概要:
物理学の静力学の一般原理を応用して,橋梁やビルなど各種構造物が外力の作用を受けた場合の内部応力や変形を求める学問が構造力学である.2年生の構造力学Ⅰは,3年と4年で学ぶ構造力学Ⅱ・Ⅲ,さらに4年と5年で学ぶ構造物設計法の基礎となる「力の釣り合い」を学ぶ重要な科目であり,その基礎理論と各種計算法を習得する.そして,それらを実構造物の設計計算へも応用できる能力と柔軟な解析力を身につける.
授業の進め方・方法:
教科書と自作資料に基づき講義を行う.板書をノートに写す時間を設けるのでしっかりとノート作りをすること.講義では理解しにくい現象については簡単な模型を用いて説明し,柔軟な解析力を身につけるため演習問題を適宜行う.また,単元ごとにホームワークを課すのでクイズに備えて自学自習すること.なお,演習問題を解く時には関数機能付き電卓が必要となるので常に用意しておくこと.
注意点:
中間試験(35%),期末試験(35%),ホームワーク(15%),クイズ(15%)の成績で評価する.合格点に満たない場合はホームワークを全て提出している者に対してのみ追試験を実施する.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
構造力学の概要(1章) |
土木と建築の構造の種類を理解する.
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2週 |
力の合成と分解(1・2章) |
力の定義,種類,単位を理解する.
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3週 |
力の合成と分解(1・2章) |
力の3要素,3つの法則,単位変換を理解する.
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4週 |
力の合成と分解(1・2章) |
力の合成,角度の変換法を理解する.
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5週 |
力の合成と分解(1・2章) |
力の分解を理解する.
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6週 |
力の合成と分解(1・2章) |
力のモーメントを理解する.
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7週 |
力の合成と分解(1・2章) |
力のモーメントを理解する.
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8週 |
前期中間学力確認 |
中間試験を実施する.
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2ndQ |
9週 |
支点反力(2章) |
自由物体図と3つのつり合い式を理解する.
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10週 |
支点反力(2章) |
単純ばりに荷重が作用した時の支点反力の計算法を理解する.
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11週 |
支点反力(2章) |
分布荷重やモーメント荷重の計算法を理解する.
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12週 |
支点反力(2章) |
片持ちばりや張り出しばりに荷重が作用した時の支点反力の計算法を理解する.
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13週 |
支点反力(2章) |
ラーメンやゲルバーばりに荷重が作用した時の支点反力の計算法を理解する.
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14週 |
支点反力(2章) |
間接荷重が作用した時の支点反力の計算法を理解する.
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15週 |
期末試験 |
期末試験を実施する.
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
部材の断面力(3章) |
断面力の定義を理解する.
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2週 |
部材の断面力(3章) |
単純ばりに荷重が作用した時の断面力の計算法と作図法を理解する.
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3週 |
部材の断面力(3章) |
片持ちばりに荷重が作用した時の断面力の計算法と作図法を理解する.
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4週 |
部材の断面力(3章) |
張り出しばりに荷重が作用した時の断面力の計算法と作図法を理解する.
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5週 |
部材の断面力(3章) |
ゲルバーばりに荷重が作用した時の断面力の計算法と作図法を理解する.
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6週 |
部材の断面力(3章) |
間接荷重が作用した時の断面力の計算法と作図法を理解する.
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7週 |
部材の断面力(3章) |
ラーメンに荷重が作用した時の断面力の計算法と作図法を理解する.
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8週 |
前期中間学力確認 |
中間試験を実施する.
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4thQ |
9週 |
トラス(5章) |
トラスの定義を理解する.
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10週 |
トラス(5章) |
格点法によるトラスの軸力の計算法を理解する.
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11週 |
トラス(5章) |
格点法によるトラスの軸力の計算法を理解する.
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12週 |
トラス(5章) |
格点法によるトラスの軸力の計算法を理解する.
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13週 |
トラス(5章) |
断面法によるトラスの軸力の計算法を理解する.
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14週 |
トラス(5章) |
断面法によるトラスの軸力の計算法を理解する.
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15週 |
トラス(5章) |
静定と不静定および安定と不安定の構造を理解し,それを判定できる.
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16週 |
期末試験 |
期末試験を実施する.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 構造 | 各種静定ばりの断面に作用する内力としての断面力(せん断力、曲げモーメント)、断面力図(せん断力図、曲げモーメント図)について、説明できる。 | 4 | 前3,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6 |
トラスの種類、安定性、トラスの部材力の意味を説明できる。 | 4 | 後7,後9,後10 |
節点法や断面法を用いて、トラスの部材力を計算できる。 | 4 | 後9,後10,後11,後12,後13 |
ラーメンの支点反力、断面力(軸力、せん断力、曲げモーメント)を計算し、その断面力図(軸力図、せん断力図、曲げモーメント図)を描くことができる。 | 4 | 後5,後6 |
橋の構成、分類について、説明できる。 | 3 | |
橋梁に作用する荷重の分類(例、死荷重、活荷重)を説明できる。 | 4 | 前1,前2 |