応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 長野工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0019 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:柴田洋一他「力学II」(大日本図書) ,柴田洋一他「熱・波動」(大日本図書) ,柴田洋一他「電磁気・原子」(大日本図書)参考書:原康夫「物理学」(学術図書出版),和達三樹ほか「ゼロからの熱力学と統計力学」(岩波書店),砂川重信「量子力学の考え方」(岩波書店),ファインマン「ファインマン物理学IV,V」(岩波書店)
担当教員 大西 浩次

到達目標

力学では,角運動量をキーワードに剛体の運動の解法を身につける.熱力学では,気体の分子運動論より熱と温度の違いを説明すること,及び,熱力学の第一法則から,気体の比熱を説明できること.物質の構造では,原子構造を理解し,ミクロな世界の力学(量子力学)が,どのように物質構造を決めているかを定性的に説明できること.これらの内容を満足する事で,学習・教育目標の(C-1)の達成とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代物理学の基礎を「物質の構造を理解する」という立場から学習する.前半は,力学と熱力学を学習する.応用物理Iで学んだ力学を,さらに発展させて,いろんな運動の取り扱い方を学習する.熱力学ではミクロな運動の立場から,熱力学的諸性質を学習する.後半は,ミクロな世界に成立する力学(量子力学)の学習から,物質構造の定性的理解を深める.
授業の進め方・方法:
・授業方法は講義を中心とし,演習問題や課題をだす.
・毎回,レポート課題を課すので,期限に遅れず提出すること.
注意点:
<成績評価> 試験(60%),課題等のレポート(40%)の合計100点満点で(C-1)を評価する.6割以上を獲得した者をこの科目の合格者とする.
<オフィスアワー>放課後 16:00 ~ 17:00,機械工学科棟3F大西教員室.この時間にとらわれず必要に応じて来室可.
<先修科目・後修科目>先修科目は物理Ⅰ,物理Ⅱ,応用物理Ⅰとなる.
<備考>1-3年次の物理や化学の内容を理解していること共に,数学(微分,積分,微分方程式,ベクトル,ベクトル解析,行列)が自由に使えることが大切である.各回の講義内容を整理・復習し,自分なりの理解をもつことが大切である.

なお、本科目は学修単位科目であり,授業時間30時間に加えて,自学自習時間60時間が必要です.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 2体系の力学 2体系の運動が説明できる.
2週 回転運動と角運動量 角運動量と角運動量保存則が説明できる.
3週 剛体の運動方程式 剛体の運動方程式が説明できる.
4週 慣性モーメント 慣性モーメントが計算できる.
5週 剛体の運動 剛体の平面内での運動が解ける.
6週 熱と温度 熱力学第0法則,熱容量,比熱が説明できる.
7週 気体の分子運動論 気体の温度を分子運動から説明できる.
8週 後期中間理解度確認 剛体の運動の基本的な内容の理解度を確認する.熱と温度の違いの理解度を確認する.
4thQ
9週 熱力学の第1法則 熱力学の第1法則を理解し,問題を解ける.
10週 理想気体の比熱 理想気体の比熱と自由度の関係が説明できる.
11週 熱力学の第2法則 熱力学の第2法則が説明できる.熱機関やカルノーサイクルが説明できる.
12週 電子の発見 電磁気学に基づき,真空中での電子の運動を理解する.電子が発見された過程を理解し,トムソンの実験と比電荷やミリカンの油滴実験について説明できる.
13週 光と物質の量子性 光電効果や物質波の概念を理解し,光の粒子性と電子の波動性について説明できる.
14週 原子モデルとスペクトル 原子核発見の過程を理解し,水素原子の線スペクトルとボーアの原子モデルについて説明できる.
15週 X線と電子波 X線の発生原理を理解する.電子波とボーアの量子条件が理解できる.
16週 達成度試験 熱力学と原子の世界の基礎的な内容の理解度を確認する.

評価割合

試験小テスト平常点レポートその他合計
総合評価割合6000400100
配点6000400100