国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 国語Ⅱ
科目番号 0015 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『現代の国語』『言語文化』『トータルサポート 新国語便覧』(大修館書店)『体系古典文法』(数研出版)
担当教員 佐々木 克己,松山 哲士

到達目標

(1)日本語の文章や言語作品を的確に読み取り、何がどのように書かれているかを説明できる。
(2)書かれている内容について理解したうえで、自分の意見を理由を挙げて述べることができる。
(3)他者の文章を読み、その背景となる知識や考え方を的確にとらえることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本語の文章や言語作品を的確に読み取り、何がどのように書かれているかをわかりやすく説明できる。日本語の文章や言語作品を読み取り、何がどのように書かれているかを指摘できる。日本語の文章や言語作品を的確に読み取れず、何がどのように書かれているかを理解できない。
評価項目2書かれている内容について理解したうえで、自分の意見を理由を挙げて述べることができる。書かれている内容について理解しており、自分の意見を述べようとしているが、なぜそう考えたか説得性に欠ける。書かれている内容について理解できず、自分の意見を持つことができない。
評価項目3他者の文章の背景となる知識や考え方を的確にとらえ、理解しようとしている。他者の文章の背景となる知識や考え方があることについて気づき、興味関心を持っている。他者の文章の背景となる知識や考え方をとらえることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RC2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生涯にわたる社会生活に必要な国語の知識や技能を身につけるとともに、我が国の言語文化に対する理解を深めることができるようにする。
論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を伸ばし、他者との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
言葉が持つ価値への認識を深めるとともに、読書に親しみ自己を向上させ、我が国の言語文化の担い手としての自覚をもち、言葉を通して他者や社会と交わろうとする態度を養う。
漢詩と和歌の音読・暗誦を通して、伝統的な価値観や美意識に対する理解・認識を深める。
授業の進め方・方法:
講義形式を基本とするが、グループワークや課題作文など、意見を発表したり、書いたりする機会をほとんど毎時間設ける。
インターネット等の情報ツールを駆使し、積極的に情報を収集し、それをもとに思考し判断し、自らの考えを作り上げ他者に向けて発信する機会を多くする。
音読、暗誦、語彙力増強小テストを毎時間実施し、生きる力の基礎となる日本語力を高めることを目標とする。
原則として毎週一つ作文課題を提示する。提出は強制しないが提出回数を成績に反映させる。
注意点:
授業時には、タブレット端末またはスマホを持参すること。中間試験(30%)、期末試験(30%)、小テスト(20%)、提出物・課題(20%)で評価する。
様々な文章を素材として授業を行うが、常に主体的・探究的な精神で他者の発する言葉と向き合うこと。どれほど有名な文学作品であっても、読者には否定・批判する権利があり、感動・共鳴する義務はない。それはあなたがた学生も例外ではない。
課題作文は全員の作品をスキャンして配信する。熟読し大いにインスパイアーされること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の流れを把握する。授業の概要、目的を理解する。
2週 ケネディ大統領就任演説
漢詩、語彙指導、言語活動
実生活に役立つ文学的表現について理解と認識を深める。
3週 小説『故郷』
漢詩、語彙指導、言語活動
魯迅の漢字廃止論を切り口に、わが国における漢字廃止論の歴史を辿る
4週 説話『絵仏師良秀』と小説『地獄変』(1)
漢詩、語彙指導、言語活動
『絵仏師良秀』の内容を正確に理解する。
5週 説話『絵仏師良秀』と小説『地獄変』(2)
漢詩、語彙指導、言語活動
芥川が古典作品にどのような現代的意義を加えたのかを考察し他者に説明できる。
6週 小説『少年の日の思い出』と評論『世界を見渡す窓』漢詩、語彙指導、言語活動 言語の多様性を知り、日本語の特質に対して知的な興味関心を持つ。
7週 小説『少年の日の思い出』と評論『外国語の不思議・日本語の不思議』漢詩、語彙指導、言語活動 翻訳の難しさと面白さについて理解・認識を深める。
8週 小説『少年の日の思い出』と評論『外国語の不思議・日本語の不思議』漢詩、語彙指導、言語活動 英語の翻訳に挑戦し、日本語の語彙力と表現力を高める。
2ndQ
9週 中間試験 これまでの授業での学習の理解度と定着度を測る。
10週 中間試験解説/随筆『水の東西』
和歌、語彙指導、言語活動
「これは評論ではなく随筆」という筆者の言葉を手がかりに論理的文章の書き方を知る。
11週 徒然草(1)
和歌、語彙指導、言語活動
教科書の原文の内容を正確に理解する。
12週 徒然草(2)
和歌、語彙指導、言語活動
現代社会に通じる点は何かを具体的に考察し他者に説明できる。
13週 徒然草(3)
和歌、語彙指導、言語活動
教科書以外の有名な章段を読み、人生への教訓を読み取る。
14週 評論『安くておいしい国の限界』
和歌、語彙指導、言語活動
本文の内容を理解し、日本の現実とこれからの目指すべき方向性について考察し、他者に説明できる。
15週 評論『インターネット時代の音楽産業』(1)
和歌、語彙指導、言語活動
本文の内容を正確に理解する。
16週 評論『インターネット時代の音楽産業』(2)
和歌、語彙指導、言語活動
筆者の主張が現代の文化の状況にどの程度当てはまるか、グループで議論し理解・認識を深める。
後期
3rdQ
1週 期末試験解説/小説『さぶ』
漢詩、語彙指導、言語活動
インターネット上の「青空文庫」を実際に読み、今後の読書対象に加える。
2週 Jポップの歌詞
漢詩、語彙指導、言語活動
現代多くの若者の心をとらえている楽曲の歌詞の言葉を分析的に読み、自らの話す・書く力に役立てる視点を持つ。
3週 『枕草子』(1)
漢詩、語彙指導、言語活動
平安朝社会と清少納言について知識・理解を深める。
4週 『枕草子』(2)
漢詩、語彙指導、言語活動
教科書の原文の内容を正確に理解する。
作者の感性の鋭さを味わう。
5週 評論『動的平衡としての生物多様性』(1)
漢詩、語彙指導、言語活動
本文の内容を正確に理解する。
6週 評論『動的平衡としての生物多様性』(2)
漢詩、語彙指導、言語活動
本文をもとにして地球環境問題について思考を発展させ、自分の考えを他者に説明できる。
7週 小説『走れメロス』
漢詩、語彙指導、言語活動
太宰治の文体の特徴について他の作品もあわせ読み、自らの表現の参考にする。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験解説/評論『他者を理解するということ』
和歌、語彙指導、言語活動
本文の内容を正確に理解し、他者とのコミュニケーションの在り方について考察し、自分の考えを他者に説明できる。
10週 評論『空気を読む』(1)
和歌、語彙指導、言語活動
本文の内容を正確に理解する。
11週 評論『空気を読む』(2)
和歌、語彙指導、言語活動
自分たちのコミュニケーションの現状について、筆者の見解をもとにして考察し自分の考えを他者に説明できる。
12週 漢文『史記』(1)
和歌、語彙指導、言語活動、
史記の概要について理解する。
13週 漢文『史記』(2)
和歌、語彙指導、言語活動
有名な箇所を現代語訳で読み、その面白さを味わう。
14週 漢文『史記』(3)
和歌、語彙指導、言語活動
有名な箇所を現代語訳で読み、その面白さを味わう。
15週 期末試験
16週 期末試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前7,前10,前14,前15,後5,後9,後10
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前6,前8,前16,後6,後11
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前2,前5,前12,前13,後2,後4,後13,後14
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3後13,後14
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前16,後6,後11
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前5,前6,前8
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前8,前10,前16,後11
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前2,前3,前6,後6,後11

評価割合

中間試験期末試験小テスト・レポート提出物・課題合計
総合評価割合30302020100
基礎的能力30302020100
専門的能力00000
分野横断的能力00000