物理学ⅡA

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理学ⅡA
科目番号 0118 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子システム工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 原康夫著「物理学基礎(第5版)」学術図書出版社、2016年
担当教員 林 豊彦,和久井 直樹

到達目標

(科目コード:21111, 英語名:Physics ⅡA)
この科目は長岡高専の学習・教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①波動現象を理解し、方程式を解いて基本的性質式で解析できる。25%(c1)
②光の性質を理解し、反射・屈折・回折・干渉を説明できる。 25%(c1)
③熱や温度の基本を理解し、状態方程式を応用できる。25%(c1)
④熱力学の第1法則と第2法則を理解し、熱現象に応用できる。 25%(c1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1波動現象を詳細に理解し、波動方程式を解析できる。波動現象を理解し、波動方程式を解析できる。波動現象をおおむね理解できる。左記に達していない。
評価項目2光の性質を詳細に理解し、反射・屈折・回折・干渉を論理的に説明できる。光の性質を理解し、反射・屈折・回折・干渉を説明できる。光の性質をおおむね理解できる。左記に達していない。
評価項目3熱や温度の基本を詳細に理解し、状態方程式に応用できる。熱や温度の基本を理解し、状態方程式に応用できる。熱や温度の基本をおおむね理解できる。左記に達していない。
評価項目4熱力学の第1法則、第2法則を詳細に理解し、熱現象に応用できる。熱力学の第1法則、第2法則を理解し、熱現象に応用できる。熱力学の第1法則、第2法則をおおむね理解できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物理学は、工学で用いられる諸法則の基礎的な概念を与えてくれる。授業では、物理現象の基本的な捉え方を理解し、「法則の概念」を数理モデルとして理解することを重視する。工学分野への応用では、数理モデルを用いた微分方程式の導出とその解法が欠かせない。具体的な数値例を求めて現象を把握することも重要である。物理学は見かけ上難解だが、多くの知識を得るよりも、物理現象の基礎的な捉え方を正しく理解する方が重要である。
○関連する科目:物理学IA・IB(前年度履修)、物理学IIB、量子物理(次年度履修、専攻科科目)
授業の進め方・方法:
章末にレポートを課し、内容を理解しているか随時確認する。
注意点:
物理学の学習では、基礎的な概念を正しく理解することが特に重要であり、安易な暗記は禁物である。そのため、日々の復習と予習が理解の早道である。不明な点はなるべく質問して、理解を深めてほしい。本科目は対面授業で実施するが、新型コロナウイルス感染症が拡大した場合、遠隔授業で実施する可能性もある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 第12章:波動
12.1 波の性質
波の性質について理解できる。
2週 12.2 波動方程式と波の速さ 波動方程式、波の速さについて理解できる。
3週 12.3 波の重ね合わせの原理と干渉
12.4 波の反射と屈折
波の重ね合わせ、干渉、反射、屈折について理解できる。
4週 12.5 定在波 定在波について理解できる。
5週 12.6 音波
12.7 群速度、うなり
音波、群速度、うなりについて理解できる。
6週 第13章:光 光の反射、屈折について理解できる。
7週 13.2 光の回折と干渉 光の回折と干渉について理解できる。
8週 中間試験 第12章・第13章の内容について試験を行う。
2ndQ
9週 第14章:熱
14.1 熱と温度
14.2 熱の移動
熱と温度、熱の移動について理解できる。
10週 14.3 気体の分子運動論 気体の分子運動論について理解できる。
11週 14.4 ファン・デル・ワールスの状態方程式 ファン・デル・ワールスの状態方程式について理解できる
12週 第15章:熱力学
15.1 熱力学の第1法則
熱力学の第1法則について理解できる。
13週 15.2 理想気体のモル熱容量
15.3 熱力学の第2法則
理想気体のモル熱容量、熱力学の第2法則について理解できる。
14週 15.4 熱機関とその効率 熱機関とその効率について理解できる。
15週 15.5 エントロピー増大の原理 エントロピー増大の原理について理解できる。
16週 期末試験
17週:発展授業
第14章・第15章の内容について試験を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3

評価割合

レポート中間試験期末試験合計
総合評価割合303535100
基礎的能力10101030
専門的能力20252570
分野横断的能力0000