熱力学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱力学
科目番号 0097 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 中島 健「やさしく学べる工業熱力学」(森北出版)/JSMEテキストシリーズ 熱力学(日本機械学会)丸善発行
担当教員 山田 隆一

到達目標

(科目コード:31676,英語名:Fundamentals of Thermodynamics)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標の関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育到達目標との関連の順で次に示す。
①熱力学の第一、第二法則を理解し、身につける。20% (d1)
②理想気体の性質と状態変化を理解し、身につける。20% (d1)
③カルノーサイクルと熱効率を理解し、身につける。20% (d1)
④有効エネルギと仕事の関係を理解し、身につける。20% (d1)
⑤熱機関システムを理解し、身につける。20% (d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学の第一、第二法則を理解し、説明できる。熱力学の第一、第二法則を理解している。熱力学の第一、第二法則を概ね理解している。熱力学の第一、第二法則を理解していない。
評価項目2理想気体の性質と状態変化を理解し、説明できる。理想気体の性質と状態変化を理解している。理想気体の性質と状態変化を概ね理解している。理想気体の性質と状態変化を理解していない。
評価項目3カルノーサイクルと熱効率を理解し、説明できる。カルノーサイクルと熱効率を理解している。カルノーサイクルと熱効率を概ね理解している。カルノーサイクルと熱効率を理解していない。
評価項目4有効エネルギと仕事の関係を理解し、説明できる。有効エネルギと仕事の関係を理解している。有効エネルギと仕事の関係を概ね理解している。有効エネルギと仕事の関係を理解していない。
評価項目5熱機関システムを理解し、説明できる。熱機関システムを理解している。熱機関システムを概ね理解している。熱機関システムを理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基礎物理としての熱力学を学ぶ。それにより、自然現象を考える力と、その結果の妥当性を検討できる力を身につける。また、熱エネルギ変換の基礎原理を理解する。
○関連する科目:機械力学Ⅱ(前期履修)
授業の進め方・方法:
座学である。
注意点:
熱力学の問題は難しそうに思えるかもしれない。しかし、熱力学も、実は、身近な日常生活の中で、誰もが体験できる自然現象である。体験できる自然現象と関連付けて学習して欲しい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 基本用語と物理量
2週 熱力学の第一法則① 閉じた系と開いた系を理解する
3週 熱力学の第一法則② 内部エネルギとエンタルピを理解する
4週 理想気体① 理想気体の状態式と状態変化を理解する
5週 理想気体② 混合気体の性質について理解する
6週 熱力学の第二法則① 可逆サイクルと不可逆サイクルについて理解する
7週 熱力学の第二法則② エントロピとクラウジウスの積分について理解する
8週 中間試験
4thQ
9週 熱力学の第二法則③ カルノーサイクルと効率を理解する
10週 有効エネルギ① 有効エネルギと仕事の関係を理解する
11週 有効エネルギ② 有効エネルギの計算を理解する
12週 ガスサイクル 各種ガスサイクルについて理解する
13週 蒸気動力サイクル ランキンサイクルについて理解する
14週 冷凍サイクル 各種冷凍サイクルについて理解する
15週 ここまでのまとめ
16週 期末試験
17週:期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。3後1
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。3後1
熱力学の第一法則を説明できる。3後2,後3
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。3後2,後3
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。3後2,後3
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。3後4,後5
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。3後4,後5
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。3後4,後5
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。3後4,後5
熱力学の第二法則を説明できる。3後6,後7,後9
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。3後6,後7,後9
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。3後6,後7,後9
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。3後6,後7,後9
サイクルをT-s線図で表現できる。3後6,後7,後9

評価割合

中間試験期末試験演習合計
総合評価割合404020100
基礎的能力55515
専門的能力30301575
分野横断的能力55010