到達目標
この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を、到
達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。①酵素タンパク質の構造など酵素の基本を理解する。35%(d1)。②触媒としての性質、反応を理解する。35%(d1)。③酵素の多様性及びその応用例を知る。30%(d1)。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 酵素タンパク質の構造など酵素の基本を詳細に理解する。 | 酵素タンパク質の構造など酵素の基本を理解する。 | 酵素タンパク質の構造など酵素の基本を概ね理解する。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | 触媒としての性質、反応を詳細に理解する。 | 触媒としての性質、反応を理解する。 | 触媒としての性質、反応を概ね理解する。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | 酵素の多様性及びその応用例を詳細に知る。 | 酵素の多様性及びその応用例を知る。 | 酵素の多様性及びその応用例を概ね知る。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
(科目コード:41590,英語名:Biocatalysis)
生体触媒である酵素は生命活動に欠かせない極めて重要なタンパク質であり、優れた触媒能、基質特異性を有する。その特徴を酵素の構造及び作用機構から総合的に理解し、さらに酵素がバイオテクノロジーに果たしている役割について考察する。
○関連する科目:基礎生物工学(2年次履修)、生物化学II(4年次履修)、生物工学(専攻科2年)
授業の進め方・方法:
毎回小テストを実施するため復習をしっかり行う事。
注意点:
上記関連科目の内容を十分理解して受講すること。プリントを綴じるファイルを用意する事。毎授業開始時に小テスト(確認テスト)を行う。また再テストは行わないので十分注意すること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
酵素とは |
酵素学の歴史と、基本を理解する。
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2週 |
酵素の構造 |
酵素の構造(1~4次)を説明出来る。補欠分子族、補酵素、ビタミンを説明出来る。
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3週 |
酵素反応の基本 |
酵素の反応機構について説明出来る。(小テスト1)
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4週 |
酵素の立体構造と触媒作用 |
基質結合部位、触媒部位、フィードバックコントロールなどを説明出来る。(小テスト2)
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5週 |
酵素の分類 |
酵素の分類について説明出来る。(小テスト3)
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6週 |
酵素の安定性と精製法 |
酵素の安定性について理解し、精製手法について理解する。(小テスト4)
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7週 |
酵素活性とは |
酵素活性の表し方について理解し、計算で酵素活性を求める事が出来る。(小テスト5)
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8週 |
中間試験 |
試験時間:50分
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2ndQ |
9週 |
酵素反応速度論1 |
Km,Kcat等を理解し、ミカエリス・メンテンの式を導く事が出来る。
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10週 |
酵素反応速度論2 |
ミカエリス・メンテンの式の意味を理解する。酵素活性の阻害について理解する。(小テスト6)
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11週 |
酵素の合成と調節 |
ナトリウムポンプ、カリウムポンプ等物質輸送の基本と、lacオペロンなどの遺伝子制御機構について理解する。(小テスト7)
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12週 |
酵素と病気 |
カスケード機構、アルコールの代謝、肝機能障害などについて理解する。(小テスト8)
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13週 |
酵素の利用1 |
酵素の工業利用事例について理解する。(小テスト9)
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14週 |
酵素の利用2 |
酵素の工業利用事例について理解する。(小テスト10)
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15週 |
酵素の利用3 |
酵素の工業利用事例について理解する。
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16週 |
期末試験 17週:試験解説と発展授業 |
試験時間:50分
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | 前2 |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | 前2 |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | 前2 |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | 前4 |
生物化学 | 生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | 前2 |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | 前4 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | 前1,前2 |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | 前2 |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | 前4 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | 前6 |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | 前2 |
生物工学 | アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 4 | 前13 |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | 小テスト | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 40 | 10 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 30 | 40 | 10 | 20 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |