物性化学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物性化学
科目番号 0003 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 松澤剛雄・高橋清・斉藤幸喜 共著「電子物性」(森北出版)/参考書 「基礎物性化学」(朝倉書店)、「キッテル 固体物理学入門」(丸善)
担当教員 荒木 秀明

到達目標

(科目コード:A2260,英語名:Materials Chemistry)(本科目は第4学期に実施する。週に2回行うので十分注意すること。授業計画の週は回と読替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順に示す。①各種材料における様々な物性についての知見を広げる。10%(D1)、②電子物性を理解する上で必要な量子力学・統計力学の基礎を理解する。30%(D1)、③固体の比熱を古典論と量子論で扱い、それらの取扱い方の本質的な違いを修得するとともに具体的な測定方法についても理解する。30%(D1)、④金属や半導体などの電子状態の概念について理解を深める。30%(D1)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種材料における様々な物性についての知見をいくつか挙げて詳細に説明できる。各種材料における様々な物性についての知見をいくつか挙げて説明できる。各種材料における様々な物性についての知見をいくつか挙げて概ね説明できる。左記に達していない。
評価項目2物性を理解する上で必要な結晶構造の基礎を詳細に理解する。物性を理解する上で必要な結晶構造の基礎を理解する。物性を理解する上で必要な結晶構造の基礎を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3固体の比熱を古典論と量子論で扱い、それらの取扱い方の本質的な違いを詳細に修得するとともに具体的な測定方法についても詳細に理解する。固体の比熱を古典論と量子論で扱い、それらの取扱い方の本質的な違いを修得するとともに具体的な測定方法についても理解する。固体の比熱を古典論と量子論で扱い、それらの取扱い方の本質的な違いを概ね修得するとともに具体的な測定方法についても概ね理解する。左記に達していない。
評価項目4金属や半導体などの電子状態の概念について詳細に理解する。金属や半導体などの電子状態の概念について理解する。金属や半導体などの電子状態の概念について概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
固体物理は、エレクトロニクスの基礎を支える重要な分野であり、電磁気学や量子化学(量子力学)と熱力学・統計力学など広範な分野を基礎としている。物性を理解する上で必要な量子力学や統計力学の基礎に基づいて、電子や原子といったミクロな世界と材料の物性といったマクロな世界とのつながりを理解する。本科目では、物理化学とりわけ固体物性を理解するために必要な基礎として,結晶構造,熱物性,電気的物性を学習する。
○関連する科目:物理化学Ⅱ(本科4学年後期履修)、材料物理化学(本科5学年前期履修)、化学反応論(専攻科2学年後期履修)
授業の進め方・方法:
教科書,プリント資料,スライドを適宜用いて進める。
この授業は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポート課題などを実施します。
注意点:
これまでに学習した数学や物理を復習しておくことが望ましい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 材料物性のおもしろさ 様々な物性(結晶構造,熱的性質,電気的性質,光学的性質等)に関して概観し、理解を広げる。
様々な材料に関する課題
2週 結合と構造1 結晶構造(結晶構造の種類)に関して理解を深める。
結晶構造に関する課題1
3週 結合と構造2 結晶構造(結晶構造の種類)に関して理解を深める。
結晶構造に関する課題2
4週 結合と構造3 結晶構造(X線回折等の基礎と応用)に関して理解を深める。
結晶構造に関する課題2
5週 格子振動と物性1 固体の熱的物性に関して理解深める。
熱物性に関する課題1
6週 格子振動と物性2 固体の熱的物性に関して理解深める。
熱物性に関する課題2
7週 電子状態1 固体中の電子(古典的電動モデルと量子力学基礎)に関して理解を深める。
固体中の電子に関する課題1
8週 電子状態2 固体中の電子(金属,半導体,絶縁体のバンド構造)に関して理解を深める。
固体中の電子に関する課題2
4thQ
9週 電気的性質1 固体の電気的特性(半導体)に関して理解を深める。
固体の電気的性質に関する課題1
10週 電気的性質2 固体の電気的特性(半導体)に関して理解を深める。
固体の電気的性質に関する課題2
11週 電気的性質3 固体の電気的特性(半導体)に関して理解を深める。
固体の電気的性質に関する課題3
12週 様々な物性1 様々な固体の物性(光学的性質と半導体)に関して理解を広げる。
物性に関する課題1
13週 様々な物性2 様々な固体の物性(光学的性質と半導体デバイス応用)に関して理解を広げる。
物性に関する課題2
14週 様々な物性3 様々な固体の物性(超伝導体)に関して理解を広げる。
物性に関する課題3
15週 材料物性についてのまとめ 材料の物性に関する理解を深める。
最新の材料に関する物性に関する課題
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:80分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。5後9,後10,後11

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000