物質工学実験

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物質工学実験
科目番号 0045 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 5
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 5
教科書/教材 実験テキスト配布
担当教員 鈴木 秋弘,小出 学,赤澤 真一

到達目標

(科目コード:41060,英語名:Experiments in Materials Engineering)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。
この科目の到達目標と、長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。
① 実験操作のフローチャートを作成し、スムーズな実験を目指す。収率、純度の計算を理解する20%(d3)。②観察を通して、現象を化学反応式で表現する。実験方法、実験結果、考察をレポートにまとめる20%(d3)。③実験に使用する薬品・実験器具を理解し、溶液の調整法等を習得する20%(d3)。④物性測定の基本的操作方法を理解する20%(d3)。⑤レポート作成法を習得する20%(d3)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実験操作のフローチャートを作成し、スムーズな実験を目指す。収率、純度の計算を詳細に理解している。実験操作のフローチャートを作成し、スムーズな実験を目指す。収率、純度の計算を理解している。実験操作のフローチャートを作成し、スムーズな実験を目指す。収率、純度の計算を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目2観察を通して、現象を化学反応式で表現する。実験方法、実験結果、考察を詳細にレポートにまとることができる。観察を通して、現象を化学反応式で表現する。実験方法、実験結果、考察をレポートにまとめることができる。観察を通して、現象を化学反応式で表現する。実験方法、実験結果、考察をレポートに概ねまとめることができる。左記に達していない。
評価項目3実験に使用する薬品・実験器具を理解し、溶液の調整法等を詳細に習得している。実験に使用する薬品・実験器具を理解し、溶液の調整法等を習得している。実験に使用する薬品・実験器具を理解し、溶液の調整法等を概ね習得している。左記に達していない。
評価項目4物性測定の基本的操作方法を詳細に理解している。物性測定の基本的操作方法を理解している。物性測定の基本的操作方法を概ね理解している。左記に達していない。
評価項目5レポート作成法を詳細に習得している。レポート作成法を習得している。レポート作成法を概ね習得している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「無機化学」化学実験の基本的操作方法や得られたデータの解析法の習得を目指す。実験操作を通じて、物質の取り扱い方や無機化合物の生成法に関する知識を深める。
「有機化学」カフェインなどの身近な物質をはじめ、有機化学で学項目に関連した物質の合成・精製・分析を行なう。レポートの作成・プレゼンテーションの方法についても学ぶ。
「生物化学」各種細胞・微生物を観察し、微生物培養法の基礎実験を行なう。また、代表的な生体成分の検出・定量実験を行なう。
〇関連する科目:物質工学実験(分析)(3学年履修)、材料化学実験(4学年履修)、応用生物化学実験(4学年履修),物質工学実験(物化)(4学年後期履修)、創造実験(4学年後期履修)
授業の進め方・方法:
予めフローチャートを作成し、実験前にチェックを受ける。実験終了後、設定された課題を理解し、レポート作成する。
注意点:
「無機化学」予めフローチャートを確認をうける。
「有機化学」実験前にフローチャートを提出し、チェックを受ける。
「生物化学」細胞や微生物を扱うため、化学実験と異なる危険性があるので、注意が必要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 無機化学 基礎 1 全体説明と注意事項の確認
2週 無機化学 基礎 2 安全倫理と放射線に関する事項
3週 無機化学 基礎 3 測定値とその取扱いについて
4週 無機化学 構造 1 結晶模型による構造解析 1
5週 無機化学 構造 2 結晶模型による構造解析 2
6週 無機化学 構造 3 剛体球を用いた空間充填
7週 無機化学 化学反応 1 実験器具の配布と取扱説明
8週 無機化学 化学反応 2 亜鉛から硫酸亜鉛
2ndQ
9週 無機化学 化学反応 3 アルミニウムからミョウバンの作製
10週 無機化学 化学反応 4 ヨウ化カリウムの作製
11週 無機化学 化学反応 5 顔料の製造
12週 無機化学 呈色反応 1 硫酸チタンの呈色反応
13週 無機化学 呈色反応 2 トリスオキサラト鉄(Ⅲ)酸カリウムの合成
14週 無機化学 呈色反応 3 トリスオキサラト鉄(Ⅲ)酸カリウムの青写真への応用
15週 無機化学 全体説明 1 器具返却と全体説明
16週 無機化学 全体説明 2 レポートに関する説明
後期
3rdQ
1週 生物化学 1 ガイダンス、微生物培養地の作製
2週 生物化学 2 ガイダンス、微生物培養地の作製
3週 生物化学 3 細胞成分の検出
4週 生物化学 4 微生物の培養
5週 生物化学 5 様々な微生物の観察、DNAの抽出と検出
6週 有機化学 1 有機化学ガイダンス、器具配布
7週 有機化学 2 カフェインの抽出
8週 有機化学 3 臭化ブチルの合成
4thQ
9週 有機化学 4 ニトロ化、還元(アニリン)、アゾ染料の合成
10週 有機化学 5 アセトアニリドの合成
11週 有機化学 6 アジピン酸の合成
12週 有機化学 7 ナイロン6,6の合成、プレゼン説明
13週 有機化学 8 実験発表(プレゼンテーション)
14週 有機化学 9 有機化学テスト
15週 有機化学 10 実験テストの解説
16週 全体まとめ 有機化学、生物化学まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3前1,前2,後6,後14,後15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3前1,前2,後6,後14,後15
測定と測定値の取り扱いができる。3前3,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3前3,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3前3,前16,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15,後16
ガラス器具の取り扱いができる。3前7,前15,後7,後8,後9,後10,後11,後12
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3前7,前15,後7,後8,後9,後10,後11,後12
試薬の調製ができる。3前7,前15,後7,後8,後9,後10,後11,後12
代表的な気体発生の実験ができる。3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3前8,前9,前10,前11,前12
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4前4,前5,前6
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4前9,前13,前14
錯体の命名法の基本を説明できる。4前9,前13,前14
配位数と構造について説明できる。4前9,前13,前14
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4前9,前13,前14
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前8,前9,前10
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4後7,後8,後10,後11
蒸留による精製ができる。4後7,後8
吸引ろ過ができる。4後7,後8,後9,後10,後11,後12
再結晶による精製ができる。4後7,後10,後11
分液漏斗による抽出ができる。4後7,後8,後10
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4後7
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4後8,後10,後11
収率の計算ができる。4後7,後8,後9,後10,後11,後12
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4
適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4

評価割合

実験操作課題、レポート合計
総合評価割合5050100
基本的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000