概要:
物質化学工学科の化学実験を安全に行うための事前準備、態度、知識について学ぶ。また、実験を行う上で必要な試薬の使い方、器具の種類・使用・洗浄法、廃液処理の方法等の基本的な知識や操作を習得する。実験を通して化学の基礎的な知識を習得する。行った実験について実験ノートに記録し、その記録に基づいて作成する実験レポートの基礎的な書き方を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義、実験
注意点:
個人だけでなく、グループとしても安全に実験に参加するよう努めて下さい。また、今後本校でどのように学びたいかを明確にする機会としてください。そのために,各授業に興味を持ち積極的に取り組むこと。
行った実験を目的・原理、実験方法、結果、考察、引用文献を含めた適切なレポートにまとめられるようにすること。
本科目では、50点以上の評価で単位を認定する。評価が50点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を50点とする。また、状況により授業や試験等をオンライン形式で行う等がある。
授業中に他人に危害を加える、授業の妨害を行う、授業を怠けるなど倫理的に著しくはずれた行為をした場合は単位を習得できない。また授業への集中度が著しく低い場合、特別な事由がなく欠席遅刻等があった場合も減点する。レポートに関しては剽窃等技術者として著しい倫理観を逸脱したり、レポート作成の決まりを守られていない場合も大幅な減点となるので注意すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
物質化学工学科と物質化学基礎実験の概要について理解する。 実験室の場所を理解する。
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2週 |
安全教育(1) |
実験を安全に行うために、実験にふさわしい服装、実験を行う上でのルールについて理解する。
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3週 |
安全教育(2) |
実験室にある安全設備、危険を予知する方法(KYT4ラウンド法)を理解する。
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4週 |
物質の密度 |
密度の定義、予習のしかた、実験ノートの使い方、実験レポートの書き⽅を理解する。
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5週 |
固体および液体の密度測定 |
予習に基づいて、固体および液体の密度測定し、実験ノートに記録する。
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6週 |
実験レポートの作成 |
図書館の使い方、実験ノートに記録した内容に基づき、実験レポートを作成する。
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7週 |
ガラス細工I |
ガスバーナーの使用方法、ガラス細工の手法を理解する。
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8週 |
⽔、器具、廃液 |
純水について、ガラス器具の標記、精度、使⽤法(受⽤,出⽤)、洗浄方法、廃液の処理方法を理解する。
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
濃度計算 |
重量パーセント濃度、モル濃度を計算する。
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11週 |
試薬の調製 |
指定された重量パーセント濃度、モル濃度で溶液を調製する。
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12週 |
炎色反応 |
炎色反応実験を通して、ガラス器具の使用方法を復習するとともに、金属化合物、イオン式の書き方を理解する。
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13週 |
溶解度(1) |
溶解度実験を通して、指定された濃度の溶液を調製する。
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14週 |
溶解度(2) |
溶解度実験を通して、物質ごとに溶解度が異なることを理解する。顕微鏡の使用方法、科学スケッチの方法を理解する。
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15週 |
レポート修正・アンケート |
レポート修正・学生による授業点検アンケートを行う。
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16週 |
成績評価と確認 |
成績評価と確認を行う。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
シラバスに基づき,後期の授業の進め方,スケジュール,評価について確認する。次週の実験内容について講義を行う。
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2週 |
イオン |
各種イオンの変⾊反応の実験
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3週 |
酸塩基 |
万能試験紙の作成と身の回りのpH測定
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4週 |
滴定分析 |
食酢中の酢酸濃度測定
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5週 |
レポート |
実験レポートを作成する。
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6週 |
金ナノ粒子 |
金のナノ粒子の合成と特徴の確認
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7週 |
アルコール発酵I |
固定化パン酵母の調製
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8週 |
アルコール発酵II |
発酵実験、微生物の観察、アルコールの検出(ヨードホルム反応)
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
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10週 |
ガラス細工
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手折法,伸ばす(50~100mm程度),端を丸める(熱磨き)
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11週 |
色素と有機化学Ⅰ |
天然色素、アントシアニンの抽出と酸・塩基による変化
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12週 |
色素と有機化学Ⅱ |
色素の吸着および化学繊維の作成
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13週 |
色素と有機化学Ⅲ |
色素の吸着クロマトグラフィによる分離
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14週 |
レポート作成
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実験レポートを作成する。
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15週 |
アンケート |
学生による授業点検アンケートを行う。
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16週 |
成績評価と確認 |
成績評価と確認を行う。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学実験 | 化学実験 | 実験器具(電子天秤やガラス器具など)を目的と精度に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | |
試薬(粉体及び液体)の取扱いができる。 | 3 | |
整理整頓により実験環境を適切に保ち、手順に従って安全に実験ができる。(物理実験と共通) | 3 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷など)を説明できる。 | 3 | |
実験条件やデータなどを正確に記録できる。(物理実験と共通) | 3 | |
実験結果を表やグラフなどに見やすく整理できる。 | 2 | |
適切な有効数字及び単位を用いて物理量を表すことができる。(物理実験と共通) | 2 | |
観察・実験結果を座学などで学んだ内容と関連付けて説明できる。(物理実験と共通) | 2 | |
工学基礎 | 工学実験技術 | 工学実験技術 | 目的に応じて適切な実験手法を選択し、実験手順や実験装置・測定器等の使用方法を理解した上で、安全に実験を行うことができる。 | 2 | |
実験テーマの目的を理解し、適切な手法により取得したデータから近似曲線を求めるなど、グラフや図、表を用いて分かり易く効果的に表現することができる。 | 2 | |
必要に応じて適切な文献や資料を収集し、実験結果について説明でき、定量的・論理的な考察を行い、報告書を作成することができる。 | 2 | |
個人あるいはチームとして活動する際、自らの役割を認識して実験・実習を実施することができる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野(実験・実習能力) | 化学・生物系分野(実験・実習能力) | 到達目標 | 2 | |
使用する試薬の危険性を理解し、適切に取り扱うことができる。 | 2 | |
実験廃液の分類方法を理解し、適切に処理できる。 | 2 | |
安全を意識して実験に取り組み、災害時の対応について説明できる。 | 2 | |
実験の目的・理論・操作方法を説明できる。 | 2 | |
実験データを正しく取り扱うことができる。 | 2 | |
適切な構成と文章でレポートを作成できる。 | 2 | |
適切な実験装置を組み立て、合成反応ができる。 | 2 | |
物質の単離又は精製ができる。 | 2 | |
収率の計算ができる。 | 2 | |
適切な方法を用いて定性及び定量分析ができる。 | 2 | |
各種の機器・装置を用いて、物質(材料)の構造解析、試料観察、物性測定、定量分析、定性分析等を行うことができる。 | 2 | |
適切な器具を用いて各種の物性値を測定し、得られたデータを解析できる。 | 2 | |
微生物の分離、培養、観察を行うことができる。 | 2 | |