コンピュータアーキテクチャⅠ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 コンピュータアーキテクチャⅠ
科目番号 34135 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 坂巻佳壽美:はじめてのFPGA設計 VHDLによる回路記述からシミュレーションまで,東京電機大学出版局,ISBN:978-4501330705/コンピュータ工学の教科書
担当教員 木村 勉

到達目標

(ア)FPGAプログラミングによる論理回路合成を通してディジタル回路設計手法を習得することができる。
(イ)VHDLによる設計方法を理解し、記述・シミュレーションを行うことができる。
(ウ)VHDLと論理合成ツールを用いてFPGA上に回路を実装・動作確認ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)FPGAプログラミングによる論理回路合成を通してディジタル回路設計手法を習得し,回路設計が行える。FPGAプログラミングによる論理回路合成を通してディジタル回路設計手法が理解できる。FPGAプログラミングによる論理回路合成を通したディジタル回路設計手法が理解できない。
評価項目(イ)VHDLによる設計方法を理解し、記述・シミュレーションを行い,システム検証ができる。VHDLによる設計方法を理解し、記述・シミュレーションを行うことができる。VHDLによる設計方法を理解し、記述・シミュレーションを行うことができない。
評価項目(ウ)VHDLと論理合成ツールを用いてFPGA上に回路を実装・動作確認ができ,不具合の解消ができる。VHDLと論理合成ツールを用いてFPGA上に回路を実装・動作確認ができる。VHDLと論理合成ツールを用いてFPGA上に回路を実装・動作確認ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A1 ハードウェアの基本動作を理論面から解析できるとともに,ソフトウェア的手法を利用してハードウェアを設計できる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
 本講義は,組込みシステムを実装する手法の一つである,FPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いたシステム設計に必要な基礎知識を習得することを目的としている.現在,大規模な回路を短期間に完了させるためには,ハードウエア記述言語(HDL)を用いて回路の動作を記述し,コンピュータ上のシミュレーションで回路動作を検証した後,論理合成ツールを用いて目的のディジタル回路を自動生成する手法が世界的に中心となっている.そこで本講義では,HDLの一つであるVHDLの記述方法の基本を習得し,ディジタル回路をFPGAボードであるDE10-Lite上に実装することで,システム設計の基礎を学ぶ.
授業の進め方・方法:
この科目はハードウェアの技術、特徴、コンピュータの動作等について講義・演習形式で授業を行う。
講義で学習した内容を、演習課題を行うことで理解を深める。
注意点:
ノートパソコンを利用した演習を適宜行う。
自学自習内容として指定した項目は,「課題」として評価に組み込む。
ディジタル回路Ⅰ・Ⅱおよびコンピュータ工学の内容を理解していることを前提に講義を進める。

選択必修の種別・旧カリ科目名

選択必修2 旧カリ科目名:コンピュータ工学Ⅱ
規制技術に含まれるものはない

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明
FPGAプログラミングによる回路設計の流れ
(自学自習:開発環境構築)
開発環境が整えられる
2週 VHDLの基礎
(自学自習:ModelSimによるシミュレーション)
ModelSimによるシミュレーションが行える
3週 VHDLを用いたFPGAプログラミング
(自学自習:QuartusⅡによる開発)
QuartusⅡによる論理合成が行える
4週 VHDL記述1:組合せ回路(ゲート回路とセレクタ)
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
DE10-lite上に回路を実装することができる
5週 VHDL記述2:半加算器,全加算器(半加算器による階層設計)
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
半加算器、全加算器の設計とシミュレーションが理解できる
6週 VHDL記述3:Nビット全加算回路、比較回路、セレクタ回路
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
組み合わせ論理回路の設計が理解できる
7週 VHDL記述4:デコーダ回路、パリティ回路
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
組み合わせ論理回路の設計が理解できる
8週 VHDL記述5:順序論理回路:非同期信号、同期信号、リセット・セット付DFF、専用レジスタ
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
順序論理回路の設計が理解できる
2ndQ
9週 VHDL記述6:機能レジスタと状態遷移回路の設計
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
順序論理回路の設計が理解できる
10週 大規模回路の設計
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
階層構造を用いた大規模回路の設計ができる
11週 簡易CPUの設計:システム構成の検討
(自学自習:システム構成の決定)
簡易CPUの仕様を決定することができる
12週 簡易CPUの設計:VHDL記述とシミュレーション
(自学自習:ModelSimによるシミュレーション)
簡易CPUの仕様からVHDL記述を行い,シミュレーションで動作確認ができる
13週 簡易CPUの設計:VHDL記述とシミュレーション
(自学自習:ModelSimによるシミュレーション)
簡易CPUの仕様からVHDL記述を行い,シミュレーションで動作確認ができる
14週 簡易CPUの設計:実装
(自学自習:VHDLによるFPGA回路設計)
簡易CPUをDE10-lite上に実装し,検証することができる
15週 総まとめ これまでの復習を行って,各自で理解度を確認する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。4
要求仕様に従って、標準的なプログラマブルデバイスやマイコンを用いたシステムを構成することができる。4

評価割合

定期試験課題合計
総合評価割合6040100
専門的能力6040100