電子制御工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子制御工学実験Ⅰ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電子制御工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 わかりやすい電気基礎,高橋寛,コロナ社,2003/ プリント
担当教員 高橋 章,永井 睦

到達目標

(科目コード:31015、英語名:Experiments in Electronic Control Engineering I )
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①電流、電圧の意味、抵抗を使った直並列回路の考え方を理解する。 25% (d1)、②抵抗の材質と抵抗率、ジュール熱、電力と電力量の関係を理解する。 17% (d1)、③正弦波交流の性質を理解する。 8% (d1)、④実験手順書に従って、実験装置を正確に組み立てる技術を習得する。 10% (d2)、⑤電子工具の使い方を習得し、適切にハンダ付けする技術を習得する。 10% (d3)、⑥電圧計、電流計、オシロスコープ等の計測器の使い方を習得する。 10% (d2)、⑦実験結果をまとめ、報告書を作成する能力を身につける。 20% (d4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電流、電圧の意味、抵抗を使った直並列回路の考え方を詳細に理解する.電流、電圧の意味、抵抗を使った直並列回路の考え方を理解する.電流、電圧の意味、抵抗を使った直並列回路の考え方を概ね理解する.左記に達していない。
評価項目2抵抗の材質と抵抗率、ジュール熱、電力と電力量の関係を詳細に理解する.抵抗の材質と抵抗率、ジュール熱、電力と電力量の関係を理解する.抵抗の材質と抵抗率、ジュール熱、電力と電力量の関係を概ね理解する.左記に達していない。
評価項目3正弦波交流の性質を詳細に理解する.正弦波交流の性質を理解する.正弦波交流の性質を概ね理解する.左記に達していない。
評価項目4実験手順書に従って、実験装置を正確に組み立てる技術を詳細に習得する。実験手順書に従って、実験装置を正確に組み立てる技術を習得する。実験手順書に従って、実験装置を正確に組み立てる技術を概ね習得する。左記に達していない。
評価項目5電子工具の使い方を詳細に習得し、適切にハンダ付けする技術を詳細に習得する。電子工具の使い方を習得し、適切にハンダ付けする技術を習得する。電子工具の使い方を概ね習得し、適切にハンダ付けする技術を概ね習得する。左記に達していない。
評価項目6電圧計、電流計、オシロスコープ等の計測器の使い方を詳細に習得する。電圧計、電流計、オシロスコープ等の計測器の使い方を習得する。電圧計、電流計、オシロスコープ等の計測器の使い方を概ね習得する。左記に達していない。
評価項目7実験結果をまとめ、報告書を作成する能力を詳細に報身につける。実験結果をまとめ、報告書を作成する能力を身につける。実験結果をまとめ、報告書を作成する能力を概ね身につける。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電子制御工学で学ぶ内容は抽象的な事項が多く、本質的な意味や相互の関連性に関して理解し難いものが多い。これを具体的に認識して理解するには、実験によってその現象を確かめ、理論と比較し、考察する能力が必要となる。このため、前期・前半及び、後期・前半では座学によって基礎的な現象に関する理論を学習するとともに、基礎学力の向上をねらった演習問題を行う。前期・後半及び、後期・後半では実験のための基礎技術を習得しながら実験によってその現象を確認する。理論と実験結果を比較・考察する能力を身につけると共に、実験方法や報告書の作成能力を養う。
 ○関連する科目:電子制御工学実験Ⅱ(次年度履修)
授業の進め方・方法:
前期、後期とも、中間試験までは講義であり、後半は実験である。講義では、主に、テキストに沿って学習し、適宜、補足説明を加えていく。また、演習問題を解くことで、基礎的内容を習得していく。実験では、小グループに分かれて基礎実験を行い、レポートを提出させている。
注意点:
知識と能力をフルに活用し、座学・演習に取り組むこと。また、自主的かつ能率的に実験を行うこと。実験では、テーマごとに報告書を各自で作成することとなる。提出期限を守らなかった場合は大きく減点されるので、十分注意すること。
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウィルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子と電流  演習問題 電子と電流について理解する。演習問題が解けるようになる。
2週 電位、電圧、起電力  演習問題 電位、電圧、起電力について理解する。演習問題が解けるようになる。
3週 オームの法則、並列回路  演習問題 オームの法則、並列回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
4週 直列回路、直並列回路  演習問題 直列回路、直並列回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
5週 応用回路(1)  演習問題 直並列回路の応用回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
6週 応用回路(2)  演習問題 直並列回路の応用回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
7週 応用回路(3)  演習問題 直並列回路の応用回路について理解する。演習問題が解けるようになる。
8週 ここまでのまとめ 直並列回路の性質について理解する。
2ndQ
9週 電気部品の接続(1) 電気部品の接続について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
10週 電気部品の接続(2) 電気部品の接続について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
11週 デジタルマルチメータ(1) デジタルマルチメータについて理解し、実験が行える。レポートが書ける。
12週 デジタルマルチメータ(2) デジタルマルチメータについて理解し、実験が行える。レポートが書ける。
13週 電気抵抗の測定と接続 電気抵抗の測定と接続について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
14週 オームの法則の実験 オームの法則について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
15週 まとめ 全体のまとめを行う。
16週
後期
3rdQ
1週 抵抗の性質  演習問題 抵抗の性質について理解する。演習問題が解けるようになる。  
2週 抵抗器とカラーコード  演習問題 抵抗器とカラーコードについて理解する。演習問題が解けるようになる。
3週 ジュールの法則  演習問題 ジュールの法則について理解する。演習問題が解けるようになる。
4週 電力と電力量  演習問題 電力と電力量について理解する。演習問題が解けるようになる。
5週 正弦波交流の性質(1)  演習問題 正弦波交流の性質について理解する。演習問題が解けるようになる。
6週 正弦波交流の性質(2)  演習問題 正弦波交流の性質について理解する。演習問題が解けるようになる。
7週 正弦波交流の性質(3)  演習問題 正弦波交流の性質について理解する。演習問題が解けるようになる。
8週 ここまでのまとめ 抵抗、電力および正弦波交流の性質について理解する。
4thQ
9週 ホイートストンブリッジ ホイートストンブリッジについて理解し、実験が行える。レポートが書ける。
10週 LEDの点灯実験と光の三原色 LEDの点灯実験と光の三原色
11週 電圧計の測定範囲の拡大(倍率器) 電圧計の測定範囲の拡大(倍率器)について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
12週 キルヒホッフの法則の実験 キルヒホッフの法則について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
13週 重ね合わせの理の実験 重ね合わせの理について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
14週 オシロスコープによる波形の観測と電圧値の測定 オシロスコープによる波形の観測と電圧値の測定について理解し、実験が行える。レポートが書ける。
15週 まとめ 全体のまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3後3,後4,後7,後8,後15
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後3,後4,後7,後8
電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前1,前2,前3,前7,前8,後7,後8
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前3,前4,前7,前8
ジュール熱や電力を求めることができる。3後3,後4,後7,後8
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
化学実験化学実験レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図部品のスケッチ図を書くことができる。1前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
計測制御計測の定義と種類を説明できる。1前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。1前1,前2,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。1前1,前2,前7,前8
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。1前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。1前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。1前9,前10,前11,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。1前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3後14
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後14,後15
キルヒホッフの法則を適用し、実験結果を考察できる。4前4,前5,前6,後9,後12
分流・分圧の関係を適用し、実験結果を考察できる。4前4,前5,前6,前14,後9,後11
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4前4,前5,前6,後9
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4前4,前5,前6,後9,後13

評価割合

試験(前期中間)実験(前期)試験(後期中間)実験(後期)合計
総合評価割合25252525100
基礎的能力1213131250
専門的能力1312121350
分野横断的能力00000