生体触媒工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 生体触媒工学
科目番号 0172 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 藤本 大三郎,酵素の科学,裳華房,2007年/補助教材 プリント配布
担当教員 赤澤 真一

到達目標

この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を、到
達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。①酵素タンパク質の構造など酵素の基本を理解する。35%(d1)。②触媒としての性質、反応を理解する。35%(d1)。③酵素の多様性及びその応用例を知る。30%(d1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素タンパク質の構造など酵素の基本を詳細に理解する。酵素タンパク質の構造など酵素の基本を理解する。酵素タンパク質の構造など酵素の基本を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目2触媒としての性質、反応を詳細に理解する。触媒としての性質、反応を理解する。触媒としての性質、反応を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3酵素の多様性及びその応用例を詳細に知る。酵素の多様性及びその応用例を知る。酵素の多様性及びその応用例を概ね知る。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(科目コード:41590,英語名:Biocatalysis)
生体触媒である酵素は生命活動に欠かせない極めて重要なタンパク質であり、優れた触媒能、基質特異性を有する。その特徴を酵素の構造及び作用機構から総合的に理解し、さらに酵素がバイオテクノロジーに果たしている役割について考察する。
 ○関連する科目:基礎生物工学(2年次履修)、生物化学II(4年次履修)、酵素化学(専攻科1年次履修)
授業の進め方・方法:
毎回小テストを実施するため復習をしっかり行う事。。今年度はコロナウイルスによる緊急事態のため、Teamsを活用し、講義を行い、小テスト等も全てTeams上で行う。
注意点:
上記関連科目の内容を十分理解して受講すること。プリントを綴じるファイルを用意する事。毎授業開始時に小テスト(確認テスト)を行う。また再テストは行わないので十分注意すること。

本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。 

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 酵素とは 酵素学の歴史と、基本を理解する。
2週 酵素の構造 酵素の構造(1~4次)を説明出来る。補欠分子族、補酵素、ビタミンを説明出来る。
3週 酵素反応の基本 酵素の反応機構について説明出来る。(小テスト1)
4週 酵素の立体構造と触媒作用 基質結合部位、触媒部位、フィードバックコントロールなどを説明出来る。(小テスト2)
5週 酵素の分類 酵素の分類について説明出来る。(小テスト3)
6週 酵素の安定性と精製法 酵素の安定性について理解し、精製手法について理解する。(小テスト4)
7週 酵素活性とは 酵素活性の表し方について理解し、計算で酵素活性を求める事が出来る。(小テスト5)
8週 Web中間試験 試験時間:50分
2ndQ
9週 酵素反応速度論1 Km,Kcat等を理解し、ミカエリス・メンテンの式を導く事が出来る。
10週 酵素反応速度論2 ミカエリス・メンテンの式の意味を理解する。酵素活性の阻害について理解する。(小テスト6)
11週 酵素の合成と調節 ナトリウムポンプ、カリウムポンプ等物質輸送の基本と、lacオペロンなどの遺伝子制御機構について理解する。(小テスト7)
12週 酵素と病気 カスケード機構、アルコールの代謝、肝機能障害などについて理解する。(小テスト8)
13週 酵素の利用1 酵素の工業利用事例について理解する。(小テスト9)
14週 酵素の利用2 酵素の工業利用事例について理解する。(小テスト10)
15週 Web期末試験 試験時間:50分
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4前2
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4前2
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4前2
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4前4
生物化学生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4前2
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4前4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4前1,前2
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4前1,前2
タンパク質の高次構造について説明できる。4前2
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4前4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4前6
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4前2
生物工学アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4前13
食品加工と微生物の関係について説明できる。4

評価割合

Web中間試験Web期末試験小テストレポート受講確認合計
総合評価割合2025103015100
基礎的能力00001515
専門的能力20251030085
分野横断的能力000000