生物工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 生物工学
科目番号 0014 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自作プリント、参考図書(レーニンジャーの新生化学第6版)
担当教員 河本 絵美

到達目標

(科目コード:A2210、英語名:Bioengineering)(本科目は第1学期に実施する。週に2回行うので十分注意すること。授業計画の週は回と読み替えること)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、成績評価上の重み付け、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を次の順に示す。①生体機能について理解する 40%(D1)、②生物工学の技術について理解する 40%(D1)、③生物工学の応用例について理解する 20%(C2)。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1生体機能について詳細に理解する生体機能について理解する生体機能について概ね理解する左記に達していない
評価項目2生物工学の技術について詳細に理解する生物工学の技術について理解する生物工学の技術について概ね理解する左記に達していない
評価項目3生物工学の応用例について詳細に理解する生物工学の応用例について理解する生物工学の応用例について概ね理解する左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生物工学(バイオテクノロジー)とは、生物の多様で柔軟性に富んだ機能を解明し、人類社会に活用する技術の総称である。本講義では、生体機能とそれらに関わる生物工学技術および応用について概説する。〇関連する科目:基礎生物工学(2年次履修)、生物化学Ⅰ(3年次履修)、生物化学Ⅱ(4年次履修)、生体触媒工学(5年次履修)、細胞工学(後期履修)
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポート課題などを実施する。
注意点:
生物工学の技術が実社会でどのように応用されているのか、また、今後どのように発展していく可能性があるのか、について常に考えながら講義をうけること。
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウィルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 生物工学の基礎:細胞 細胞の構造と機能を理解する
2週 生物工学の基礎:緩衝液 緩衝液の役割について理解する
3週 生物工学の基礎:生体分子 糖・脂質・タンパク質の構造や性質について理解する
4週 生物工学の基礎:代謝 エネルギー代謝について理解する
5週 生物工学の基礎:遺伝子 遺伝子とDNAについて理解する
6週 生物工学の基礎:微生物 微生物のしくみについて理解する
7週 生物工学の技術:タンパク質工学Ⅰ タンパク質工学技術について理解する
8週 生物工学の技術:タンパク質工学Ⅱ タンパク質工学技術について理解する
2ndQ
9週 生物工学の技術:遺伝子工学Ⅱ 遺伝子工学技術について理解する
10週 生物工学の技術:遺伝子工学Ⅱ 遺伝子工学技術について理解する
11週 生物工学の技術:微生物工学 微生物工学技術について理解する
12週 生物工学の技術:酵素工学 酵素工学技術について理解する
13週 安全管理 生物工学実験を行う上での安全管理について理解する
14週 生物工学技術に関する課題 課題
15週 生物工学技術に関する課題 課題
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。5前2
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。5前2
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。5前2
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。5前1,前6
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。5前1
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。5前1
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。5前4,前11,前12
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。5前3,前4,前11,前12
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。5前4,前11,前12
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。5前5,前9,前10
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。5前5,前7,前8,前9,前10
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。5前5,前9,前10
細胞周期について説明できる。5前9,前10
分化について説明できる。5前9,前10
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。5前5,前9,前10
生物化学タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。5前7,前8
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。5前2,前3,前7,前8
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。5前3,前7,前8
タンパク質の高次構造について説明できる。5前3,前7,前8
ヌクレオチドの構造を説明できる。5前5,前9,前10
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。5前5,前9,前10
DNAの半保存的複製を説明できる。5前5,前9,前10
RNAの種類と働きを列記できる。5前5,前9,前10
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。5前5,前9,前10
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。5前4,前11
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。5前4,前11
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。5前4,前11
解糖系の概要を説明できる。5前4,前6,前11
クエン酸回路の概要を説明できる。5前4,前6,前11
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。5前4,前6,前11
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。5前4,前6,前11,前12
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。5前1,前6,前12
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。5前6,前12
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。5前12
微生物の育種方法について説明できる。5前12,前13
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。5前12
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。5前12
食品加工と微生物の関係について説明できる。5前12
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。5前12
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。5前12

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050