知能メディア処理

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 知能メディア処理
科目番号 35214 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「自然言語処理(三訂版)」黒橋禎夫、放送大学教育振興会、ISBN:978-4595324154
担当教員 村田 匡輝

到達目標

(ア)テキストの基礎的な解析方法について理解できる.
(イ)言語リソースの利用法,言語リソースからの情報の抽出方法について理解できる.
(ウ)深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解できる.
(エ)自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安 (優)標準的な到達レベルの目安 (可)未到達レベルの目安 (不可)
評価項目1テキストの基礎的な解析方法,言語リソースの利用法について理解でき,詳細を説明できる.テキストの基礎的な解析方法,言語リソースの利用法について理解できる.テキストの基礎的な解析方法,言語リソースの利用法について理解できない.
評価項目2深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解でき,詳細を説明できる.深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解できる.深層学習を用いた自然言語処理の概要について理解できない.
評価項目3自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解でき,詳細を説明できる.自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解できる.自然言語処理を応用したシステムについてその仕組みを理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A4 現実の問題や未知の問題に対して,問題の本質を数理的に捉え,コンピュータシステムを応用した問題解決方法を多角的視野から検討することができる.
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
自然言語とは,人間が日常的に話したり書いたりしている言語のことである.自然言語をコンピュータで処理する技術を自然言語処理と呼ぶ.本講義では,ニューラルネットワークに基づく自然言語処理の仕組み,機械翻訳や情報検索,質問応答,対話システムなどのシステムについて学ぶ.また,自然言語処理技術の発展を支えた言語リソースの利用法について説明を行う.さらに,自然言語をコンピュータで処理するためには,基礎的な文章の解析が必要となる場合がある.文章の基礎解析として,系列の解析,構文の解析,文構造の情報を利用した文が表す意味の解析,関連する文間で表現される文脈の解析が挙げられる.これらの解析手法について,その技術的な説明を行い,各手法について理解する.
授業の進め方・方法:
本講義では,文章の基礎的な解析技術,深層学習に基づく自然言語処理,それらを応用したシステムを理解することを目的とする.講義では自然言語処理を実現するための理論を教科書によって習得する.さらに,毎回,講義内容に対応する演習を設け,自然言語処理のプログラミング技法の理解および習得を目指す.
注意点:
ノートパソコンを持参すること.継続的に授業内容の予習・復習を行うこと.また,授業内容について,決められた期日までの課題(レポート)提出を求める.

選択必修の種別・旧カリ科目名

規制技術に含まれるものはない

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 シラバスを用いた授業内容の説明.自然言語処理の概要と歴史 本講義の内容,進め方,自然言語処理の概要と歴史について理解する.
2週 文字列・テキスト処理の基礎,言語リソースの構築(1):自然言語処理の発展を支えた言語リソースの構築について説明する.
(課題)言語リソースからの情報抽出に関する課題レポート提出
コーパスをはじめとする言語リソースの概要,利用方法について理解する.
3週 言語リソースの構築(2):自然言語処理の進展を牽引するベンチマークの構築とクラウドソーシングの利用について説明する.
(課題)コーパスの活用方法,n-gram言語モデル,分類問題に関する課題レポート提出
ベンチマーク,クラウドソーシング,分類問題について理解する.
4週 語の意味の扱い:語の意味の定義,同義性,多義性の問題,シソーラスについて説明する .
(課題)シソーラスの利用に関する課題レポート提出
語の意味の定義,同義語,多義語の問題,シソーラスについて理解する.
5週 ニューラル自然言語処理の基礎:自然言語処理におけるニューラルネットワークの基礎的な事項を説明する.
(課題)word emgedding,言語モデルに関する課題レポート提出
ニューラルネットワークの概要,word embedding,RNN言語モデルについて理解する.
6週 機械翻訳:これまでの機械翻訳手法,および,発展目覚しい深層学習による機械翻訳について説明する.
(課題)機械翻訳に関する課題レポート提出
構文的曖昧性の解消の方法について理解する。
7週 Attention機構に基づくニューラルネットワークモデル:Transformer, BERT, 事前学習について説明する.
(課題)深層学習モデルのfine-tuning,事前学習済みモデルの利用に関する課題レポート提出
最新のニューラルネットワークモデルの概要,fine-tuning,事前学習について理解する。
8週 中間試験 第1週から第7週までの内容についての知識を確認する。
4thQ
9週 系列の解析:語の並び(系列)に対する解析の手法を説明する.
(課題)系列の解析,機械学習を用いた系列ラベリングに関する課題レポート作成
系列の解析について理解する.
10週 構文の解析:構文(文内の語の結びつき)を解析する手法について説明する.
(課題)構文の解析(依存構造解析,句構造解析)に関するレポート
構文の解析について理解する.
11週 文の意味の解析:文の意味を解析する手法として,述語項構造解析,意味役割付与,感情分析,含意関係認識等について説明する.
(課題)文の意味の解析についての各種問題に関する課題レポート提出
文の意味の解析について理解する.
12週 文脈の解析:語句間,文間の関係等で表現される文脈を解析する手法(照応解析,談話構造解析)について説明する.
(課題)照応解析,談話構造解析に関するレポート課題提出
文脈の解析について理解する.
13週 情報検索:ウェブ検索に代表される情報の検索を実現する方法について説明する.
(課題)情報検索を実現する技術に関する課題レポート提出
情報の検索を実現する方法について理解する.
14週 質問応答:質問に対して明確に答えを返す質問応答タスクについて説明する.
(課題)質問応答およびそのシステムに関する課題レポート提出
質問応答タスクについて理解する.
15週 対話システム:人間と自由に対話することができる対話システムについて説明する.
(課題)対話システムを実現する技術に関する課題レポート提出
対話システムについて理解する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験定期試験課題合計
総合評価割合305020100
専門的能力305020100