコンを用いてセンサ値を取得するプログラムを作成できない。
⑥マイコンによるアクチュエータの制御マイコンを用いた回路とプログラムを作成し、アクチュエータを目標どおりに制御できる。マイコンを用いた回路とプログラムを作成し、アクチュエータを動作できる。マイコンを用いてアクチュエータを動作させるプログラムを作成できる。マイコンを用いてアクチュエータを動作させるプログラムを作成できない。
⑦ロボットアームの運動学任意の自由度のロボットアームの運動学が計算できる。2自由度までのロボットアームの運動学が計算できる。2自由度のロボットアームの運動学の数式が説明できる。3自由度のロボットアームの運動学の数式が説明できない。
⑧ロボットアームの逆運動学行列計算により、ロボットアームの逆運動学を求めることができる。基礎的なロボットアームの逆運動学を求めることができる。1自由度のロボットアームの逆運動学を求めることができる。ロボットアームの逆運動学を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
無人化工場の設計やNC工作機械の開発は電気技術者と機械技術者が協力して行う。この場合、機械技術者にはメカトロニクスの知識が必要となる。本講義では、機械技術者としてメカトロニクスの知識とその制御技術を身につけることを目的とする。具体的には,メカトロニクスの代表例である車輪・腕型ロボットの創造設計を通して、ロボットの構造と動作機構、センサの種類と使用方法およびアクチュエータの種類と制御方法について学ぶ。
 ○関連する科目:計測工学(3年次履修),機械設計学(前年度履修),線形システム制御(次年度履修)
授業の進め方・方法:
適宜、授業内容に沿った小テストを行い、理解の定着のため課題レポートを課す。
注意点:
基礎となる科目は3年次の「機構学」および「電気回路」、4年次の「電子回路」と「制御工学」である。これらの科目を十分に復習した上で授業に臨んでもらいたい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 メカトロニクスの概要(あやつり・からくり・ロボット) ロボット開発の歴史を把握し、創造的設計の方法を使用できる。
2週 車両ロボットの車輪の配置と舵取り 車両ロボットの旋回運動の問題を解くことができる。
3週 舵取り車両の自己位置推定 舵取り型車両の自己位置の導出原理を理解し、自己位置の推定値を求めることができる。
4週 独立駆動輪車両の自己位置推定 独立駆動型車両の自己位置の導出原理を理解し、自己位置の推定値を求めることができる。
5週 車両ロボットの動力伝達 車両ロボットの駆動機構の設計ができる。
6週 車両ロボットのモータの選定 車両ロボットの動力の設計ができる。
7週 マイコンの基礎 マイコンの動作を理解し、基本的なアルゴリズムを記述できる。
8週 マイコンを用いたセンサ値の取得 マイコンと各種センサを用いて、物理量を取得できる。
4thQ
9週 ポテンショメータ・エンコーダによる回転数の測定 センサで回転速度、角速度を測定する原理を理解し、計算問題を解くことができる。
10週 マイコンを用いたモータの制御1 マイコンを用いて入出力の制御、モータの制御ができる。
11週 マイコンを用いたモータの制御2 マイコンを用いてセンサで取得した値からモータを制御できる。
12週 腕型ロボットの構成 腕型ロボットの用途による分類ができる。
13週 腕型ロボットの運動学 腕型ロボットの運動学が計算できる。
14週 腕型ロボットの逆運動学・特異姿勢 腕型ロボットの特異姿勢が説明でき、逆運動学が計算できる。
15週 腕型ロボットの制御 腕型ロボットの制御方法を理解し、制御入力が計算できる。
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:80分
試験内容と結果を振り返り、理解不足の内容を補う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4後6
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4後2,後3,後4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4後3,後4,後5
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4後2,後6
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4後2,後6
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4後3,後4,後5,後6
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4後2,後5
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4後9
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4後9
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4後9
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4後7,後8,後9
自動制御の定義と種類を説明できる。4後10,後11

評価割合

試験(中間)試験(期末)小テスト課題態度合計
総合評価割合03010600100
基礎的能力000000
専門的能力03010600100
分野横断的能力000000