環境都市工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 豊田工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 環境都市工学実験Ⅰ
科目番号 43134 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『建設材料実験法』 土木材料実験教育研究会偏 (鹿島出版会) ISBN: 978-306-02409-0
『土質試験 基本と手引き』(社)地盤工学会編,地盤工学会,ISBN:978-4-88644-127-0
担当教員 大畑 卓也,小笠原 明信

到達目標

(ア)土の粒度試験により,粒径加積曲線を描くことができる。
(イ)土の液性・塑性限界を求めて,塑性指数,液性指数を算出することができる。
(ウ)土の密度試験により,土粒子の密度や比重を求めることができる。
(エ)骨材のふるい分け試験、骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。
(オ)フレッシュコンクリート、硬化コンクリートの各試験について理解し、器具を使って実験できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目(ア)土の粒度試験により,粒径加積曲線を描くことができ,分類ができる。 土の粒度試験により,粒径加積曲線を描くことができる。 土の粒度試験により,粒径加積曲線を描くことができない。
評価項目(イ)土の液性・塑性限界を求めて,塑性指数,液性指数を算出することができ,分類ができる。 土の液性・塑性限界を求めて,塑性指数,液性指数を算出することができる。 土の液性・塑性限界を求めて,塑性指数,液性指数を算出することができない。
評価項目(ウ)土の密度試験により,土粒子の密度や比重を求め,特徴を説明できる。 土の密度試験により,土粒子の密度や比重を求めることができる。 土の密度試験により,土粒子の密度や比重を求めることができない。
評価項目(エ)骨材の密度、吸水率について求めることができ,骨材の粒度について説明できる。骨材の密度、吸水率について求めることができる。骨材の密度、吸水率について求めることができない。
評価項目(オ)フレッシュコンクリート、硬化コンクリートの各試験について理解し、器具を使って実験できる。フレッシュコンクリート、硬化コンクリートの各試験について器具を使って実験できる。フレッシュコンクリート、硬化コンクリートの各試験について器具を使って実験できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B3 実験実習を通して実践的技術者に欠かせない計測技術やデータ解析法を身につける
本校教育目標 ② 基礎学力

教育方法等

概要:
環境都市工学実験Ⅰは,材料実験と土質実験について,その実験の目的と方法を体験的に理解し,その結果について工学的に説明できる能力を養う。材料の諸性質を知るには,実際にそのものにさわってみないと十分理解できないことが多い。そのために、材料実験では正しい実験方法により建設材料の諸性質を十分に理解することと、活用に当たっての基礎知識を得ることを目的とする。土は土粒子・水・空気の三相混合体であり,それゆえに扱いが難しい面がある.実際に土を手でさわり,含水状態による土の変化を実感することが土質力学を学ぶ上で大事なことである.土質力学Ⅰで学ぶ土の諸性質および締固め特性を実験を通して実際に確認することを目的とする.特に,土のコンシステンシー特性や透水特性は,基礎理論との対比を通じて理解を深めることが重要である.
授業の進め方・方法:
材料実験:スライドを用いて実験内容を説明し、適宜プリントを配布して実験の理解を深める。各実験とも実験結果、結果の考察などをレポートにまとめ、提出する。
土質実験:1クラスを8班に分け,そのうちの4班が実験を実施している場合は残りの4班はレポート作成の時間とする。したがって,基本的には1つの実験テーマについて,2週にわたって実験を行う。なお,レポートの提出は,すべての班が実験を行った翌週の授業日とする。
注意点:
材料実験:建設材料学A、建設材料学Bを習得し、コンクリート構造学IAを履修していることが望ましい。実験には必ず作業のできる服および靴を着用し、電卓を準備すること。
土質実験:土質力学ⅠA,ⅠBを履修していることが望ましい.受講の注意点:関数電卓を毎回持参してくること.靴を履き作業性の良い服装で受講すること.

選択必修の種別・旧カリ科目名

旧カリ科目名:土質実験

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必履修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 総括説明:安全衛生関連,講義概要,ノギスの使い方 実験時の注意点、データ分析法、レポート作成法が理解できる。
2週 実験①骨材のふるい分け試験 骨材のふるい分け試験ができる。
3週 実験②細骨材,粗骨材の密度および吸水率試験 細骨材の密度および吸水率試験、粗骨材の密度および吸水率試験ができる。
4週 実験③鋼材の引張試験 鋼材の引張試験ができる。
5週 実験④コンクリート供試体作製 コンクリートの圧縮試験・引張試験,曲げ試験用供試体作製ができる。
6週 実験⑤コンクリートの強さ試験 コンクリートの圧縮試験・引張試験,曲げ試験ができる。
7週 実験概要,試料の準備 土質実験の概要を理解している。
8週 土の密度試験 土の密度試験により,土粒子密度を求めることができる。
2ndQ
9週 土の密度試験 土の密度試験により,土粒子密度を求めることができる。
10週 粒度試験 粒度試験により,土の粒度分布を求めることができる。
11週 粒度試験 粒度試験により,土の粒度分布を求めることができる。
12週 粒度試験 粒度試験により,土の粒度分布を求めることができる。
13週 土の液性・塑性限界試験 土の液性・塑性限界試験により,液性限界,塑性限界を求めることができる。
14週 土の液性・塑性限界試験 土の液性・塑性限界試験により,液性限界,塑性限界を求めることができる。
15週 リスクアセスメント 実験実習に伴うリスクアセスメントができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。4前1
安全を確保して、実験を行うことができる。4前15
実験報告書を決められた形式で作成できる。4前1
有効数字を考慮して、データを集計することができる。4前1
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。4前15
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。4前15
測定と測定値の取り扱いができる。4前1
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。4前1
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。4前1
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。4前1
工学基礎工学実験技術工学実験技術物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。4前1
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。4前1,前7
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。4前1,前7
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。4前1,前7
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。4前1,前7
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。4前1,前7
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。4前1,前7
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。4前1,前7
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。4前1,前7
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。4前1,前7
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。4前1,前7
専門的能力分野別の工学実験・実習能力建設系分野(実験・実習能力)建設系分野(実験・実習能力)骨材のふるい分け試験について理解し、器具を使って実験できる。4前2
骨材の密度、吸水率試験について理解し、器具を使って実験できる。4前3
コンクリートのスランプ試験について理解し、器具を使って実験できる。4前5
コンクリートの空気量試験について理解し、器具を使って実験できる。4前5
コンクリートの強度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前6
各種構造形式(コンクリート、金属などによる)による試験体を用いた載荷実験を行い、変形の性状などを力学的な視点で観察することができる。4前4
土粒子の密度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前7,前8,前9
液性限界・塑性限界試験について理解し、器具を使って実験できる。4前7,前13,前14
粒度試験について理解し、器具を使って実験できる。4前7,前10,前11,前12

評価割合

課題合計
総合評価割合100100
専門的能力100100