科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 化学
科目番号 0041 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新版化学,井口洋夫他著(実教出版)/ニューグローバル化学基礎+化学(東京書籍),フォトサイエンス化学図録(数研出版)
担当教員 戸田 智之

到達目標

(科目コード:10200, 英語名: Chemistry)
この科目は、長岡高専の教育目標の(A)と主体的に関わる100%(a2)。
この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育到達目標との関連の順で次に示す。
① 物質の三態と気体の性質を理解する。
② 化学反応によるエネルギーについて理解する。
③ 化学平衡の考え方と平衡移動の原理について理解する。
④ 有機化合物の基本的構造、官能基の構造に基づく諸性質を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ボイル・シャルルの法則と理想気 体の状態方程式を詳細に理解し、関連する計算問題を正しく解くことができる。ボイル・シャルルの法則と理想気 体の状態方程式を理解し、これら を応用した混合気体の分圧の法則 を理解する。ボイル・シャルルの法則と理想気 体の状態方程式を理解し、これら を応用した混合気体の分圧の法則 を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目2熱化学方程式を正しく導くことができ、ヘスの法則を用いて反応熱を導出することができる。熱化学方程式を導き、ヘスの法則を用いて反応熱を導く手順を理解している。熱化学方程式やヘスの法則をを概ね理解している。左記に達していない。
評価項目3化学反応の速度や化学平衡の考え方を詳細に理解し、化学平衡の法則を利用して計算問題を解くことができる。化学反応の速度や化学平衡の考え方を理解し、化学平衡の法則を利用して計算問題を解くことができる。化学反応の速度や化学平衡の考え方を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目4有機化合物の官能基の構造とその特性を詳細に理解している。有機化合物の官能基の構造とその特性を理解している。有機化合物の官能基の構造とその特性を概ね理解している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1学年での既習内容に基づき、状態変化と気体の性質、化学平衡の概念を通した反応メカニズムを学ぶ。また、有機化合物に関しての理解を深める。
授業の進め方・方法:
教科書の内容に沿って学習する。前期の学習は必要に応じて1年次からの「化学基礎」のテキストも活用する。必要に応じて小テストを実施し、理解の程度を確認していく。
注意点:
有機化学分野は単なる暗記にとどまらず、命名法、官能基による反応特性や化学構造に関して体系的にとらえることが重要となる。授業では内容の理解を深めるために、補助教材を必携し、家庭学習においてもそれらを活用して欲しい。
本科目は本来、面接授業として 実施を予定していたもの であるが 、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として 実施 するものである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・気体の性質1 (ボイルの法則・シャルルの法則・ボイル シャルルの法則)化学 pp.20-22(プリント化学 1章2節1) ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。
2週 気体の性質2(ボイル シャルルの法則・気体の状態方程式)
pp.23-25(プリント 化学 1章2節1, 1章2節2)
ボイル-シャルルの法則をもとに気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。
3週 気体の性質3(混合気体・理想気体と実在気体)
pp.26-29(プリント 化学 1章2節2)
理想気体と実在気体の違いを理解する。
4週 化学反応と熱エネルギー1
pp.66-69(プリント 化学 2章1節1,2)
化学反応に伴う反応熱の種類と熱化学方程式を用いた表し方を理解する。
5週 化学反応と熱エネルギー2
pp.69-70(プリント 化学 2章1節1,2)
化学反応に伴う反応熱の種類と熱化学方程式を用いた表し方を理解する。
6週 ヘスの法則・生成熱と反応熱
pp.71-74(プリント 化学 2章1節2)
ヘスの法則を理解し、それを応用してして反応熱算出することができる。
7週 結合エネルギーpp.71-74(プリント 化学 2章1節2)
化学反応と光エネルギーpp.76-78(プリント 化学 2章1節3)
結合エネルギーを利用して反応熱を求めることができる。
光とエネルギーについて理解する。
8週 1~7週の問題演習 化学 p.30, 75の練習問題を利用して1~7週の理解をチェックする。
2ndQ
9週 反応の速さ・反応速度を変える条件
pp.92-98(プリント 化学 2章3節1, 2章3節2)
化学反応の速さの表し方とそれに影響する因子を知る。
10週 反応のしくみ
pp.99-101(プリント 化学 2章3節3)
化学反応に伴う活性化状態について理解し、触媒の作用について理解する。
11週 化学平衡・化学平衡の法則
pp.102-105(プリント 化学 2章4節1)
化学平衡の状態について理解する。平衡定数の表し方をとらえる。
12週 化学平衡の移動・電離平衡1
pp.106-109(プリント 化学 2章4節2),pp.112 -117(プリント 化学 2章4節3-1)
平衡移動の原理について理解する。弱酸における電離平衡の考え方を理解する。
13週 電離平衡2
pp.112-117(プリント 化学 2章4節3-1)
弱塩基の電離平衡やpHの求め方を理解する。
14週 塩の加水分解・溶解平衡
pp.119-123(プリント 化学 2章4節3-2)
塩の加水分解や緩衝液について理解する。
15週 前期のまとめ 化学 p.110, 118を利用して前期9-14週の学習内容の理解をチェックする。
16週
後期
3rdQ
1週 有機化合物の特徴と分類 有機化合物の特徴、官能基の種類について理解する。
2週 炭化水素1(アルカン) アルカンの種類、反応性を理解する
3週 炭化水素2(構造異性体) アルカンの構造異性体について理解する。
4週 炭化水素(アルケン・アルキン) アルケン・アルキンとその特性を理解する。
5週 アルコールとエーテル アルコールとエーテルとその特性を理解する。
6週 アルデヒドとケトン アルデヒドとケトンとその特性を理解する。
7週 1-7週のまとめ
8週 中間試験
4thQ
9週 試験返却・解説
10週 カルボン酸 カルボン酸とその特性を理解する。
11週 エステル エステルとその特性と油脂のけん化により生じる石けんの特性を理解する。
12週 有機化合物の構造式の決定 組成式、分子式、官能基のもつ特性を総合して有機化合物の構造式を導くことができる。
13週 芳香族化合物 芳香族化合物とその特性を理解する。
14週 高分子化合物 合繊樹脂・繊維・ゴムなど高分子化合物の特性を理解する。
15週 後期のまとめ 後期学習内容の振り返り
16週 後期末試験
17週:試験返却・解説と発展授業

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。3
物質が原子からできていることを説明できる。3
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。3
純物質と混合物の区別が説明できる。3
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。3
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。3
水の状態変化が説明できる。3前1
物質の三態とその状態変化を説明できる。3前1,前4
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前1,前2
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前2,前3
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。3
同位体について説明できる。3
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。3
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。3
価電子の働きについて説明できる。3
原子のイオン化について説明できる。3
代表的なイオンを化学式で表すことができる。3
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。3
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。3
イオン式とイオンの名称を説明できる。3
イオン結合について説明できる。3
イオン結合性物質の性質を説明できる。3
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。3
共有結合について説明できる。3
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。3
金属の性質を説明できる。3
原子の相対質量が説明できる。3
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。3
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。3
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。3
気体の体積と物質量の関係を説明できる。3
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。3
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。3
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。3
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。3
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。3
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。3
酸化還元反応について説明できる。3
イオン化傾向について説明できる。3
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。3
一次電池の種類を説明できる。3
二次電池の種類を説明できる。3
電気分解反応を説明できる。3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3
ファラデーの法則による計算ができる。3
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前11
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前11
測定と測定値の取り扱いができる。3
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合400052035100
基礎的能力400052035100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000