概要:
物理学は、工学で用いられる諸法則の基礎的な概念を与えてくれる。授業では、物理現象の基本的な捉え方を理解し、「法則の概念」を数理モデルとして理解することを重視する。工学分野への応用では、数理モデルを用いた微分方程式の導出とその解法が欠かせない。具体的な数値例を求めて現象を把握することも重要である。物理学は見かけ上難解だが、多くの知識を得るよりも、物理現象の基礎的な捉え方を正しく理解する方が重要である。
○関連する科目:物理学IA・IB(前年度履修)、物理学IIB、量子物理(次年度履修、専攻科科目)
授業の進め方・方法:
章末にレポートを課し、内容を理解しているか随時確認する。
注意点:
物理学の学習では、基礎的な概念を正しく理解することが特に重要であり、安易な暗記は禁物である。そのため、日々の復習と予習が理解の早道である。不明な点はなるべく質問して、理解を深めてほしい。本科目は対面授業で実施するが、新型コロナウイルス感染症が拡大した場合、遠隔授業で実施する可能性もある。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | |
波動 | 波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。 | 3 | |
横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
波の重ね合わせの原理について説明できる。 | 3 | |
波の独立性について説明できる。 | 3 | |
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。 | 3 | |
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。 | 3 | |
ホイヘンスの原理について説明できる。 | 3 | |
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。 | 3 | |
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。 | 3 | |
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。 | 3 | |
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。 | 3 | |
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。 | 3 | |
自然光と偏光の違いについて説明できる。 | 3 | |
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。 | 3 | |
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。 | 3 | |