概要:
静電界を中心とした電気磁気学について学習する。物理学Iで学習していない電気磁気学をカバーすることにより、初等物理学全般の習得を目的とする。
関連する科目:物理学ⅡB(後期履修)
授業の進め方・方法:
授業計画に沿って、課題・演習形式で実施する。各回の大まかな構成は以下のとおり。
1.授業時間に前回の質問等受け付け(Microsoft Teams)
2.学習のポイント(到達目標),学習範囲(教科書の対応部分など)及び課題の提示(Microsoft Teams)
3.自分で学習範囲を学習ノートにまとめる
4.課題・演習レポートの作成
期末に総まとめレポートの課題を提示する。課題・演習レポートを70 %,総まとめレポートを30 %で評価する。
変更:総まとめレポートに代わり、期末試験(理解度確認試験)を実施する。
注意点:
微分・積分,偏微分とベクトル(内積・外積)及びベクトル解析(スカラー場・ベクトル場,線積分・面積分)の数学を必要とする。試験では静電界を解析的に解くことになるので、定義式の明示はもとより、状況及び条件の記述を重視する。電気回路で扱った用語や素子に関する物理現象を学習するので、それらをイメージしながら学習を進めて欲しい。
レポート提出の締切超過は減点、未提出は0点とする。また、他者のコピーとみなしたレポートは、オリジナル,コピーを問わず、共に減点する。
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが 、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
点電荷とクーロンの法則 |
点電荷とクーロンの法則及び重ねの理について理解する。
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2週 |
電界,電気力線 |
電界の定義と電気力線の概念を理解する。
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3週 |
電界と電位1 |
電位及び電位差の定義を理解する。
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4週 |
電界と電位2 |
電界と電位差の関係式(積分形)を理解する。
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5週 |
等電位面と電気力線 |
等電位面の概念と、電気力線との関係を理解し、図示することができる。
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6週 |
ガウスの定理1 |
ガウスの定理(積分形)を理解する。対称性の高い電荷分布に適用し、解析的に解く方法を習得する。
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7週 |
ガウスの定理2 |
対称性の高い電荷分布にガウスの定理の積分形を適用し、解析的に解く方法を習得する。さらに、電界と電位差の関係式の積分形から電位分布を求める方法を習得する。
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8週 |
ガウスの定理3 |
ガウスの定理のの積分形及び電界と電位の関係式の積分形から、電荷分布と電界,電位(差)の関係を理解する。
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2ndQ |
9週 |
静電誘導,静電しゃへい |
導体の性質を理解する。
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10週 |
電界と電位3(微分形) |
電界と電位差の関係式の微分形を理解する。
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11週 |
ガウスの定理4(微分形) |
ガウスの定理の微分形を理解する。微分形で、電位分布と電界及び電荷分布の関係を理解する。
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12週 |
ポアソン及びラプラスの式 |
ポアソン及びラプラスの式を導出する。静電界を微分形で解く方法を習得する。
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13週 |
静電容量 |
平行平板電極,同心導体球電極及び同軸円筒電極間の静電容量を求めることができる。
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14週 |
誘電体:比誘電率 |
電極間に誘電体が挿入されたときに静電容量がどうなるかを説明することができる。
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15週 |
まとめ |
課題の提示と総まとめレポートの作成
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16週 |
期末総まとめレポートの解説 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。 | 4 | 前7,前8 |
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 4 | 前7,前8 |
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。 | 4 | 前1 |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 4 | 前11,前12 |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 4 | 前11,前12 |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 4 | 前11,前12 |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。 | 4 | 前7,前8 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 4 | 前3,前6,前7,前8 |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 4 | 前7,前8 |
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。 | 4 | 前10,前11,前12 |
自然科学 | 物理 | 電気 | 電場・電位について説明できる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前10,前14 |
クーロンの法則が説明できる。 | 4 | 前1,前14 |
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。 | 4 | 前1,前14 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 4 | 前1,前14 |
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前10,前14 |
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。 | 4 | 前6,前7,前8,前11,前12 |
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。 | 4 | 前13,前14 |