生体触媒工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 生体触媒工学
科目番号 0140 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材
担当教員 後藤 道理

到達目標

1)酵素の性質, 分離精製, 作用力, 作用メカニズムについて説明できること
2)有機溶媒中での酵素の利用法について説明できること
3)パン酵母を用いる物質合成について説明できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1酵素の性質, 分離精製, 作用力, 作用メカニズムについて充分に説明できる 酵素の性質, 分離精製, 作用力, 作用メカニズムについてほぼ説明できる 酵素の性質, 分離精製, 作用力, 作用メカニズムについて説明できない
評価項目2有機溶媒中での酵素の利用法について充分に説明できる有機溶媒中での酵素の利用法についてほぼ説明できる有機溶媒中での酵素の利用法について説明できない
評価項目3パン酵母を用いる物質合成について充分に説明できるパン酵母を用いる物質合成についてほぼ説明できるパン酵母を用いる物質合成について説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
酵素反応速度論および阻害剤による酵素反応への影響について理解を深める。アロステリック酵素に代表される「酵素の構造変化」や誘導適合の考え方を理解しイメージできることを目標とする。さらに酵素は水中で使用するものと考えるのは当然であるが、有機溶媒中で使用することで光学活性化合物の効率的合成が達成される場合が少なくない。そこで、酵素反応を有機溶媒中で実施するための条件として溶媒効果、温度やpHによる影響を理解する。また、微生物中の酵素を利用する手法として、パン酵母の利用について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義
事前に行う準備学習:前回の講義の復習および予習を行ってから授業に臨むこと
(授業外学習・事前)授業内容を予習しておくこと
(授業外学習・事後)授業内容を復習すること
注意点:
復習をしてください。巨大分子であるタンパク質を理解するコツは分子の動的イメージを膨らますことです。想像力をたくましくして下さい。
■ 学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である
(授業外学習・事前)授業内容を予習しておくこと
(授業外学習・事後)授業内容を復習すること
■ 自学自習の実施状況は行う講義中、3度に1度小テストを行うことで確認する。小テストは期末の成績評価のうち20%を占めるものとする。
■ 授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。
■ 本科目では、60点以上の評価で単位を認定する。
■ 評価が60点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 酵素(1) 酵素の性質, 精製と分離について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
2週 酵素(2) 酵素の性質と触媒反応速度について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
3週 酵素(3) 競争的阻害剤と非競争的阻害剤について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
4週 酵素(4) 構成酵素と誘導酵素について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
5週 酵素(5) 酵素の活性部位と活性の調節について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
6週 酵素(6) 酵素反応次数, オキシアニオンホールの重要性について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
7週 酵素(7) アロステリック酵素について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
8週 酵素(8) 誘導適合とアロステリック酵素の考え方について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
4thQ
9週 酵素反応の立体化学 プロキラリティーの識別について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
10週 生体触媒と有機溶媒(1) 有機溶媒中の反応の特徴とエステル交換反応について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
11週 生体触媒と有機溶媒(2) エステル交換における溶媒効果について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
12週 生体触媒と有機溶媒(3) 酵素の可溶化と親水性有機溶媒について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
13週 生体触媒と有機溶媒(4) 吸水性ポリマーの利用と固相界面の反応について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
14週 生体触媒による還元反応(1) パン酵母によるケトンの還元と酵素について説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
15週 生体触媒による還元反応(2) パン酵母還元の人為的コントロールについて説明出来る
学修単位のため、15時間相当の授業外学習が必要である。
■ 授業外学習・事前:授業内容を予習しておくこと
■ 授業外学習・事後:授業内容を復習すること
16週 期末試験の答案返却、解説、授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4

評価割合

試験(定期試験)発表相互評価態度ポートフォリオその他(小テスト)合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000