有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0081 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 粳間由幸編著 PEL有機化学(実教出版)
担当教員 宮田 真理

到達目標

(科目コード: 41292、英語名: Organic Chemistry Ⅱ)
この科目は長岡高専の教育目標(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。
①有機化合物の種類(分類)、命名法を理解する。10%(d1)、②有機化合物の構造と物理的性質、化学的性質との関係を理解する。10%(d1)、③有機化合物の電子的構造、立体的構造を理解する。20%(d1)、④有機化合物の合成法や反応性(官能基の化学)を理解する。60%(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物の種類(分類)、命名法を詳細に理解する。有機化合物の種類(分類)、命名法を理解する。有機化合物の種類(分類)、命名法を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目2有機化合物の構造と物理的性質、化学的性質との関係を詳細に理解する。有機化合物の構造と物理的性質、化学的性質との関係を理解する。有機化合物の構造と物理的性質、化学的性質との関係を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3有機化合物の電子的構造、立体的構造を詳細に理解する。有機化合物の電子的構造、立体的構造を理解する。有機化合物の電子的構造、立体的構造を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目4有機化合物の合成法や反応性(官能基の化学)を詳細に理解する。有機化合物の合成法や反応性(官能基の化学)を理解する。有機化合物の合成法や反応性(官能基の化学)を概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では、反応機構を通して電子の動きを学び、有機化学と身のまわりの化学物質とのつながりを学習する。
〇関連する科目: 有機化学I (3学年前期後期), 有機化学演習 (3学年後期), 生体物質化学 (専攻科2学年前期) 
授業の進め方・方法:
関連する科目の続きとなる有機化学の章を学習する。物質の性質や反応性について反応機構を通して電子の動きを学びながら習得する。学修単位科目であるため、事前・事後学習としてレポート課題などを実施します。
注意点:
内容の十分な理解には、質問を含めた積極的な授業への参加とこれまでに学んだ化学の復習、日常的な自学自習の態度が必要である。
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業方針と自宅学習(演習)の説明、アルデヒドとケトンの命名法 アルデヒドとケトンの命名法を理解する。
2週 アルデヒドとケトンの構造と性質 アルデヒドとケトンの構造と性質を理解する。
3週 アルデヒドとケトンの合成 アルデヒドとケトンの工業的または実験室的合成法について理解する。
4週 カルボニル基の反応 カルボニル基の反応性を学び、反応を理解する。
5週 カルボン酸命名とその誘導体の構造と性質 カルボン酸の命名法とその誘導体の構造や性質を理解する。
6週 カルボン酸とその誘導体の合成と反応 カルボン酸とその誘導体の合成法と反応を理解する。
7週 酸ハロゲン化物、エステルの合成と反応 酸ハロゲン化物とエステルの合成法と反応を理解する。
8週 カルボン酸無水物の合成と反応 カルボン酸無水物の合成法と反応を理解する。
2ndQ
9週 エノラートのアルキル化 ケト-エノール互変異性やエノラートイオンの反応を理解する。
10週 カルボニル化合物の縮合反応 アルドール反応やクライゼン縮合を理解する。
11週 アミンの命名、構造と性質 アミンの命名法および構造と性質を理解する。
12週 アミンの合成と反応 アミンの合成法と反応を理解する。
13週 ヘテロ環化合物の分類、構造と性質 ヘテロ環化合物の分類ができ、構造と性質を理解する。
14週 芳香族ヘテロ環化合物の反応・まとめ 芳香族ヘテロ環化合物の反応を理解する。
15週 演習とまとめ 有機化学反応について理解を深める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3前16
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4前1,前5,前11,前15
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4前2,前4,前9,前15
共鳴構造について説明できる。4前2,前4,前9,前15
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前2,前4,前5,前9,前11,前13,前15
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4前3,前4,前6,前7,前8,前9,前10,前12,前14,前15
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4前3,前4,前6,前7,前8,前9,前10,前12,前14,前15
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4前15
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4前15

評価割合

課題・小テスト合計
総合評価割合100100
基礎的能力2020
専門的能力8080
分野横断的能力00