工業力学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 工業力学
科目番号 2019-326 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 末益博志 他著「工学系の力学」実教出版
担当教員 大庭 勝久

到達目標

微積分学やベクトルの知識を基礎にして、静的および動的な運動を定量的に解析することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微積分学やベクトルの知識を基礎にして、複雑な系における静的および動的な運動を定量的に解析することができる微積分学やベクトルの知識を基礎にして、簡単な系における静的および動的な運動を定量的に解析することができる微積分学やベクトルの知識を基礎にして、簡単な系における静的および動的な運動を定量的に解析することができない

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
運動の法則や原理を学ぶと共に、それらを用いて工学的問題を解決するための素養を身につける。主な講義内容は、力と力のモーメント、分布力、運動学の基礎、質点および剛体の運動である。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に、適宜演習問題に取り組む。また、レポート課題を課すので、次回の授業の初めに提出すること。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。ただし、 適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2.中間試験を授業時間内に実施することがあります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
力学と数学
力学と数学の関連性を理解できる。
2週 力学の数学的基礎(1) 初等関数の微分、積分を計算できる。
3週 力学の数学的基礎(2) ベクトルの基本的な計算と成分表示による計算ができる。
4週 第1章 工業力学の基礎(1)
工業系の力学の学ぶための準備
代表的な力(重力、万有引力、ばねの力)を説明できる。
5週 第1章 工業力学の基礎(2)
力学に表れる重要な物理量と単位
SI単位、SI接頭語について理解し、基本単位と組立単位について説明できる。
6週 第2章 力と力のモーメント(1)
力、力のモーメント
力の三要素を理解して、力の合成・分解、力のモーメントを求めることができる。
7週 第2章 力と力のモーメント(2)
偶力のモーメント、力と力のモーメント
偶力を理解し、偶力のモーメントを計算できる。
8週 第2章 力と力のモーメント(3)
さまざまな支持方法によるつりあいの問題(支持点の力)
支点の種類を理解し、支点反力を求めることができる。
2ndQ
9週 第2章 力と力のモーメント(3)
さまざまな支持方法によるつりあいの問題(骨組みの構造)
骨組み構造を理解し、部材にはたらく力を求めることができる。
10週 演習 力と力のモーメント、支点反力に関連する計算ができる。
11週 第3章 分布した力(1)
分布力と等価集中力
分布力を理解し、等価集中力について説明できる。
12週 第3章 分布した力(2)
重力と重心(1)
重力について理解し、重心について説明できる。
13週 第3章 分布した力(3)
重力と重心(2)
平板および立体の重心位置を求めることができる。
14週 第3章 分布した力(4)
面に分布した力
圧力について理解し、平面に作用する圧力と圧力中心を求めることができる。
15週 演習 分布力に関連する計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 第4章 運動学の基礎(1)
点の平面運動
ベクトルによる質点の位置、速度、加速度をベクトルで記述できる。
2週 第4章 運動学の基礎(2)
円運動
円運動を極座標表示し、等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力などを求めることができる。
3週 第4章 運動学の基礎(3)
相対運動と拘束
二点間の距離が規定されるときの運動を説明できる。
4週 第5章 質点の運動と運動方程式(1)
運動方程式
ニュートンの運動法則を説明できる。
5週 第5章 質点の運動と運動方程式(2)
座標系と運動方程式
直交座標系および極座標系における運動方程式の成分表示ができる。
6週 第5章 質点の運動と運動方程式(3)
運動方程式の応用
運動方程式を解くことにより、運動の特徴を議論できる。摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。
7週 演習 点の平面運動や等速円運動に関する計算ができる。自由落下や放物運動、抗力を受ける物体の運動に対する運動方程式を立て、解くことができる。
8週 第6章 剛体の運動(1)
剛体の運動の記述
剛体に働く力の基本的な性質を理解し、剛体の並進運動と回転運動を運動方程式で表すことができる。
4thQ
9週 第6章 剛体の運動(2)
慣性モーメントの計算
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。
10週 第6章 剛体の運動(3)
さまざまな剛体の運動
剛体の平面運動について理解できる。
11週 演習 剛体の力のつりあいや慣性モーメントを計算できる。並進・回転運動の運動方程式を解くことができる。
12週 第7章 運動量と仕事・エネルギー(1)
運動量と力積
運動量と力積について理解し、計算できる。運動量保存の法則を説明できる。
13週 第7章 運動量と仕事・エネルギー(2)
仕事・動力とエネルギー
力と仕事の関係、動力について理解し、仕事の原理を説明できる。位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。
14週 第7章 運動量と仕事・エネルギー(3)
力学的エネルギー保存の法則
力学的エネルギー保存の法則を用いて運動を解析できる。
15週 演習 運動量や力積、仕事や動力、力学的エネルギーについて計算できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前6,前7,前8,前9,前10
分数式の加減乗除の計算ができる。3前6,前7,前8,前9,前10
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前6,前7,前8,前9,前10
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前6,前7,前8,前9,前10
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前6,前7,前8,前9,前10
簡単な連立方程式を解くことができる。3前6,前7,前8,前9,前10
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3後7
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後7
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後7
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後7
角を弧度法で表現することができる。3後2,後7
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後2,後7
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3前6,前10
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前6,前10
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3前6,前10
一般角の三角関数の値を求めることができる。3前6,前10
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3後2
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3後7
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前3,後1,後2,後5,後6,後7
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後1,後2,後5,後6,後7
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前3,後5,後6,後7
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3後6,後7
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3後6,後7
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3後6,後7
合成関数の導関数を求めることができる。3後6,後7
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3後6,後7
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3後7
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3後6,後7
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3後6,後7
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3後6,後7
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3後6,後7
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3前13,前14,前15,後9,後11
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3前13,前14,前15,後9,後11
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3前13,前14,前15,後9,後11
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3前13,前15,後9,後11
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3前12,前13,前15,後9,後11
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3後5,後6,後7
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3後5,後6,後7
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1,前4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前2,前4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3後1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前2,後1
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前2,前4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後5,後7
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後5,後7
物体に作用する力を図示することができる。3前6
力の合成と分解をすることができる。3前6
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前4,前12,前14,後6
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3後7
慣性の法則について説明できる。3後4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3後4
運動方程式を用いた計算ができる。3後4,後5,後6
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3後4,後5,後6
運動の法則について説明できる。3後4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3後6
最大摩擦力に関する計算ができる。3後6
動摩擦力に関する計算ができる。3後6
仕事と仕事率に関する計算ができる。3後13,後15
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3後13,後15
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13,後15
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3後13,後15
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後14,後15
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3後12,後15
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3後12,後15
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3後12,後15
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3後2,後7
力のモーメントを求めることができる。3前6,前7,前10
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後8,後11
重心に関する計算ができる。3前12,前13
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後9,後11
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後8,後11
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3前6,前10
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3前6,前10
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3前6,前10
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3前6,前10
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4前7,前10
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4前6,前10
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3前12,前13,前15
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3前1,後1,後7
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3前1,後1,後7
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3後4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3後4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3後4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3後2,後7
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3後2,後7
仕事の意味を理解し、計算できる。3後13,後15
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3後13,後15
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3後13,後14,後15
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3後13,後15
動力の意味を理解し、計算できる。3後13,後15
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4後6,後7
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4後12,後15
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3後8,後11
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3後9,後11
計測制御国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前5
電気・電子系分野計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4前5

評価割合

試験レポート課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000