応用有機化学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用有機化学
科目番号 0018 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 宮田 真理

到達目標

(科目コード: A2120、英語名: Applied Organic Chemistry)
(本科目は第1学期に実施する。週に2回行うので十分注意すること。授業計画の週は回と読み替えること。)
この科目は長岡高専の教育目標(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を到達目標、評価の重み、学習教育目標との関連の順で示す。
①有機化合物の合成法や反応性を理解する。25%(D1) 、②身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質の関係を理解する。25%(D1) 、③様々な化学結合による分子集合体の形成と発現する優れた機能性を理解する。25%(D1) 、④機能性材料の分子設計について理解する。25%(D1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1有機化合物の合成法や反応性を詳細に理解する。有機化合物の合成法や反応性を理解する。有機化合物の合成法や反応性を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目2身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質の関係を詳細に理解する。身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質の関係を理解する。身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質の関係を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目3様々な化学結合による分子集合体の形成と発現する優れた機能性を詳細に理解する。様々な化学結合による分子集合体の形成と発現する優れた機能性を理解する。様々な化学結合による分子集合体の形成と発現する優れた機能性を概ね理解する。左記に達していない。
評価項目4機能性材料の分子設計について詳細に理解する。機能性材料の分子設計について理解する。機能性材料の分子設計について概ね理解する。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
種々の原子の組み合わせで構築されている有機材料について、分子レベルや分子集合体レベルの基本的性質と発現する機能との関連を理解し、有機材料化学の基礎を習得する。
〇関連する科目:高分子化学 (4学年前期)、生物有機化学 (5学年後期)
授業の進め方・方法:
有機材料化学全般の内容について学習する。通常の講義だけでなく、受講者によるプレゼン講義をしてもらい、そのテーマについて理解を深めてもらう。
注意点:
身のまわりの製品や身近な分子の機能や働きについて興味を持ち、科学的に見ることを学んでほしい。内容の十分な理解には、 積極的な授業への参加とこれまでに学んだ授業内容の復習が必要である。
本科目は本来、面接授業として実施を予定していたものであるが、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態において、必要に応じ遠隔授業として実施するものである。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業方針の説明、高分子・有機材料の特徴と魅力
高分子・有機材料の特徴と魅力について理解する。
2週 身近な低分子化合物の構造と性質、合成法 身近な低分子化合物の構造と性質を学び、合成法を理解する。
3週 身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質 身近な高分子化合物の構造と物理的・化学的性質を理解する。
4週 プレゼンテーション:身近な有機化合物の構造と性質 身近な有機化合物の構造と性質、合成法についてプレゼンができる。
5週 高分子化合物の合成法と反応 高分子化合物の合成法と反応を理解する。
6週 様々な化学結合とその働き 様々な化学結合を理解し、違いを説明できる。
7週 分子集合体の形成と発現する機能性(1) 化学結合による分子集合体の形成と発現する機能性を理解する。
8週 分子集合体の形成と発現する機能性(2) 化学結合による分子集合体の形成と発現する機能性を理解する。
2ndQ
9週 複合有機材料(1) 多くの他分野と複合可能な有機材料の魅力を理解する。
10週 複合有機材料(2) 多くの他分野と複合可能な有機材料の魅力を理解する。
11週 環境配慮型材料 環境配慮型材料について理解する。
12週 プレゼンテーションの準備 機能性材料の設計について理解を深める。
13週 プレゼンテーション:機能性材料 本授業で学んだことを活かして機能性材料についてプレゼンができる。
14週 有機材料化学に関する課題1 有機材料化学に関する問題を解き、理解を深める。
15週 有機材料化学に関する課題2 有機材料化学に関する問題を解き、理解を深める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。4前3,前11,前14,前15
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。4前2,前3,前11,前14,前15
物質が原子からできていることを説明できる。4前1
共有結合について説明できる。4前6
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。4前6
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。5前2,前3
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。5前2,前3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。5前7,前8
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。5前7,前8
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。5前7,前8
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。5前2,前3,前7,前8,前9,前10
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。5前2,前7,前8,前9,前10
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。5前2,前7,前8,前9,前10
高分子化合物がどのようなものか説明できる。5前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14,前15
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。5前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14,前15
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。5前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14,前15
高分子の熱的性質を説明できる。5前3,前5,前7,前8,前9,前10,前14,前15
重合反応について説明できる。5前5
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。5前5
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。5前5
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。5前5
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。5前2,前14,前15
反応機構に基づき、生成物が予測できる。5前2,前14,前15

評価割合

試験課題・プレゼン合計
総合評価割合0100100
基礎的能力000
専門的能力08080
分野横断的能力02020