到達目標
(ア)コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解している。
(イ)コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解している。
(ウ)連立一次方程式の数値解析の必要性を理解している。
(エ)解析的に解けない問題に対する数値解法の有用性を理解している。
(オ)連立一次方程式の数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
(カ)非線形方程式の数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解しており、数値実験結果として得られたデータの妥当性を評価できる。 | コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解している。 | コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを理解できない。 |
評価項目2 | コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解しており、数値実験結果として得られたデータの妥当性を評価できる。 | コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解している。 | コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解できない。 |
評価項目3 | コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明でき、自分でプログラムを作成・実行して妥当な数値データを得ることができる。 | コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。 | コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 A4 現実の問題や未知の問題に対して,問題の本質を数理的に捉え,コンピュータシステムを応用した問題解決方法を多角的視野から検討することができる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力
教育方法等
概要:
実際の産業界でものを設計する場合、問題を方程式を用いて記述し(モデリング)、その解を評価する(シミュレーション)ことが多い。また、自然現象・社会現象についても方程式で表現されることがある。ところが、これらの方程式は、解析解を持たないことや計算コストが増大することが多い。このような場合に、方程式を離散化し、コンピュータを用いて近似的に解を求める(数値解析)ことがよく行われている。本講義では、身近にある解析的に解けない問題を対象として、種々の数値解析の手法を修得する。また、解析的に解けない問題を離散化した際に帰結する連立一次方程式の数値解析についても学習する。プログラミング言語は、数値計算に向いたC言語およびFortran 90を適宜利用する。更に、単にプログラムを書くのではなく、解の精度や計算誤差についても学習する。
授業の進め方・方法:
理論の解説後、関数電卓やプログラミング、Mathematicaによって演習を行う。
注意点:
演習のため、適宜ノートパソコンを持参すること。継続的に授業内容の予習・復習を行うこと。
選択必修の種別・旧カリ科目名
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバスを用いた授業内容の説明、数値計算における誤差(丸め誤差、打切り誤差、情報落ち、桁落ち)(復習:誤差を理解するためのサンプルプログラムと数値解の評価) |
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。
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2週 |
数値計算における誤差(丸め誤差、打切り誤差、情報落ち、桁落ち)(復習:誤差を理解するためのサンプルプログラムと数値解の評価) |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。
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3週 |
√2の近似と非線形方程式の数値解法(二分法、ニュートン法)(復習:二分法、ニュートン法のプログラミングと数値解の評価) |
非線形方程式の数値解析の必要性を理解する。
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4週 |
√2の近似と非線形方程式の数値解法(二分法、ニュートン法)(復習:二分法、ニュートン法の応用) |
非線形方程式の数値解析を応用できる。
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5週 |
実験データの内挿と関数近似(ラグランジュ補間、ニュートン補間、スプライン補間)(復習:ラグランジュ補間のプログラミングと数値解の評価) |
関数近似の数値解析の必要性を理解する。
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6週 |
実験データの内挿と関数近似(ラグランジュ補間、ニュートン補間、スプライン補間)(復習:ニュートン補間のプログラミングと数値解の評価) |
関数近似の数値解析によって数値解を評価できる。
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7週 |
連立一次方程式の直接解法(ガウスの消去法、LU分解、枢軸選び)(復習:ガウスの消去法のプログラミングと数値解の評価) |
連立一次方程式とガウスの消去法の重要性を説明できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
円周率計算と数値積分(長方形近似、台形公式、シンプソン公式)(復習:台形公式のプログラミングと数値解の評価) |
積分の数値解析の必要性を理解する。
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10週 |
円周率計算と数値積分(長方形近似、台形公式、シンプソン公式)(復習:シンプソン公式のプログラミングと数値解の評価) |
積分の数値解析によって数値解を評価できる。
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11週 |
物体の運動と常微分方程式の数値解法(オイラー法、線形多段法、ルンゲ・クッタ法)(復習:オイラー法のプログラミングと数値解の評価) |
常微分方程式の数値解析の必要性を理解する。
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12週 |
物体の運動と常微分方程式の数値解法(オイラー法、線形多段法、ルンゲ・クッタ法)(復習:ルンゲ・クッタ法のプログラミングと数値解の評価) |
常微分方程式の数値解析によって数値解を評価できる。
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13週 |
常微分方程式の数値解法の応用(数理生物モデルへの適用) |
常微分方程式の数値解析を応用できる。
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14週 |
行列の固有値問題(べき乗法、ヤコビ法、QR法)(復習:べき乗法・ヤコビ法のプログラミングと数値解の評価) |
行列の固有値問題の重要性を説明できる。
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15週 |
前期の総まとめ |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 情報数学・情報理論 | コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。 | 4 | 前1,前2,前3,前5,前7,前9,前11,前13,前14 |
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前4,前6,前7,前10,前12,前13,前14 |
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。 | 4 | 前4,前6,前7,前10,前12,前13,前14 |
評価割合
| 中間試験 | 定期試験 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 60 | 100 |
専門的能力 | 40 | 60 | 100 |