舶用機関概論Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 舶用機関概論Ⅰ
科目番号 0001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書指定なし.適宜資料を配布する.
担当教員 山田 圭祐

到達目標

1. 船舶に搭載されている機械類,機関士の作業内容や勤務体制について説明できる.
2. ディーゼル機関の基本的な構成,作動原理,取扱い方法について説明できる.
3. ボイラ,蒸気タービンの基本的な構成,作動原理,取扱い方法について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1船舶に搭載されている機械の種類,機関士の職務について理解し,詳しく説明できる.船舶に搭載されている機械の種類,機関士の職務について理解し,基本的な事項を説明できる.船舶に搭載されている機械の種類,機関士の職務について理解が不十分であり,基本的な事項を説明できない.
評価項目2ディーゼル機関の構成,作動原理,取扱いを理解し,詳しく説明できる.ディーゼル機関の構成,作動原理,取扱いを理解し,基本的な事項を説明できる.ディーゼル機関の構成,作動原理,取扱いの理解が不十分であり,基本的な事項を説明できない.
評価項目3ボイラおよび蒸気タービンの構成,作動原理,取扱いを理解し,詳しく説明できる.ボイラおよび蒸気タービンの構成,作動原理,取扱いを理解し,基本的な事項を説明できる.ボイラおよび蒸気タービンの構成,作動原理,取扱いの理解が不十分であり,基本的な事項を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
学習目標:船舶にの機関システムの概略を理解するとともに,機関士としての資質を養成することを目的とする.本教科では,船舶に搭載されている機械類,特にディーゼル機関やタービン,ボイラについては作動原理などを説明できるようにする.また機関士の職務内容についても学び,学生自身が将来船員として働く姿を想像できるようにする.
授業の進め方・方法:
教員単独による講義を基本とし,適宜課題演習を実施する。
注意点:
機械類の基礎を理解することは,今後実際に機械を取り扱う上で非常に重要である.
本科目の評価点数の内訳は,試験の成績を80%(中間,期末試験の合計),課題の成績を20%とする.
評価が60点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる.追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする.
船舶職員法養成施設必要履修科目 三級海技士(機関)
1.機関に関する科目(その一)
(a)出力装置
 (1)ディーゼル機関 (2)ボイラ (3)蒸気タービン

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、船舶機関システムの目的とその特色 船舶に搭載されている機械類について説明できる.
2週 機関部の作業 機関士が行う作業内容について説明できる.
3週 機関部の職制,運航体制,M0運転 機関部の職制,運航体制,M0運転について説明できる.
4週 内燃機関 1.内燃機関の分類 内燃機関を作動行程や着火方式などに基づき分類できる.
5週 2.ディーゼル機関の作動原理 2・4ストロークサイクルディーゼル機関の作動原理について説明できる.
6週 3.ディーゼル機関主要部の構成 ディーゼル機関を構成する主要部品とその役割について説明できる.
7週 4.ディーゼル機関の運転保守 ディーゼル機関を安全に運用するために必要な運転保守作業について説明できる.
8週 中間試験
第1週から第7週の授業内容の理解度を確認するため,中間試験を実施する.
2ndQ
9週 5.ディーゼル機関の出力計算 ディーゼル機関のP-V線図の概要について説明でき,ディーゼル機関の出力を概算できる.
10週 舶用ボイラ 1.蒸気の性質 水の状態変化,水蒸気の種類や性質について説明できる.
11週 2.舶用ボイラの種類 3.ボイラの付属装置 ボイラの種類とその特徴,付属装置について説明できる.
12週 3.ボイラの付属装置 4.ボイラの運転保守 ボイラの付属装置,運転保守作業について説明できる.
13週 舶用蒸気タービン 1.蒸気タービンの作動原理
2.蒸気タービンの構成
蒸気タービンの作動原理,構成について説明できる.
14週 3.蒸気タービンの出力計算 水蒸気の物性の概要を理解し,蒸気タービンの出力算出方法の概要について説明できる.
15週 期末試験 第1週から第14週の授業内容の理解度を確認するため,期末試験を実施する.
16週 答案返却、解説、授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)内燃機関学内燃機関と外燃機関の違いについて認識し、それらの種類および分類について説明できる。3前4
2サイクル機関および4サイクル機関の作動原理および特徴について説明できる。3前4
内燃機関の各機器の構造および役割、故障の要因を説明できる。3前5
効率、出力(馬力)、燃料消費率などを計算し、機関性能を評価できる。3前9
4サイクル機関および2サイクル機関のガス交換過程について、説明できる。3前5
燃焼に必要な条件、燃焼反応、燃焼過程について説明できる。3前5
内燃機関に付属する装置の種類、特徴、取り扱いについて説明できる。3前7
内燃機関に付属する装置の故障およびその原因、対策について認識し、説明できる。3前7
燃料油・潤滑油の種類と特性について、説明できる。3前7
燃料油・潤滑油の取り扱いおよび管理について説明できる。3前2,前7
蒸気工学蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できる。3前13
蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できる。3前13
蒸気タービンの種類、構成要素および作動原理について、説明できる。3前13
ノズル、羽根、ロータ、気密装置、車室などの各部の構造および作用について説明できる。3前13
タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できる。3前13
伝熱工学熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。2前10
エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。2
水の等圧蒸発過程について説明できる。4前10
蒸気の状態量を、蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。4前10
伝熱の基本形態を理解し、各形態における熱移動過程について説明できる。4前11
ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。4前11
ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、取り扱うことができる。4前11
ボイラに関する諸性能(ボイラ効率など)について認識し、それらを用いた計算ができる。4前14
ボイラおよび関連装置を取り扱うに当たっての基本的な注意点について説明できる。4前12
ボイラの自動制御およびボイラ水管理について説明できる。4前11,前12
ボイラおよび関連装置の損傷およびその原因を認識し、その対策について説明できる。4前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000