到達目標
(科目コード:31392,英語名:Linear Control Engineering)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育到達目標との関連の順で次に示す。
①システムを状態方程式で記述できる。25%(d1)、
②システムの固有値と時間応答の関係を説明できる。25%(d1)、
③システムの可制御性、可観測性を判別できる。25%(d1)、
④極配置に基づく状態フィードバック制御を導出できる。25%(d1)
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
システムを状態方程式で記述できる | 対象とするシステムの振る舞いを表す微分方程式を導出し、状態方程式を記述できる。 | 対象とするシステムの振る舞いを表す微分方程式から、状態方程式を記述できる。 | 対象とするシステムの振る舞いを表す微分方程式から、状態方程式を概ね記述できる。 | 左記のレベルに達していない。 |
システムの固有値と時間応答の関係を説明できる | 実システムを対象とした時の理想的な固有値と時間応答の関係を説明できる。 | システムの固有値と時間応答の関係を説明できる。 | システムの固有値と時間応答の関係を概ね説明できる。 | 左記のレベルに達していない。 |
システムの可制御性、可観測性を判別できる | 対象とするシステムに対して可制御性行列、可観測性行列を求め、可制御性、可観測性を判別できる。 | 対象とするシステムの可制御性行列、可観測性行列から可制御性、可観測性を判別できる。 | 対象とするシステムの可制御性行列、可観測性行列から可制御性、可観測性を概ね判別できる。 | 左記のレベルに達していない。 |
極配置に基づく状態フィードバック制御を導出できる | 極配置以外の方法として可制御正準系を利用した方法に基づく状態フィードバック制御を導出できる。 | 極配置に基づく状態フィードバック制御を導出できる。 | 極配置に基づく状態フィードバック制御を概ね導出できる。 | 左記のレベルに達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
状態方程式を用いて時間領域で解析・設計が可能な現代制御理論の基礎を学ぶ。システムの内部の状態や構造に立ち入った解析・設計手法について学ぶ。
授業の進め方・方法:
各週の授業構成は次の通りである。(1)前回の確認小テスト、(2)基本定理等重要事項の概説、(3)例題演習、(4)確認演習。学修単位科目であることから、事前・事後学習としてレポート課題や確認テストを実施するので、授業外の主体的な学習時間を確保することに注意する。
注意点:
講義で学ぶ抽象的な理論を,各自の様々な経験や身近な体験を通して説明できるように理解を深めることが重要である.なお,本科目は本来,面接授業として実施を予定していたものであるが,新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において,必要に応じ遠隔授業として実施するものである.
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
古典制御理論と現代制御理論 |
古典制御理論と現代制御理論の違いを説明できる
|
2週 |
状態空間モデルとは? |
現代制御理論で用いる状態空間モデルについて説明できる。
|
3週 |
状態方程式によるシステムの記述 |
対象とするシステムの振る舞いを表す微分方程式から、状態方程式を記述できる。
|
4週 |
線形代数(行列、行列式) |
現代制御理論で用いる行列、行列式が計算できる。
|
5週 |
線形代数(固有値、固有ベクトル) |
現代制御理論で用いる固有値、固有ベクトルが計算できる。
|
6週 |
システムの応答と安定性(状態遷移行列) |
対象とするシステムの時間応答を、状態遷移行列を用いて求めることができる。
|
7週 |
システムの応答と安定性(固有値の位置と応答の関係) |
対象とするシステムの時間応答を、固有値の位置との関係から説明できる。
|
8週 |
状態空間モデルの座標変換 |
線形代数の知識を用いて、対象とするシステムの状態空間モデルの座標変換が行える。
|
2ndQ |
9週 |
状態空間モデルの対角正準系への変換 |
座標変換により対象とするシステムの状態空間モデルを対角正準系に変換でき、固有値、固有ベクトルと時間応答の関係を説明できる。
|
10週 |
可制御性とその条件 |
可制御性行列を説明でき、与えられた可制御性行列から可制御性を判別できる。
|
11週 |
可観測性とその条件 |
可観測性行列を説明でき、与えられた可観測性行列から可観測性を判別できる。
|
12週 |
双対性の定理 |
双対性の定理を用いて、可制御性と可観測性の関係性を説明できる。
|
13週 |
極配置法(直接法による極配置) |
直接法を用いて、対象とするシステムの極を所望の位置に配置するような状態フィードバックゲインを導出できる。
|
14週 |
極配置法(可制御正準系による極配置) |
可制御正準系を用いて、対象とするシステムの極を所望の位置に配置するような状態フィードバックゲインを導出できる。
|
15週 |
極配置法(演習問題) |
直説法、または可制御正準系を用いて、対象とするシステムの極を所望の位置に配置するような状態フィードバックゲインを導出できる。
|
16週 |
期末試験 17週:試験解説・発展授業 |
試験時間:80分
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 自動制御の定義と種類を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前16 |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16 |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 4 | 前6,前7,前9,前13,前14,前15,前16 |
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。 | 4 | 前9,前16 |
電気・電子系分野 | 制御 | フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | 前9,前16 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 確認小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 80 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 80 | 80 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 20 | 0 | 0 | 20 |