食品栄養学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 食品栄養学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 薗田勝:栄養科学イラストレイティッド生化学(羊土社)
担当教員 菅原 正義

到達目標

0007 Nutrition 本科目は第3学期に実施する。週に2階行うので十分注意すること。授業計画の週は回と読み替えること。この科目は長岡高専の学習・教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と,成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育目標との関連を以下に示す。①栄養素について理解する 20%(D1)、②エネルギー代謝を理解する 50%(D1)、③恒常性維持の機構について理解する 30%(D1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1栄養素の性質について理解する。栄養素の性質について概ね理解する。栄養素の性質について最低限理解する。左記には達しない。
評価項目2エネルギー代謝を理解する。エネルギー代謝を概ね理解する。栄養素の性質について最低限理解する。左記には達しない。
評価項目3恒常性維持の機構について理解する。恒常性維持の機構について概ね理解する。栄養素の性質について最低限理解する。左記には達しない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
食品は栄養素を供給するものであり、健康を支えるものである。食品を食べた後、どのように消化吸収されるか、体内で各栄養素がどのように移動し利用されるか、各栄養素の代謝がどのように制御されているかを知ることは食生活による健康の維持、疾病予防において重要である。今回は栄養科学を学ぶ上で重要な生化学について復習すると共に、動物体内の代謝調節や各代謝間の関連について学ぶ。この科目は企業で機能性食品素材開発研究を担当していた教員が、その経験をいかし、ヒトの食品栄養学について講義形式で授業を行うものである。
関連する科目:食品製造工学(5学年後期開講・選択)
授業の進め方・方法:
通常の講義形式、使用教科書の姉妹版、演習版生化学ノートを使用した自学自習。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として演習版生化学ノートページ指定を実施します。
注意点:
学科3 年で履修した、生物化学の糖質・脂質・窒素代謝が基礎となるので復習して望むべきである。栄養学の正しい知識は、日常生活を健康に営むためにも重要であり、難解にならないような楽しい知識を紹介したい。また、現在食品分野では生理的機能性が注目されているため、本科目ではこれらの生理的機能性を理解して開発や応用できるようになることを目的とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス・1 章:細胞 ヒト細胞・組織・器官の構造について理解する。
2週 2 章:糖質 、3 章:脂質 糖質の性質と脂質の性質を理解する。
3週 4 章:タンパク質、 5 章:酵素 タンパク質の性質と酵素の性質について理解する。
4週 6 章:核酸、 7 章:ビタミン 核酸の性質とビタミンの性質・役割を理解する。
5週 8 章:糖質の代謝 解糖系、TCA回路の詳細を理解する
6週 8 章:糖質の代謝 電子伝達系、ペントースリン酸経路の詳細を理解する。
7週 9 章:脂質の代謝 脂肪を中心とした脂質代謝の詳細を理解する。
8週 10 章:アミノ酸代謝 アミノ酸間のアミノ基転移、脱アミノ反応、アンモニアの解毒について詳細に理解する。
4thQ
9週 11 章:腸内細菌とその働き 腸内細菌とは何か?どのような働きをしているかについて理解する。
10週 12 章:中間代謝 糖、脂質、アミノ酸代謝の相互作用について理解する。
11週 12 章:中間代謝 糖、脂質、アミノ酸代謝の相互作用について理解する。
12週 14 章:遺伝子発現と制御 遺伝子の発現と制御について理解する。
13週 15 章:ホメオスタシス ヒト体内おける恒常性の維持の仕組みを理解する。
14週 15 章:ホメオスタシス ヒト体内おける恒常性の維持の仕組みを理解する。
15週 前期末試験
16週 試験解説と発展的授業

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。5後1
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。5後6
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。5後3
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。5後12
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。5後12
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。5
細胞周期について説明できる。5
分化について説明できる。5
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。5
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。5後1
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。5後3,後13,後14
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。5後1,後13,後14
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。5後13,後14
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。5後2,後3
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。5後3
単糖と多糖の生物機能を説明できる。5後2
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。5後2,後5
グリコシド結合を説明できる。5後2,後5
多糖の例を説明できる。5後2
脂質の機能を複数あげることができる。5後2,後7
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。5後2,後7
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。5後2,後7
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。5後3
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。5後3
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。5後3
タンパク質の高次構造について説明できる。5後3
ヌクレオチドの構造を説明できる。5後4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。5後4
DNAの半保存的複製を説明できる。5
RNAの種類と働きを列記できる。5後4,後12
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。5後12
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。5後3
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。5後3
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。5後3,後4,後6
解糖系の概要を説明できる。5後5
クエン酸回路の概要を説明できる。5後5,後7
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。5後6,後7
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。5後5
各種の光合成色素の働きを説明できる。5
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。5
炭酸固定の過程を説明できる。5

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力5050
専門的能力5050
分野横断的能力00