専門基礎Ⅲ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 専門基礎Ⅲ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「電気回路1」実教出版(工業720)
担当教員 佐藤 匡,荒川 正和

到達目標

電気工学における基本的概念(電荷・電位・電圧・電流)、直流回路、電気エネルギー、静電気・磁気の基礎的事項について具体的に説明できるとともに、各分野の基礎的な計算問題を解くことのできる素養を身に付けること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電気電子に関する物理現象と基本法則の理解物理現象と電気の基本法則を体系的に理解できる。物理現象と電気の基本法則を理解できる。物理現象と電気の基本法則をイメージできない。
授業関連の課題提出能力課題が充分に提出できる。一部不充分な部分はあるものの、大半の課題は提出できる。充分に課題提出が出来ない。
授業態度授業を真摯な態度で受講できる。一部問題はあるものの、充分に授業を受講できている。授業を受講する態度に達していない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気工学における基本的な概念(電荷・電位・電圧・電流)や、直流回路、電気エネルギー、静電気・磁気学の基礎について、確実に理解することを目標とする。
授業の進め方・方法:
電気工学の基礎として特に重要と思われる内容を精選し、物理現象と電気の基本法則との関連について特に強調していく。また、法則の理解に不可欠な数学的素養を身につけるため、適宜演習を織り交ぜながら進めていく。必ずしもテキストに沿った内容にはなっていないので、注意が必要である。専門基礎Ⅱ(実験・演習)との関連付けによって、基本的概念のより一層の定着を図る。
注意点:
本科(準学士課程):RB2(◎)
関連科目:専門基礎Ⅱ(1年)、電気回路Ⅰ(2年)、電気磁気学Ⅰ(2年)
評価方法:半期毎に、下記評価割合により100点満点で評価する。前期成績(100)=演習(50)+課題(50)、後期成績(100)=定期試験(80)+小テスト(20)。総合評定は、半期毎の評価の平均とする。
評価基準:100点満点で60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明 シラバスの説明
電気・電子工学の概略について、雰囲気をつかむ。
2週 計算の基礎(公約数・公倍数) 複雑な分数計算にも対応できるよう,公約数・公倍数を求める技法を定着する。
3週 計算の基礎(分数式の計算) 前週の内容を,分数式の計算へ活用できる。
4週 計算の基礎(文字式の四則演算) 文字式の四則演算技法を,専門分野の各種問題へ適用できる。
5週 計算の基礎(無理数と平方根) 無理数(平方根)の計算技法を,専門分野の各種問題へ適用できる。
6週 計算の基礎(指数法則) 指数の計算技法を,専門分野の各種問題へ適用できる。
7週 計算の基礎(一次方程式) 一次方程式の計算技法を,専門分野の各種問題へ適用できる。
8週 まとめの時間 第7週までの内容に関してまとめの演習を行い、内容の定着を図る。
2ndQ
9週 計算の基礎(連立方程式) 二次方程式の計算技法を,専門分野の各種問題へ適用できる。
10週 計算の基礎(量記号) これまでに出てきた量記号について整理し,理解する。
11週 計算の基礎(接頭辞と単位) 工学の分野で必要となる、接頭辞と単位について理解する。
12週 キルヒホッフ則 キルヒホッフの法則(KCL,KVL)の理論について理解する。
13週 キルヒホッフ則を用いた演習(1) キルヒホッフ則を用いて、比較的シンプルな直流回路の計算ができる。
14週 キルヒホッフ則を用いた演習(2) キルヒホッフ則を用いて解く演習問題を通じて、計算技法も含めた内容を定着する。
15週 キルヒホッフ則を用いた演習(3) キルヒホッフ則を用いて解く多様な演習問題を通じて、応用力を高める。
16週
後期
3rdQ
1週 電流の定義 電磁気学的な現象から見た電流の再定義を行う。
2週 電荷と電流 電荷について理解する。電流による電荷の定義を行う。
3週 電気系単位と力学系単位の関係 電力量と電力,仕事と仕事率の関係について,比較考察する。
4週 磁石同士,電荷同士に働く力 左記標題の力(物理現象)について,深く考察する。
5週 磁界,電界の導入 磁界,ならびに電界について理解する。
6週 クーロン則の解釈変更(電界の導入による) 電界を導入することを踏まえ,クーロン則を見直す。
7週 中間まとめ これまでの学習内容の理解度をチェックする。
8週 電界中で電荷を動かす状況の考察 左記標題(物理現象)について,深く考察する。
4thQ
9週 電磁気学による電圧の再定義 仕事と電圧(電位差)の関係について理解する。
10週 電力についての考察 これまでの学習内容を総合し,電力の公式を導く。
11週 電力量とエネルギー 電力量とエネルギーの関係について理解する。
12週 ベクトル場と電界 電界はベクトル(場)であることを理解する。
13週 ベクトル場の表現方法 ベクトル場の表現(図示)方法について考察し,そのイメージを理解する。
14週 電気力線 電界の表現方法である電気力線について理解する。
15週 コンデンサと一様電界 平行平板内の一様電界について理解し,そのイメージを確立する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前5,前6
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。2前11,前12
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前7,前8,前9,前10
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。2前13,前14
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前15
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。2
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。2
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。2
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。2
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。2
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。2
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。2
静電エネルギーを説明できる。2

評価割合

演習課題試験合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力50500000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000