情報数学Ⅱ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 情報数学Ⅱ
科目番号 35114 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 太原 育夫「新 人工知能の基礎知識」近代科学社 ISBN: 978-4764903562
担当教員 早坂 太一

到達目標

(ア) 離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。
(イ) 論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
探索アルゴリズム代表的な探索アルゴリズムの考え方を理解し、プログラムとして実装できる。代表的な探索アルゴリズムの考え方を理解できる。代表的な探索アルゴリズムの考え方を理解できない。
論理代数と述語論理述語論理の基本的概念を理解し、導出原理による論理的帰結の証明ができる。述語論理の基本的概念を理解できる。述語論理の基本的概念を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A4 現実の問題や未知の問題に対して,問題の本質を数理的に捉え,コンピュータシステムを応用した問題解決方法を多角的視野から検討することができる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ① ものづくり能力

教育方法等

概要:
問題解決の基礎となる「探索アルゴリズム」および「述語論理」を取り上げ、人間が行っている思考プロセスをコンピュータ上でシミュレートするために必要な理論の厳密さの一端を体感する。
授業の進め方・方法:
座学で行う。自学自習課題として配布プリントもしくは教科書の演習問題を課す。
注意点:
ブール代数による論理演算を理解していることを前提とした講義を行う。
JABEE「情報科学専攻」教育プログラムの選択必修科目である。

選択必修の種別・旧カリ科目名

規制技術に含まれるものはない。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、問題解決プロセスの表現(予習:教科書§2を読む 復習:指示された課題を解く) 「状態空間」および状態空間を表現する手段としての「グラフ」について理解する。
2週 基本的な探索法(予習:教科書§3を読む 復習:指示された課題を解く) 幅優先探索および深さ優先探索アルゴリズムについて理解する。
3週 評価関数を利用した探索法(予習:教科書§3を読む 復習:指示された課題を解く) 分岐限定法、山登り法、最良優先探索およびAアルゴリズムについて理解する。
4週 命題論理(予習:教科書§4を読む 復習:指示された課題を解く) 記号論理学における演算(否定・連言・選言・含意・同値)を理解する。
5週 決定問題(予習:教科書§4を読む 復習:指示された課題を解く) 意味木により、論理式が妥当/充足不能であることを判定する方法を理解する。
6週 推論と論理的帰結(予習:教科書§4を読む 復習:指示された課題を解く) 「推論」とは何か、および妥当な推論であることを証明する方法を理解する。
7週 述語論理式(予習:教科書§5を読む 復習:指示された課題を解く) 述語論理式の基礎を知り、命題論理とはやや異なる述語論理式の真偽の考え方を理解する。
8週 述語論理の意味論(予習:教科書§5を読む 復習:指示された課題を解く) 述語論理式の節形式を求める方法を理解する。
2ndQ
9週 スコーレム標準形(予習:教科書§5を読む 復習:指示された課題を解く) 述語論理式のスコーレム標準形および節集合を求める方法を理解する。
10週 導出原理(予習:教科書§6を読む 復習:指示された課題を解く) 導出に必要な最汎単一化置換を理解する。
11週 導出の制御戦略(予習:教科書§6を読む 復習:指示された課題を解く) 導出により述語論理式が充足不能であることを証明できる。
12週 論理による問題解決(予習:教科書§7を読む 復習:指示された課題を解く) 述語論理式が充足不能であることを証明することで、与えられた問題の解を得ることができることを理解する。
13週 ホーン節と導出戦略(予習:教科書§8を読む 復習:指示された課題を解く) ホーン節に対する導出戦略について理解する。
14週 論理プログラミング(予習:教科書§8を読む 復習:指示された課題を解く) ホーン節に対する導出戦略とPrologの実行プロセスとの関係を理解する。
15週 総まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4前1,前15
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4前1,前15
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4前1,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4前1,前2,前3,前10,前11,前12,前13,前14,前15

評価割合

中間試験定期試験合計
総合評価割合4060100
専門的能力4060100